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脳卒中リハビリの解像度を上げるための方法(個人談)

どうもサギョウ先生です🦍

僕は7年以上、脳卒中リハビリを臨床で実践していまして、毎日のように悩み、試行錯誤する日々を過ごしています😂

そのおかげもあってか、少しではありますが、自分の考察と臨床所見との擦り合わせができてきて、患者さんから「良くなったよー」と言って貰えることも多くなりました✨

また、後輩や先輩から臨床の相談をされることも増えました!


相談の1例

👤「肘が伸びにくい患者さんにはどんなアプローチが効果的かな?」
🦍「なぜ肘が伸びにくいんでしょう」
👤「被殻出血で筋緊張が高いからだと思うんだよね」
🦍「筋緊張はどれくらいですか?」
👤「検査してないや、、、」
🦍「じゃあどんな時に筋緊張が高まってます?」
👤「たぶん立ったとき、、、かな、、、」
🦍「1回一緒に介入しますね」


と、こんな感じです。

相談して貰えるのはとても嬉しいのですが、やや患者さんに対する解像度が低いと感じることが多々ありました、、、

そんな経験の中で

🦍💬心の声
「このフレームワークに当てはめればみんなの解像度があがるかも!」

と思いついた7Stepを解説していきます‼️

それではどうぞ!

ちなみにstep1~4は前後することがありますよ☺️

STEP1:現象を見る

これくらい解像度

まず1つ目は、現在どんな現象が現れているのかを観察的に見ていきましょう👀

脳内の処理を経て、最終的に現象として現れます。

つまり現象を見ることは、脳内の処理が適切に行われているのか?それとも不適切なのか?を理解するヒントになります☝️

些細な動作のなかにも患者さんの状態を理解するためのヒントがあるかもしれませんので、しっかりと観察しましょう!


大まかな観察のポイントは以下です⬇️


どの動作で顕著か?

リーチやグラスプが苦手になる。食事動作などのADLが苦手になる。スマホ操作などの高次な動作が苦手になる。などどんな動作の時にどんな現象が見られるのかを確認しましょう!

例)机から箸を取ることはできるが、箸を使うことはできない

姿勢はどうか?

臥位や座位、立位などどんな姿勢だと、どんな現象が見られるのかを確認しましょう!また、座位でも背もたれがある椅子座位なのか?足は着いているのか?などより細かく見れるとさらに良いでね✨

例)座位では肘は安静姿位にあるが、立位だと屈曲位になっている

関節運動はどうか?

どんな運動の時にどの関節運動が同時に起きやすいのか?を確認していきましょう!イメージとしては共同運動パターンで考えると分かりやすいかと思います!

例)手を上げる時には、肩屈曲に伴って、肩外転や肘屈曲が見られる

環境はどうか?

動作をする時の環境はどうか?もとても大切なポイントです!人は環境によって行動を大きく変えるので、どんな環境の時にどんな現象が見られるのか?を確認しましょう!

例)壁に囲まれた環境なら正しく物が掴めるが、開放的な環境だとリーチが動揺する

STEP2:疾患名を知る

これくらいの解像度

疾患名を知っているか知っていないかは大きな違いがあります!

違う疾患でも同じ現象が見られることは多々あります。

機能解離(diaschisis)などもありますので、疾患名を知り、主症状なのか?それとも一時的な症状なのか?を判別することで、介入するタイミングや内容が変わりますのでしっかりと理解しておきましょう☝️

ちなみに機能解離はこんな感じです!

例えば、以下の随意運動の簡略図でみると分かりやすいと思います!

一次運動野が損傷された場合に運動麻痺が生じて、手が動かなくなるのはイメージしやすいかと思います!
さらに、一次運動野に運動の計画を送れなくても一次運動野が働けなくなりますで結果的に手が動かないという現象が見られることがあります!

STEP3:脳画像から読み取る

これくらいの解像度

疾患名が分かった次は、脳画像を見てさらに詳しい範囲を見ていきましょう!

