2週間前の毛虫騒動もようやく収まり、ほっとしたところですが、敵は毛虫だけではありません。今一番頭を悩ませているのが」「鳥」です。
「鳥は大丈夫?」「鳥が来たらいっぺんに食われてしまうよ」
みなさん心配してくれます。
農水省のデータによると、鳥獣害による日本全体の被害額は158億円(平成30年)、その内シカが54億円、イノシシが47億円、サルが8億円、カラスが14億円、その他鳥類が15億円だそうです。
シカやイノシシは電気柵で守れますが、空からやってくる鳥には効果がありません。日本には約500種類の鳥が観察されていますが、農作物に被害を与えるのは20種類ほどだそうです。その中でも果樹を好む、カラス、ヒヨドリ、ムクドリが心配です。群れでやってきて、食べつくしてしまいます。
鳥は、「賢い」「しつこい」「行動範囲が広い」「感覚が人間に近い」ため、防御が難しいのです。爆音、眼玉模様やタカの模型、鳥の悲鳴音などで追っ払うことをよくやりますが、しばらくすると慣れて効果がなくなります。一番の対策は、防鳥ネットを張ることです。
しかし私たちの農場の上には太陽光パネルがあるため、ネットを張るのが難しいのです。また、全体にネットを張ろうとすると何百万円もかかってしまいます。実がなる時期は限られているのに、不合理です。そして何より、来園してくれた人たちに解放感を味わってもらえない。
このような理由でネットを張らずに鳥を追っ払える方法は無いものだろうか?例えば、ロボットを巡回させてはどうだろうか。ドローンを飛ばす方法もあるぞ。そんな妄想をあちらこちらで吹聴していたら、平塚信用金庫さんが神奈川県産業技術研究所(KISTEC)に声掛けしていただき、新しもの好きの企業を巻き込んで「スマート鳥獣害対策プロジェクト」(仮称)が立ち上がりました。まだ始まったばかりですが、ハイテクのみならずローテク(例えば鳥追いキャンプイベント)も織り交ぜ、わいわいがやがやアイデア出しを行っています。
しかし、先ずは敵を知ることが先決です。どんな種類の鳥が来るのか、侵入経路は?被害状況をどうやって把握する?
そのための第一歩として、監視カメラを設置しました。こんな感じです。
人や動物に反応するセンサーを備え、近くに動物が来ると自動的に動画で撮影されます。簡単に設置でき、夜間も撮影OK。雨にぬれても大丈夫なので、うってつけです。
カメラの前にはブルーベリーを撒きました。(残念ながら私たちの農園のものではなく、冷凍品を買ってきました。)
さっそく取り付けました。
翌日見に行くと、カメラの周りは足跡だらけです。
ここで問題です。
★この足跡の正体は何でしょう?
答えは次の動画をご覧ください。
今まで狸の足跡だと思っていました。〇〇〇だったとは、意外でした。精悍な顔つきです。
エサのブルーベリーは食べられた跡がないので、鳥は来ていないようです。色々な鳥の鳴き声は聞こえていますが、警戒しているのか姿は見せません。
まだスタート始めたばかりです。どんな動物たちが姿を現すのか?果たして鳥はやってくるのか?
乞うご期待!
(2021.5.15 小林)
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?