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ネガティブは悪いものなのか。

ポジティブがよくて、ネガティブがよくない。
そんなイメージがあるかもしれません。

「あの人って、すぐネガティブな発言するよね。」
「わたしは、昔からネガティブなんです。」

そんな言葉を耳にする機会もあるでしょう。
この「ネガティブ」というワードに「悪い印象」が付き纏っていることは、うなずけるところかと思います。

しかし、そんな単純なものでしょうか。
それに、本当に悪いものなのでしょうか、だとしたらなぜなのか。

ここでは、ネガティブを、「否定的・悲観的なものの考え方、および心理状態」として捉え、考えていきたいと思います。

●ネガティブのポテンシャル。
「ネガティブ」を暴くために、分解し、多角的に、みていきます。

まず、「分解」から。そもそも、ネガティブって、何なんでしょう。

一言でいうなれば、「リスク」に重点をおいた考え方、と言えます。
注意深く、いい面だけでなくリスクにも目を向ける、慎重な姿勢ですよね。
こんな人間、いてくれないと困ってしまいます。
ネガティブさを持っていないと危機管理はできません。つまり、重要な役割を持った思考であり、心理状態であると言えます。

さらに、現状を厳しく見積もるからこそ、「もっと頑張ろう」という「成長の原動力」となり、現状を打破すべく、準備や努力を重ねて、それが「良い結果を導く」ことが、十分に起こり得ます。
学業でも仕事でも、ネガティブが良い結果をもたらしうるということです。

次に、「多角的に」みます。つまり「リフレーミング」したいわけです。

どんな事柄にしても、性格にしても、気分にしても、意見にしても、
「別の立場・角度から見れば、見え方は変わる。」
良い悪いなんて、一声で言えたもんじゃありません。

例えば、、
うるさい↔︎明るい
お節介↔︎献身的
几帳面↔︎神経質
意見を言わない↔︎人の意見を聞いている

同様に、ネガティブについても、先にも述べたような「危機管理能力」や「物事を洞察する力」「成長の原動力」が備わっている、という見方ができます。
これは、頼もしいポテンシャルですし、望ましい方向に育めば良いのです。

ネガティブの正体〜何と比較しているのか。

とはいえ、「わたしは、ネガティブだ。」と思われているご本人にとっては、苦痛を伴う思考かつ感情であることも、また事実。

そこには、
「ああ、なんて自分はダメなんだろう。」
「自信なんて全然ない。」
「何をやっても、うまくいかない。」

そんな、自信の欠如、劣等感が存在しているのではないでしょうか。

なぜ、ネガティブ、劣等感が形成されたのでしょう。

この問いについては、かの有名なアドラーが「他者との比較」という視点を教えてくれています。

親子間の比較、姉妹兄弟間の比較、他の家庭との比較、他のカップルとの比較、他の会社との比較、他の地域との比較、他の国との比較、、、
世の中には、「比較」が溢れています。

それも、、自ら好んで「比較」したとは限りません。
自分は自分でいたくても、「比較される文化や社会」がそこにあったのだと思います。その中で、減点法で評価されたり、自分が下位であることを知らしめられたり。「傷付き体験」「失敗体験」そして「苦しみの記憶」が、ネガティブを生んでることがあります。

他方、「隣の芝生は青く見える」という言葉があるように、自ら進んで「比較」に走っているケースもあるでしょう。
しかし、外ばかりみていても、幸せは見つからないかも。

アドラーは、比較するなら「理想の自分」とにしなさい、そこに向かって努力しなさい、そう述べています。
この「理想」を追い求めすぎると、それはまた「ストレス」を生むことになるので要注意ではあるのですが、「自分軸」で考えなさい、ということを言いたいのだと思います。

●気分は変わるもの。変えられるもの。
人間には、「気分」というものがありますが、それは「変わるもの」です。「気分の波」という言葉もあるように、本来、流動的です。

朝は調子がよかったのに、夕方からはよくない。
月曜日は気分が悪かったのに、木曜日には気分がよくなってきた。

また、一見、ポジティブに振る舞っていながらも、内心ではネガティブが渦巻いていることもありますし、相反する2つの感情や気分が「共存する」こともあります。

この気分というものが「持続」したり、「固着」したりしていくと、性格、病気を形作ることがあります。だからこそ、この目には見えない「気分」も「思考」も重要なのです。

他者と比較するではなく、理想の自分を見つめてみよう。
いい面も悪い面も、物事を多角的に見てみよう。
時には、ネガティブな自分を許そう。
ネガティブを原動力に、前向きな姿勢を作ろう。
ネガティブに翻弄されずに、感謝や喜びを表現しよう。

これが、わたしからのメッセージです。

お天気がすぐれない日々ですが、週後半もあなたに笑顔がありますように。


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