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大型風力発電計画。ここに住み続けるかどうか、揺らぐ日々。【④今できること】

広島県北の山間地で、フィジー人夫と、6歳長男、3歳双子の次男三男と暮らしているyumiです。地域に突然降ってきた大型風力発電計画について、自分が悩んでいることについて書いてきました。じゃあ、これからどうするのか。今、私にできることは?

大型風力発電を受け入れて、ここに住み続けるか。別の場所を探すのか。答えは出ないままです。

風力発電を受け入れる、ということは、私にとっては単に健康被害のリスクや景観が損なわれることを我慢する、ということにとどまらない、という問題があります。それは、イコール「地域が衰退することを受け入れる」ことのように感じてしまうのです。(あくまで私にとっては、です)

私たち自身が、風力発電ができることによって、今住んでいる場所から出るかどうか悩んでいる。それはつまり、今後地域に移住者を呼び込むことがますます難しくなる、ということだと思います。

地元の人はどうかわからないけれど。当たり前すぎて自然の価値を感じている人は意外と少ないのかもしれないけれど。私は、ここの自然が大好きで、日々山の風景に癒され、自然と戯れながら育っていく子どもたちを見て、幸せを感じながら暮らしています。都会から田舎へ移住する人たちは、少なからずそんな自然の美しい風景、豊かな生態系や水や空気、そしてそこで営まれる自然と調和した人々の暮らしに惹かれ、癒され、そこへ住むことを選択するという気持ちがあると思います。

そんな山々の風景に、巨大な人工物が入り込む。生態系に影響が出る。人体への健康被害のリスクがある。そういう場所を、日本中にたくさんある自然豊かな田舎の中から、わざわざ選んで移住してくるか・・・と考えると、そうはならないだろうと自然に思うのです。

少子化が進む我が地域。長男は同級生が6人ですが、下の双子たちはゼロ。同級生がいません。前後の学年からガクッと子どもの人数が減ってきます。私は、個人的に少人数教育はとても好きで、今の学校環境には満足しています。でも子どもたちの学びという点でも、地域の存続という点でも、ある程度の子どもたちの人数は必要。数年後には保育園、学校の運営自体が変化していくだろうと予測する中、移住促進にこれまで仕事でも取り組み、これから個人的にもできることはと思う中、こんな突然の外からの大きな事業でますますハードルが上がるなんて・・・一気に諦め感です。正直なところ。

地域から保育園や学校が消える。子どもたちに将来帰っておいでと言えなくなる。そうなるかもしれない地域に、このまま住み続けていいのか。そしてその課題に自分がどうすることもできない、という、風力発電計画とその前に起こった立て続けの2つの出来事による絶望感。

でも、今ある私たちの暮らしは本当に恵まれていて。日本語が話せず皿洗いのアルバイトから入った会社で、今は社員として仕事を任せてもらっている夫。近所の人たち、地域の人たちに温かく育てられ、本当にのびのびと成長している子どもたち。そして地域に来てからのご縁で住むことができた大好きな家と、ここからの風景、居心地の良い集落。自然保育したり子どもたち遊ばせたり一緒にいろんなことを語ったり楽しんだりする友人たち・・・などなど、つくってきた暮らしがあるのだよー!もう、バカヤロー!!!

と、叫んでいても何も進まないので、考えました。今、何ができるのか。とりあえず、私が今やれること動けることは・・・。

①風力発電反対の意思表明をすること。

前回記事で、風力発電反対に動けない理由を書いたのですが(笑)。そうは言っても、何もしないで不満を言うのはやっぱりいけない。今回の風力発電事業で、一般住民は3回だけ、意見や疑問を伝える場が設けられています。事業遂行の手続きにある、事業者に義務付けられている資料への意見書提出と住民説明会参加。一個人として、これらの機会には参加しようと思います。なんていうか、政治には絶望しているけど選挙の投票義務は果たす、みたいな気持ち^^;

ちなみに、3回のうち、もう2回は終わっています。昨年夏頃の1回目のときは、意見書に関しての情報すら締め切り数日前に知る(住民への周知がされないところにも事業者への不信が募ります)という状況だったので、慌ててちょこっと書くにとどまりましたが、今年3月の2回目の意見書では項目別に10枚近く書いて提出しました。それで忙しくてnote更新ができなかったのもあるのだー!(と、言い訳。笑)

