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閑話:風通しの良い暮らし(ル・プチメック コラム)

この記事は2019年7月1日にル・プチメック コラムに寄稿した記事の全文転載です。

今の住まいに引っ越してきて、気がつくと8年になろうとしている。

その前は二条城の近くにあった古長屋に住んでおり、天井の雨漏り、木建具の隙間風、ネズミやイタチが屋根裏を走り回る環境はけっして良かったとは言えない内容だったけれど、いい経験ができたと思うことにしている。

僕は京都府南部にある宇治市で生まれ育って、大学生の後半あたりから京都市内へ移り住み始め、左京区一乗寺、左京区岩倉、再び左京区一乗寺、左京区新丸太町、上京区中之町ときて、右京区太秦に落ち着いている。

<軽く振り返っておく>

・左京区一乗寺
叡山電鉄一乗寺駅と今もラーメン激戦区である通りの間にあった四畳半の文化住宅「ときわ荘」(某まんが道と同じ名前だ♪)。鉄の階段を上がってくる足音が部屋まで届くような風情ある光景。キッチンは室内にあったが、トイレとシャワーは共同になっており、当時大学生だったこともあって、いつも学校のシャワーを使っていた。

・左京区岩倉
明治維新十傑の一人といわれる岩倉具視の乳父である九兵衛宅址近くにある2LDK。大学を卒業するタイミングで友人と部屋をシェアすることにした。自宅に風呂がある幸せだけでなく、友人と暮らすことはメリットもいろいろあった。

・左京区一乗寺(再び♪)
江戸時代初期の武将・石川丈山が山荘として利用していた詩仙堂近くの一戸建て。農家である大家さんの敷地内にある土蔵と窯風呂の間に建てられたであろう借家。八大神社へと続く坂道の途中のためかいつも空気も澄んでおり、近くの雲母坂では比叡山から下りて来られた大阿闍梨さんを見かけることもあった。

・左京区新丸太町
京阪三条近くのマンション。生活の中で京阪電車を使うことが必要になったことから、このエリアに移ったんだけれど、山から街に下りてきたこともあって、人が生み出すノイズの多さで調子が悪くなった気がする。鴨川がスグ近くだったこともあって大雨の日だとドキドキしつつ覗きに行っていたわ。

・上京区中之町
二条城の北側で上京区だと南端に位置する古長屋。上京区は京都の行政区の中でも古い家屋が比較的残っている気がする。京町家じゃないけれど、古い建物への憧れもちょっとあって生活していたが冒頭でも伝えたように、まぁまぁツライ一面もあった。

・右京区太秦
広隆寺と木嶋神社(蚕ノ社)の近くにある平屋。明らかに古長屋からの反動で…、お風呂が自動で湧くことに感動したり、小さな平屋であるが周囲に緑地に囲まれている。古長屋の頃はネズミやイタチだったが、今の場所はそれらに加えてカラス、スズメ、メジロ、ウグイス、ヤモリ、アオダイショウ(蛇)やアオバズク(梟)とか… むしろ動物は増えている♪

冒頭写真は植栽のひとつである「カツラ」の木。数年前には腰高ぐらいで幹の太さも4cmぐらいだったが、今の幹の太さは15cmぐらいになっており剪定などせずに放置すると毎年2mぐらいは伸びているようで軽く屋根の上を超えてくる。

枝葉の密度が高いと小さな鳥(メジロなど)がすっと隠れることもできるようで、隣人の金木犀をベースキャンプにしているのか、稀にこちら側にも遊びに来る。まぁ彼らが常にいるような様子もないので、光や風の抜けも良い感じになればと思い定期的に剪定するのが暮らしの中に加わっている。

自宅周辺にはカツラ以外にもシマトネリコ、ロウバイ、ハナミズキなど(玉石混淆のさまざまな植物たち♪)も育っており、素人剪定ということもあって庭園の佇まいとはほど遠いけれど、むしろ台風や強風による倒木被害の防止目的もあって、枯れないようにも配慮しつつも自由にはさせない。正しい時期などいろいろあるようだけれど、ちょうど先日「カツラ」と「シマトネリコ」の剪定を行ったところ、剪定用のハサミやノコギリでザクザクと枝をすいていくのはちょっとしたストレス発散にもなっている。(大掃除なんかもそういう感覚あるよね?)

この記事は2019年7月1日にル・プチメック コラムに寄稿した記事の全文転載です。

そして、この記事の編集後記はこちら。

#コラム #京都 #右京区


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