天井裏の裏話
「漫画はどうやって思いつくのですか?」とたまに聞かれるのだが自分でもさっぱりわからない。ネームを描いてると気づいたら形になっている。形にならないものはならない。
しかし、自分でもどうやって物語を作っているのか、その思考プロセスみたいなものを把握しておきたいなと思ったので、思い出しながら記録してみる。
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「天井裏に誰かがいる」のメインキャラクターは、もともとそれぞれ別の話を考えていた時にできたキャラクターだった。
雨井→見た目だけは10代の頃に考えていたキャラクター。巫女さんという設定だったと思う。
堀→動物霊に取り憑かれるが、それを敢えて祓わずに飼う…というキャラクターを主人公にしたギャグ漫画を考えていた。これは、いとうせいこうさんがバカリズムさん、小林賢太郎さんとの対談の中で「犬の悪霊に取り憑かれているけどお祓いせずに飼っている」と仰っていた事が元ネタ。
この話を考えている過程で「心霊写真が撮れるスマホ」→「霊感のあるAIアシスタントが搭載されているスマホ」としてHARUのアイデアが出た。
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そうこうしているうちに、「屋根裏に誰かいるんですよ」という本に出会いその本からヒントを得た話を書きたいと思い、すでにいたキャラクターを当てこんでいったのだと思う。
インターネットを絡ませるのはなぜそうしたのか全く覚えていない。当時、私はTwitterでかなり嫌な思いをしたのでその恐ろしい体験が影響していたのかもしれない。
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楽太郎は当初なぜか「家電と話が出来る」というよくわからない能力を持っていたのだが「この設定いるか?」となり、霊感があるという設定に落ち着いた。
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最初、無謀にも60ページほどの読み切りにしようとしていた。担当さんにネームを見せた時に「3回くらいの短期集中連載にしましょう」とあいなった。
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ネーム初期の段階から担当さんに言われていた事だが、かなり長期連載を意識した作り方をしていたと思う。
しかし、このネームを書き上げたあとに連載企画を出すにあたり、「天井裏〜」を長期連載に…と当然考えていたのだが、「デビュー作が好評だったから」との事で、「怪獣を解剖する」が選ばれたのだった。
新連載「怪獣を解剖する」は2024年5月発売の月刊コミックビームに第一話が掲載されます。
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