このことに自分の時間とエネルギーをたくさん割くことは無理。だけど、疲れない程度に、やるべきことはやっておかないと、後で後悔しそうだから。結果を期待するというより、自分がどう生きるか、みたいなところかな。

それ以外はしないでおこう・・・他の人に呼び掛けるとか、地域全体で考えていこうとかはもう疲れた・・・と思っていたのですが、安芸太田町で風力発電を考えようと動いている人たちに友人がいて、吉和でもぜひ一緒にと講師を呼んでの勉強会や意見書の書き方講座など企画してくれるので、その周知や準備に結局ちょこちょこと動いている私(笑)。

あと吉和でも、地域を守りたい思いから、自腹で勉強会資料をたくさん印刷して話ができる人に配ってまわったり、隣町の説明会にも参加してみたり、という人が、数人ですがいらっしゃいます。そういう人たちと協力できることはやっぱりしていきたい、という思いはある。

活発な安芸太田町の人たちの働きかけで、第1回目の意見書提出は300通。第2回目はなんと1,000通以上も集めて、自治体や事業者に提出されていました。これはすごい。同時期の各地の風力発電計画における意見書数の中でも突出しているようです。そして、こうした動きを受けて、町議会も、町有地の風力発電施設での使用を否決するという決議を行いました。これって大きいですよね!

隣町のこういう人たちの動きや思いに触れられたこと、またこの問題について知ること考えることができたのは、よかったというか、自身にとっての勉強にはなったと思っています。全国では、地元の反対によって計画が白紙に戻っている事業もあるようなので、設置ありきで進んでいるように見える事業ですが、希望はゼロではないかなと思っています。

②再移住の選択肢も視野に入れながら、考えること。他の地域も見ること。

もう、性格的にモヤモヤしながら止まっているのに耐えられない。ので、もしここを出るとしたら、の状況に備えて、行先はどこにするのか。仕事はどうするのか。家は、子どもたちの学校は・・・と、とりあえず調べたり考えたりはしていこうと思っています。

それに、もし今いるところに住み続けるとしても。「仕方なく」住むのは避けたい。いろいろ見て、検討して、やっぱりここが最高!ここで生きていくわワタシ!という、前向きな気持ちで暮らしていきたいから。そのためにも、他をいろいろ見てみる、というのは必要かなと思っています。

コロナ禍で、動きづらい状況ではありますが。様子を見ながら、少しずつでも、自分の気持ちが固まってきたらなと思います。でも・・・自分一人だったら身軽に動けるのですが、家族を巻き込むとなると、考えれば考えるほど大変ー!移住相談窓口、みたいな仕事も携わったことがありますが、いざ自分がとなると・・・これまでの相談者さんの悩まれていたことが身に染みてわかります^^;)

③ここで思いっきり「遊ぶ」こと!

そして、コレです。忘れてはいけない「今を楽しむ」!だって、せっかく今現在は恵まれた環境にいるのだから。今この瞬間も、すくすくと育って変化していく子どもたちが目の前にいる。いろいろ思い悩んで今ある幸せを感じられないなんてことにならないように気を付けないと。そして、もしや遠くない未来にここを離れることになるかもしれない・・・と思うと、もういつ離れても後悔がないように、遊びつくしておかなければ!!!という気持ちにもなります(笑)。

それに、もしももしも風力発電が白紙に戻り、予定通り宿の開業に向けて動くとしたら、この地域や周辺でしっかり遊んだ経験は、すべてお客さんに還元されるはず!!!というわけで、働いている場合ではない、遊ぶのだよ!という勢いでここでの暮らしを満喫しようと思います(←いやいや働くのもしっかりね)

一体どうなるのか、我々の暮らし。ほんと先が見えないって、動きたくても動けなくてしんどいけれど。幸い、風力に関しては時間の猶予はある。起業予定は狂ったけど、落ち着く先も見えないけど、今は自分の充電時間なのかも、と考えて。でも、動くなら子どもたちの教育や自分たちの年齢なども考えて、そう先延ばしにもしたくない。焦らず、でも怠けず?、どちらに転んでも大丈夫なように、準備しておければと思っています。

また、進展があったら、心のモヤモヤがたまったら、書いていこうと思います。読んでくださった方、ありがとうございました!

(終わり)


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