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身の毛もよだつ怖い話「夏休みの出来事」

N県在住 M.Yさん(32)からの投稿


中学一年の時、同じ部活だった美咲(仮名)から聞いた話なんですが、美咲が小学生の頃、夏休みに田舎のおばあちゃんの家に遊びに行ったそうです。

そこは山奥の小さな集落で、周りは山ばかりで、人口も100人に満たない村だったそうですが、夏休みには必ずおばあちゃんに会いに行っていたそうです。

ある日の夕方、美咲はおばあちゃんと一緒に近所のおじいちゃんの家に挨拶に行ったんですが、そのおじいちゃんの様子がちょっと奇妙だったそうです。昨年までは優しく笑顔で迎えてくれるおじいちゃんなのに、その日は無表情で目つきも鋭くて。美咲は何となく怖くなって、早々に家に帰ったそうです。

その夜、美咲は寝付けなくて布団の中で横になっていると、障子の外でガサガサと音がしたのそうです。最初は犬か何かだろうと思っていたんだけど、だんだんその音が大きくなってきて、犬よりも大きな「何か」が這いずり回っているみたいな音になってきたそうです。

美咲は怖くなって、隣で寝ている両親を起こそうと思ったのですが、本能的にじっとしていないといけない。と思ったそうで、布団の中に潜り込み、じっと目を閉じたまま朝になるのを待ったそうです。
それからしばらくして音は消えたそうですが、今でも忘れられない不気味な音だったようです。

次の日の朝、朝食を食べている時に美咲がおばあちゃんにそのことを話すと、おばあちゃんは少し険しい顔をしてこういったそうです。

「あのおじいちゃんは、もう亡くなっておるんや。けど、時々家の周りをうろついとるらしいんや。もし、またあの音が聞こえたら、絶対に外を見てはあかんよ」

美咲はおばあちゃんが何を言っているのか最初は理解できなかったそうです。

(亡くなった??)

驚いて両親の顔を見たそうですが、両親は特に驚く様子もなく、ただいつも通りに黙って朝食を食べていたそうです。

美咲はその話を聞いて、本当に怖くなったらしく、それ以来田舎のおばあちゃんの家に行かなくなったそうです。

美咲から直接その話を聞いて、私はゾッとしましたのを覚えています。
部活帰りの通学路で、淡々と話す美咲の表情が今でも忘れられません。


美咲はその後中学生の時に転校して、それ以来連絡は取れなくなってしまいました。
その集落は現在どうなっているのかはわかりません。


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