しあわせなライフプランを描く
こんにちは。
しあわせ、という言葉を英訳するとよく「happy」と考えがちですが、日本語のしあわせに一番近い英語は「well being」になります。よりよく生きること、という感じにとらえるといいのかもしれません。よりよく生きるために、ある程度の人生の行動計画は必要になります。それを「ライフプラン」と呼びます。「ライフプラン」と調べると、最初に出てくるのはFPや銀行や証券会社などのお金の計画に関する記事やセミナーが多いので、一般的にはそちらで浸透しているのかなと思います。
しかし、いわゆる資産運用とか資産形成とかの前に、大切な自分の人生をよりよく生きるための自分軸が整っていないと、ライフプランは机上の空論になってしまいます。私は、どちらかということ収入が不安定な方向けのライフプラン講座をすることが多いのですが、そこでいつも話していることを書き留めておこうと思います。
現在地を知る
自分の立ち位置をしっかり把握し、現状の問題や課題を理解していくこと。それがスタート地点です。これがはっきりしていないと後で「よりよくなった」ことを実感することはできません。そのための生活時間の見直しと細かい家計の収支についてしっかり把握します。時は金なり。時間管理と家計管理は切ってもきれません。そこで、何が足りないのか、どれだけ足りないのかをまず理解します。よく、ライフプラン講座をやっていると「どのくらいのお金が必要でしょうか」という質問をされる方がいますが、必要なお金はその人によってまったく違います。また、どこにお金をかけるのかも人によってまったく違います。「自分の大切なこと」=「価値感」、自分が大切だという思い」=「自分軸」をはっきりすること、これがしあわせなライフプランを考える第一歩になります。
行動計画を作成する
次に、行動計画(ライフプラン表やキャッシュフロー表)を作成し、少し長いスパンでのだいたいの計画を立てます。お子さんがいる場合にはお子さんの年齢とともに、必要になるお金はすでに明確にわかっていますので、それがいつどのくらい必要なのかは把握しておきます。また、シングルの方の場合は、「いつぐらいにこんなことをしたい」という目標を思い描けておけるといいと思います。これはできればなるべく具体的に、例えば事業計画があるなら、細かい収支内訳まで考えるぐらいにリアルに計画を立てておくとよりよいでしょう。
必要な支援を理解する
今、日本では、例えば資格取得のための職業訓練や教育訓練給付金制度など、いろいろな制度がありますし、福祉制度もあります。起業のための助成金などもあります。どんな制度が利用できるのか、できるだけ低コストにおさえるにはどんなものがあるのか、行動計画の中で自分が必要だと思う適切な情報収集をしておくことはとても大切です。
優先順位をつける
ここまでできたら、翻って、今やっておかなければならないことを洗い出し、やるべき行動の優先順位をつけます。大切なことをは、「長いスパンでのやりたいことや最終目標などの設定を終えてから今を検証する」ということです。これをすると、優先すべき事柄がより具体的に、そしてストンと腹落ちします。
行動する
ここで初めて、具体的な行動にうつしていくことができます。そして、トライ&エラーを繰り返しながら、PDCAサイクルを回していきます。小さな毎日の必要なルーティンワークを通して、自分の行動筋肉がだんだんとついてきます。これができてくると、突発的な出来事があっても、何も計画していないときよりも、対応したり思慮できるこころの余裕が生まれます。そして少しずつ対応力も身についていきます。仕事も、ただ「これやっといて」と言われてもモチベーションはなかなか上がりませんが。「この仕事は今後の〇〇の事業の△△のために必要になるから、いついつまでにやっておいてくれる?」と言われたら、少しやる気になりませんか?自分の行動計画についても同じことが言えます。
こうして、自分がやりたり姿、なりたい姿を少しずつおぼろげな形から明確な形にしていく練習をしていくと、だんだんと自分がなりたい方向へ自然と向いていくことができますし、自分に必要な人、モノ、お金、情報が集まってきます。「意識化する」ということは、本当に大切なことなのです。
ライフプランはだれもが必要なことですが、不安定な雇用や状況の人であればあるほど、その必要性や重要度は高くなります。できれば、大学生くらいからやれるといいですね。一度プランを考えてみると、改めて別の視点でとらえられることがあるかもしれません。ご興味がある方は、やってみてください。
日本FP協会 家計をチェックできる便利ツール
well beingについて 参考記事