【読書】『あの日、僕は旅に出た』から学ぶ、世界の正しさについて
表紙とタイトルにつられて、つい買ってしまった一冊。
今回、紹介する本は旅の本でもあり著者の自叙伝的な本でもあります。
本書では旅の楽しさ、過酷さ、世界の常識の違い、出版や経営に関する辛さなどが綴られています。
〈まえがき〉
著者の蔵前さんは若い頃に好きな仕事(イラストレーター)に就いたものの、仕事の多忙さから休みがなく働いてました。
タクシーの運転手さんからも「あんた死んでしまうよ。」と言われる始末。
ある時、職場の同僚の方が「インドにでも行ってみたら?」と突飛なことを言われたことをきっかけにインドへ行くことで人生が変わります。
〈インド病〉
早速、2週間の休暇を使いインドへ行ったものの空港は薄汚く、暗く、窓ガラスも割れている。おまけに空港の外では死んだように床に寝ている現地の人も居る。
そして客引きの男たちが我先にと「タクシー!」、「ホテル!」と言って車に乗せようとする。
街に出れば何を買うにも「値段交渉」が必要な上に駅員に運賃を誤魔化される目にも遭う。
そんな最悪なインド旅行から帰国後、しばらくするとインド旅行で体験したことが頭の中をグルグルと反芻(はんすう)。
次第に日本の生活に現実味を感じなくなり、インドを勧めた同僚に相談すると「もう一度、インドに行けば治る」と言われます。
まさか、最悪だと思ったインドに行く…?!
〈仕事を辞めて長い旅へ〉
この時、仕事も少人数で多忙だったため思い切って仕事辞めて旅に出ることを決意。
中国経由でアジアを周り、再びインドへ向かいます。
道中で色々な経験を積んで、再度インドへ入国。そこであることに気づきます。
“本や先入観で見る国と、実際の現地は大きく違う”
ガイドブックには様々なことが書いているがそれは第三者の見方(価値観)によるもので実際に行けば、貧困もあるが皆が暗い顔をしているわけでないし、それぞれが笑顔で生活を営んでいる。
〈イラストから本の執筆へ〉
著者は旅先の出来事を毎日、日記に書き残していました。
するとある日、日記などを入れていたバッグが盗難。
結局、バッグは戻って来ず、急いで記憶を頼りに日記に書き直するも書き出すことが面倒になり絵日記のように描きます。
これが意外と楽しいことに気づき、ここから旅を一冊の本にまとめた「ゴーゴー・インド」を製作、出版を行いました。
〈おわり〉
中途半端なところで紹介が終わりましたが、まだまだ本書には中東、アフリカ、南米の話や旅先で出会った旅人の話、そして本の出版から出版会社設立までの話が多く語られています。
私は一度も海外へ行ったことないですが、そんな私でも海外へ行った気分になれる一冊であり、本を出版することがいかに大変かについてもわかる一冊でした。
また本書の中で「世界に絶対に正しいことはない」と言われています。
多種多様な文化、食事、思想、衣服、住居までそれが人間の世界なんだと。それを否定する権利は誰にもないのだと感じました。
ご興味のある方は一度、手に取られてみてください。
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