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日本の医療費の話。

●逼迫する日本の医療費
現在の日本の国民医療費は、膨らむ一方、、ということを聞いたことがある方もおられるかと思いますが、実際いかほどか、ご存知でしょうか。

医療費は、私たちの生活に深くかかわっていますし、弊クリニックにももちろんかかわっています。

H30年度の国民医療費は、42兆6,000億円 (前年比で3,000 億円の増加)
一人当たりの国民医療費は、33万 7,000円
(3割負担なら11万2,333円)

※参考値:東京都R2年度予算は15兆円ほど。東京都予算の3倍弱です。

医療費の経年推移としては、下の1つ目の表のようになっています。
右肩上がりであることは、事実です。

医療費を診療科別にみたものが、2つ目の表です。

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※ 厚労省 H30年度 医療費の動向 より

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※ 厚労省 H30年度 医科診療所の主たる診療科別の医療費等の状況 より

内科はシェアが大きいですね。
伸び率が一番大きいのは「心療内科」でした。精神科医が標榜しておられるケースも混在しているかと思いますが、心身の問題で困っておられる方の存在が確かであること、メンタル関連で受診すること=レッテルを貼られる、といった風潮が薄れ、すでに受診行動の増加があること、が伺えます。

そのうち、どれほどの方々が満足して通院されておられるのか。

ただ薬をもらうため、診断書をもらうため、そんな受診機会となってしまっているケースもあるかもしれない。
メンタルヘルス科では、検査や手技が少ないため、ある程度患者数をこなさないと採算が取れないという事情もありますので、医師の問題というよりは、構造上の問題があるとも言えます。

ここには、医療のジレンマがある。

そもそも、病気の寛解・完治を目的とするならば、そこを達成していくと、通院終了が増えるわけで、患者数は減り、売上は下がりうる。本来、喜ばしいことなのに、目的の達成なのに、、ここにはジレンマが潜んでいます。

ただし、病気の寛解・完治を目的としない観点もあるだろうと思います。

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●健康、病気には価値観がある。
病気というものは、人それぞれに、違った形で、突然もしくはじわじわと、訪れます。病気には、生まれながらの疾患、付き合っていく疾患もあり、治療を辞めたくても辞められないときもある。
また、自分に降りかかったできごと・健康喪失への受け止め方も、人によって差異があり、それは当然のことです。希望する自分自身の在り方も、健康の意味も、人それぞれだと思うのです。

●事後の医療費ではない、自分への健康投資。
健康につながるものは、決して医療費だけではありませんね。娯楽費は、人間の心身の健康に寄与していると思います。
さらに、より良い自分に調整するための健康投資もあるでしょうし、事後に医療費をかけるよりも、教育費・食費・理美容費・旅費など、その他のことに回せるのなら、それはきっと喜ばしいことなのではないでしょうか。

●「健康」はあなたに何をもたらすのか。
心身両面を、医療に限らず、定期的にメンテナンスすること、早めにケアすること。それは、どうしたらできるのでしょう。

仕事のため?
守るべき人のため?
自分のため?

将来の選択肢を減らさないため?

私は、『仕事のため』を真っ先に思い浮かべている自分が、ちょっと嫌なのですが、、それは、仕事への責任というような熱いものではなく、余計なストレスなく、フラットに仕事に臨みたいというニュアンスです。

最後に、わたしの好きな、健康の定義を記しておきます。

2011年、Huber
『健康とは、適応してセルフマネジメントする力である。』

あなたに今晩も明日も笑顔がありますように。

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