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ヒマラヤ便り61号 チャンドラヤーン3号

ナマステ~!インドの宇宙研究機関(ISRO)が開発した月探査機チャンドラヤーン3号が8月23日に無事に月の南極地点に着陸した今日この頃、いかがお過ごしですか?私は、数日後にプルニマを迎える明るいチャンドラを見ながら、あの辺にチャンドラヤーン3号がいるのかなぁと思いました。

チャンドラは月、ヤーンは乗り物を意味する何ともそのままのネーミングです。月面着陸に成功したのは、4カ国目(旧ソ連、米、中)となりますが、南極地点に着陸したのは世界初で、ナレンドラ・ジーは、宇宙ミッションの成功と月面着陸に対する女性科学者の努力を称賛し、着陸地点を「シヴァ・シャクティ」と名付けたと発表。さらに8月23日を「国家宇宙デー」としました。

शक्तिシャクティ
ヒンドゥまたはインド哲学における宇宙の根理。
女性名詞であり、性力、女性原理、最高神の配偶神。


着陸船ヴィクラム

ヴィクラムは、ヒンドゥ聖地ウッジャインの王で、シャカ族を打倒し、これを記念してヴィクラマ暦を開始しました。ヴィクラマ暦元は、紀元前57年です。

シュラヴァナ月クリシュナパクシャ・ドワダシ(12日目)7月14日にアンドラ プラデシュ州シュリ ハリコタのサティシュ ダワン宇宙センターから打ち上げられ、アディカ・シュラヴァナ月クリシュナパクシャ・チャトゥルティ(4日目)8月5日に月周回軌道に入り、シュラヴァナ月シュクラパクシャ・シャシュティ(6日目)8月23日に着陸成功。

月への軟着陸を担当するヴィクラムは、4本の脚と4つのスラスター(姿勢と推力の制御装置)を備えた箱型の着陸船です。
探査車プラギャン(知恵)は、26㎏で6輪の乗り物です。
月面の組成、月の土壌中の水氷の存在、月の衝突の歴史、
月の大気の進化などの研究を支援するために複数の測定を行うことが
期待されています。プラギャンは2週間をかけて探査を行う予定です。

月の南極地域は、大量の氷が存在することを示す研究により、
科学探査において特に関心を集めています。
山岳地帯と予測不可能な照明条件により、氷が溶けるのを防ぐだけでなく、科学探査機を着陸させることも困難な仕事となっています。
この氷には、月の他の場所で通常は暖かい条件下で溶ける固体化合物が含まれている可能性があり、この化合物は月、地球、太陽系の歴史についての洞察を提供する可能性があります。氷は、将来の有人ミッションや前哨基地の燃料や酸素として飲料水や水素の供給源としても使用できる可能性があります。

Chandrayaan-3 Wikipedia

月の南極地域には、多くのクレーターや盆地があり、太陽光が内部に届かない永久に影に覆われた独特なクレーターがあり、そこに水氷が発生する。
数十億年前の位置から、5°ずれており、この変化で月の自転軸が変化し、以前は影だった領域に太陽光が届くようになったが、南極には依然として完全に影になった領域がいくつかある。地球上の山よりも高い9050mの山もあります。温度は平均マイナス13℃。

神々の飲料 ソーマ

月は太陽によって照らされ栄養を与えられており、不滅の神聖な蜜は月に存在するといわれる。ヒンドゥでは、チャンドラ(月)を神々の酒盃とみなし、飲料であるソーマは月の神であるとし、月神チャンドラと同一視される。

ソーマは、初期ヴェーダなどのインド神話に登場する神々の重要な儀式用飲料で、何らかの植物の液汁と考えられている。また、その植物を神格化した神。植物からジュースを抽出することによるソーマの調合について記載されているが、現在では正体不明。リグヴェーダのソーママンダラは、ソーマが圧搾され、濾され、水と牛乳をまぜて容器に注がれる瞬間に焦点が当てられている。また、リグヴェーダ第9巻全体がソーマ讃歌になっている。

アーユルヴェーダ、ソーマヤグニャの実践者によるものから、「ソマラタ」である可能性が最も高い。

ソマラタ Sarcostemme Acidum/Cynancham Acidum
キョウチクトウ科の円筒形の多年生植物。岩だらけの不毛な場所に生える。葉が無く、絡み合った枝には乳白色の乳液がある。
花は白または薄緑白色で、香りがある。
乳白色のジュースを豊富に生成し、牛飼いなどは喉の渇きを和らげるため芽を吸う。味は苦く、刺激的。清涼感がある。催吐作用、抗ウイルス作用、抗酸化作用がある。
アーユルヴェーダでは、ピッタ、ウイルス感染、精神病質、全身衰弱などが悪化した状態に有用であると考えられている。

ソーマヤグニャ
ソーマのヤグニャ(犠牲、捧げもの)は、ヒンドゥの儀式で、
月の周期に関連したヤグニャの一種であり、宇宙の秩序を維持するために行われる。ソーマは、このヤグニャの主な供物として使用され、神々をなだめることができると考えられている。

飲み物としてのソーマはヴェーダの祭祀で用いられる一種の興奮飲料であり、神々は、これを飲用して英気を養い、詩人は天啓を得るために飲用した。高揚感や幻覚作用を伴うが酒ではない。
ソーマは神々と人間に栄養を与え、寿命を延ばし、霊感をもたらす不老不死の霊薬であり、浄化し、波を打ち寄せる海のように歌、讃美歌、思想を溢れさせた。

サンスクリット語で「蒸留、抽出、振りかける」を意味し、儀式の文脈で頻繁に使われている。
飲み物、植物、そしてその神に対して同じ言葉「ソーマ」が使われている。
インドラ(帝釈天)とアグニ(火の神)は、ソーマを大量に消費すると描かれている。神としてのソーマは、植物と森林の主。

インドラは、蛇の悪魔ヴリトラと戦っている間、大量のソーマを飲んだ。

アディティヤ L-1

カジャリ・ティージの日であるアシュウィナ月クリシュナパクシャ・トリティヤ(3日目)9月2日には、太陽探査機アディティヤL-1を打ち上げる予定。地球と太陽の間のL1点(ラグランジュ点=二つの巨大な軌道周回天体の重力と遠心力が互いに釣り合う点)を周回する軌道上、地球から約 150 万 km の地点で、太陽大気、太陽磁気嵐および地球周囲の環境への影響を 研究します。L1ポイント到達まで109地球日かかります。

アディティヤとは、「素晴らしさを持つ者」という意味を持つ、
太陽に関連した12の神々の総称です。

アディティヤ12神についてはヒマラヤ便り53号でCheck It Out!

※ヒマラヤ便り28号で、「108」の謎を解こうとしたのですが、その時太陽の直径は、地球の109倍と知り、そこはもう108倍でいいんじゃないかと思ったのですが、L1ポイント到達までも108地球日にしてほしかったな。
なんか、直径とポイント到達までの日数って関係があるのでしょうか?


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