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アメリカで一番人気のファストフード店「Chick-fil-A(チックフィレイ)」!人気の理由に迫る

ニューヨークのブランド調査会社「MBLM」が2019年に発表した、アメリカのファストフードチェーンのブランド親密度ランキング(Brand Intimacy 2019)で1位に輝いた店がどこかご存知だろうか?

スターバックス?タコベル?マクドナルド?
どれも違う。

答えは「Chick-fil-A(チックフィレイ)」である。

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ハンバーグではなく、揚げたチキンの胸肉をサンドした「チックフィレイサンドイッチ」が有名な日本未上陸のファストフード店。

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一見普通のファストフード店だが、「ACSI(American Customer Satisfaction Index)」が実施している調査で3年連続「アメリカで愛されているファストフードチェーン」ランキングでトップを獲得するなど、アメリカ人から絶大な人気がある店である。

なぜここまで愛されるブランドへと成長したのだろうか?

Chick-fil-A(チックフィレイ)とは?

全米に2,000以上の店舗を展開する巨大ファストフードチェーン「チックフィレイ」

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ちなみに、店名「Chick-fil-A」の「fil-A」は、「fillet(ヒレ肉)」という意味と「グレードA」という意味の両方が込められている。

看板商品「チックフィレイサンドイッチ」は、揚げた鶏肉とピクルスをサンドした、ジューシーでふっくらしたチキンが特徴のサンドイッチ(約500円)で、シンプルなのだがなぜか病みつきになる味わいである。

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「Franchise Times」によると、チックフィレイは最も急速に成長しているファーストフードフランチャイズの1つであり、同社の売上は2009年の3億ドルから2018年には10億ドルと、3倍以上増加している。

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なぜチックフィレイが人気なのか?

人気の理由①クオリティの高い食事の提供

チックフィレイが人気の理由の1つは「食事のクオリティが高いこと」

食品科学者、栄養士、およびシェフが協力して開発するイノベーションセンターを設立し、そこでレシピを開発している。
また、ファストフードチェーンには珍しくサラダやフルーツカップをはじめとするヘルシーフードも提供している。

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さらに、食の安全性に対する課題にも積極的に取り組んでおり、10年ほど前から「ガンのリスクがある」と言われているトランス脂肪を、全ての食品から除去する取組みを行っている
また、2019年までに全ての肉を抗生物質が含まれない肉にすることを目指している。

人気の理由②ファンとの関係性を深める施策の実施

チックフィレイでは「First 100 Campout」というイベントが開催されている。これは、新店舗のオープン前日に店舗でキャンプをしてくれた人々100名に対し、1年間無料でチックフィレイの商品が食べられる権利を与えるものである。

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「キャンプアウトイベント」をはじめ、チックフィレイはファンとの関係性を深める様々な施策を提供している。

チックフィレイ人気の理由③顧客満足度の高いサービスを提供する従業員の存在

「ACSI」が実施している調査において、チックフィレイのスタッフの礼儀正しさはファストフードチェーンの中で堂々の第1位であった。

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なぜ従業員のサービスのレベルが高いのか?
決して給料が高いからではない。(チックフィレイの時給は約千円とファストフード業界の平均時給とほぼ同じである。)
従業員のレベルが高い理由は、企業の従業員に対するサポートの手厚さにある。
チックフィレイでは、新入社員の入社時にキャリア目標を尋ね、彼らの目標が達成できるよう手厚いサポートをしている。
20年チックフィレイのマネージャーを務めているケビン氏によると、彼はチームメンバーがマーケティング学位を取得するためなどに必要な学費を提供していると言う。

創業者であるキャシー氏は教育を重視しており、1973年以来3,500万ドル以上の大学奨学金をチックフィレイの従業員に提供している。
また、必要に応じて従業員だけではなくその家族への配慮もしており、ある従業員の家族が入院した際は、家族に食べ物を提供していると言う。

「自分が大事にされていると実感すると従業員のモチベーションは上がる」とケビン氏は語っている。

さらに、チックフィレイでは全ての店舗で日曜日が休みになっている。創業者であるキャシー氏が24時間年中無休で営業しているレストランで働いた経験から、休暇の重要性を理解しており、「日曜は礼拝と休養のために休みにしよう」と掲げている。
これは公式HPにもきちんと説明されている。

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アウターブランディングは勿論インナーブランディングが重視される時代へ

ブランディングを実施する際、顧客向けの施策が重視されがちだが、ブランドの価値を高める上で従業員の存在は欠かせない。

従業員が自社ブランドについて深く理解し、誇りを持つことで、従業員のモチベーションと生産性を上げ、ブランド価値そしてビジネス全体に好影響を及ぼしていくことができる。

その意味で企業は、アウターブランディング同様、インナーブランディングにも力を入れていくことが求められるだろう。

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