なぜなら同じ被殻出血と言えど、被殻だけに限局した出血なのか?または淡蒼球や内包を含む損傷なのか?それとも外包や島に及ぶ損傷なのか?

このように同じ被殻出血でも、範囲によって考えられる症状が異なるので、脳画像を見て考える症状をより具体的にしていきしょう‼️

被殻に限局している
内包にも及んでいる

疾患名だけでは詳細な範囲までは分かりませんので、しっかりと脳画像を見て、損傷されてるかもしれない機能を推測していきましょう🧠

脳画像に関してはこちらのnoteで詳しく解説していますので、脳画像読影が苦手な方はご覧下さいね⬇️

他にも小脳や脳幹などの見方も載せていますよ☝️

STEP4:神経科学から考える

これくらいの解像度

ここからは少し難易度が上がってきます💦

なぜなら見えないこと(頭の中で怒っているシステムネットワークのエラー)を予想していく必要があるからです、、、

こんなのとか
こんなのとかです

先程の脳画像読影で分かることは、どこで出血や梗塞が起こっているのか?だけになります!

例えるなら、世界地図から「アメリカ」を探すような感じです🗺

地図上でアメリカが見つかったところで、アメリカへの行き方や文化、観光名所などの特徴はわかりませんよね😱

このように仮に「被殻出血」という疾患名を知って、脳画像でレンズ核(被殻+淡蒼球)と内包後脚が損傷されていることが分かっても、その機能や周囲の部位との関係性が分からなかったら、「あーここが出血してるねー🩸」となってしまうだけです、、、

STEP1~3までの情報からわかった実際に起こっている現象や損傷部位を元に、神経科学や神経生理学的な視点から考察していくことで、より解像度の高い理解ができるようになります!

STEP5:評価から解釈する

これくらいの解像度

ここからはより臨床的な知識になっていきます!

実際に起きている現象を数値化し、評価することで、考察と現象の擦り合わせをしていきます!


擦り合わせの例

どの検査のどの項目が○点、他の検査ではあの項目が○点、つまり、○○の運動が苦手なんだな!神経科学的に考えても矛盾はないから、この考察は正しいかも🤔

ただ他の可能性もあるから、他の検査もしてより情報を集めないと!!!


⬆️のような過程で考えると良いかと思います😊

あくまでもひとつの可能性についての考察なので、その他の多くの可能性も視野に入れながら、様々な角度での評価と考察をしていきましょう!

STEP6:アプローチと再評価

これくらいの解像度

STEP5までの過程から導き出した、アプローチをいよいよ実践していきます‼️

大切なのは、アプローチをしたら終わりではなく、常に患者さんの反応を確認しながら、微修正していく必要があります!

また、定期的な再評価をして、自分がアプローチしている部分の効果が出ているのかを確認することをオススメします☝️

大前提として、自分が何に対してアプローチしているかを言語化できるようにしておく必要はありますね。

アプローチ(仮説)と再評価(検証)を繰り返しながら、患者さんに対する解像度を高めていきましょう👍

つまり、アプローチは答えではなく、アプローチも患者さんを理解するための1つの手段でもあるということです📚☡✍🏻

STEP7:STEP1~6を繰り返す

これくらいの解像度

ここまでのSTEPを繰り返すことで、解像度をさらに高めていきます🔭

大切なのは、1度考えたことも批判的に吟味し、常に自分の介入が正しいのか?他の方法はないのか?を模索していきましょう‼️

ちなみに、ここまでやっても完全に分かることはとても難しいです…(というか不可能に近い)
その理由のひとつが、まだ脳が分かりきっていないからです、、、

そして、ここまでの内容には残念ながら近道はありません、、、

強いて言えば、この過程を実践しているセラピストに直接聞きいて、思考方法のヒントを貰うくらいかと思います💦

根性強く勉強していきましょう💪

最後に

ここまで読んで頂きありがとうございました🙇‍♂️

Re:Gakusyaでは、患者さんのために頑張りたいけど、「何から勉強すればいいか分からない」「1人だと頑張れない」そんなセラピストと一緒に勉強してくをモットーにしています🦍

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