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お金のむこうに人がいる

元ゴールドマン・サックスの金利トレーダーだった田中学さんが著した「お金のむこうに人がいる」という本を読みました。
冒頭「経済の専門用語はごまかす時に使われる」とぶちかましています。そうなんですよね、経済用語はカタカナも多いし、自分の頭が悪いから分からないのかなと思ってしまうんですよね。でもこの本では「お金の向こうに人がいる」とのタイトル通り、お金の向こうにいる人を中心に据えて経済を捉え直しています。すると、経済の話が、「お金を増やすこと・仕事を増やすこと」から、「経済の目的が人の幸せを増やす」話になっていき、目からうろこが落ちる思いでした。本書の中で、私がおもしろいと感じたものを少しピックアップしました。

  • 日本中の人が貨幣を使い始めるようになったのは、円で税金を払わなくてはならなくなったからだ。円の価値を信じていなくても、税金を払うために円が必要になり、徴収した税はみんなのために働く人に支払われる。貨幣自体に価値はないが、貨幣を手に入れるためにみんながお互いのために働くようようになって価値が生じる。

  • 全てのモノは、部品やさらにその部品までさかのぼっていくと、自然資源に行きつく。全てのモノは労働によって作られる。人件費と利益を除けば原価はゼロ。

  • お金の「交渉力」と「伝達力」

  • 10万円のワインはいい所を100も200も持っている。1000円のワインもいいところは1個か2個ある。1000円のワインが美味しいと感じる人は、たった1個か2個しかない、良い所に気づくことができる人です。1000円のワインの価値は1000円ではない。それを買った誰かを幸せにする効用だ。

  • 従来の経済学では、時間軸で因果関係を考える。お金を使うためにお金を稼ぐ。今の自分がお金を使って誰かに働いてもらえるのは、過去の私が働いてお金を稼いだからだと考える。それに対して空間の中で因果関係を捉えると、今の自分がお金を使えるのは、同じ空間の中で働いてくれる人がいるからだと考える。その人たちが働くことによって、自分の生活が豊かになる。そこから人中心の経済学が生まれる。

  • 高齢社会になって働く世代の負担が大きくなっている。一方、子育てに光を当てると、1940年代は一人の子供をたった一人の現役世代で支えていたものが、2020年には子供を支える現役世代は3.3人まで増えている。親が楽になったわけでは決してなく、子育ての負担を現代社会が忘れている結果である。少子化問題は、助け合いという経済の目的を忘れた現代社会を象徴している。

最後の書かれていることですが、
「お金を払うだけで解決する問題など一つもない。お金を払うことは輪の外の人に問題解決を押し付けているに過ぎない。必ず「誰か」が解決してくれている。」
 色々考えさせられた本でした。

さて、さがみこベリーガーデンは昨年初めてプレオープンし、多くの方に来ていただきました。豊かな自然の中で、おいしいブルーベリーを味わっていただき、日常とはちょっと違った体験をしていただけたのではないかと思っています。昨年は農園半分でのプレオープンでしたが、今年は本格的にグランドオープンし、さらに多くのお客様に来ていただくつもりです。またソーラーシェリングも増やしていきます。それに伴って、耕作地も増えていきます。皆様から頂いた会費は、耕作放棄地の再生や太陽光発電の拡大につながっています。ブルーベリーシーズンは終わりましたが、イベントや援農デーを企画しています。是非、多くの方に参加いただき、一緒に新しい未来を作っていきませんか。

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