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平気?

昨年末、まきさん(大黒摩季)の離婚が報道された。

さはらはまきさんの言葉からあれやこれやと勝手に想像し、息ができなくなる程泣いた。同情されることをまきさんは好んでいないのだからこんな気持ちになるべきじゃない。とは思いつつ。。。

今回は幼い頃カラオケでまきさんを歌いすぎて「あんたがいると大黒摩季ばっかで嫌」と姉から冷たく言われた経験のあるさはらが、まきさんの曲に関してただただ自己満に語らせて貰う。(曲に関しての捉え方は人それぞれであり、あくまでさはらが感じたことですのでご容赦を)

まきさんの歌詞は力強い言葉の端々から悲しさ、辛さが滲み出てきて心をギュッと締め付けてくることが多い。大ヒット曲「チョット」では夢中になっていた恋人に振られた直後の行き場のない気持ちをを表現している。曲の後半でリズムよく刻まれるパンチラインに着目して欲しい。

傷ついたなんて思わない
ありがとう なんて絶対言わない!  
(チョット, 大黒摩季)

中途半端に優しく振られたものだから相手のことを嫌いになるタイミングが与えられずもがき苦しむ中、唯一自分を守る術が 傷ついたなんて思わない ことである。油断したら深い深い悲しみの底に突き落とされてしまう。今は瀬戸際、ここが踏ん張り所。気丈に振る舞う姿の影に哀愁がチラつく。

まきさんの楽曲はどれも素晴らしいが一番好きな曲は 勝手に決めないでよ である。

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こちらシングルとして発売された後、アルバム RHYTHM BLACK にも収録された。

この曲はコンプがバチバチにかかったイラつきドラムから始まる。最初からイライラを全開にするのではない。なんとかやり過ごそうと我慢に我慢を重ねた8小節後、バンドインにより怒りが爆発するのだ。しかしまたAメロで静かな怒りに切り替わるが、徐々に強くなるギターのバッキングから怒りが漏れ出ている。

あなたがどんなに私を思ってくれてたとしても
「君にふさわしい人がいるよ」ってお勧めされても
あなたはふさわしい
私にふさわしい
勝手に決めないでよ    
(勝手に決めないでよ, 大黒摩季)

曲のテーマとしてはタイトル通り 僕は君に相応しくないから、まだ先が見えず迷惑もかけられない、君は家庭より仕事を選ぶ方が幸せだからと勝手に決めつけ、別れを切り出した恋人に対して そんなことない、私はあなたと一緒にいたい!でももう知らない!と言った感じだ。

淡々と恋人からの言葉を否定し、追い詰めていく。
極め付きは以下の歌詞。

加害者のハズなのに
ツラそうな顔して
被害者面しないでよ
平気…         
(勝手に決めないでよ, 大黒摩季)

振った方が加害者で、振られた方が被害者という構図が正しいかどうかの論争はさておき、 「てめえ私を傷つけておいて何ツラそうにしてんだよ!ふざけんな!」と言った怒りが爆発しているが、またすぐに冷静になり 平気 と呟く。まさに感情のスチールドラゴン
そしてまたコンプドラムがビートを刻み始め、徐々に雲行きが怪しくなったかと思えば

ワラッパーパー パーラーラー
ワラッパーパー テーンデレレー
ワラッパーパー パーラーラー
パラパパー パラ◎$♪×△¥●&?#$! 
(勝手にさはらが聞き取った)

怒りに我を忘れる。もう言語化不可能。
勝手に決められたことへの憤り、捨てられた悲しさでおかしくなってしまった一人の主人公がありありと想像できる。

そして散々悲しみと怒りに苛まれつつ、何度も何度も 平気 が繰り返される。



平気なわけがない、だがしかし、平気と言うしかない。


日が登ったら、また平気なフリをする。
誰にも気がつかれぬよう、心配、同情などさせてたまるものか
私の悲しみは私だけのもの とでも言っているかのように。

ここまで私の感想に付き合っていただきありがとうございます。
まきさんサブスク解禁されてますのでよかったら聴いてみてね。


Spotify →勝手に決めないでよ

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