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ヒマラヤ便り54号 ヒンドゥ暦の年号

ナマステ!本日は、ヒンドゥ暦の年号についてお便りします。ヒンドゥ暦は太陰太陽暦で、主に宗教儀式やお祭りの日取りのために使われます。インド最古の文献リグ・ヴェーダやその他のヴェーダにおいて「年」を表すサンスクリット語は「サンヴァツァーラ」といいます。


北インド暦 ヴィクラマ・サムヴァット


近代、多くの地域で採用しているゲレゴリオ暦は太陽暦で、天球360°を30°毎に12等分した黄道帯を(ヒンドゥ暦ではラーシと呼ぶ)太陽が一周するのに要する時間を一年とします。地球の公転周期つまり地球が太陽の周りを一周する時間と同じです。また、紀元はキリストが生まれた年とされています。年を表すとき、紀元前、紀元後または西暦で表されます。

ヒンドゥ暦の年号は、北インド一帯で(独自の暦を用いるベンガル地方を除く)用いられている紀元前58年を暦元とするヴィクラマ暦と、南インドで用いられている西暦78年を暦元とするサカ暦があります。
北インドのヴィクラマ暦の伝承では、ウッジャイニ―(現マディヤ・プラデシュ州ウッジャイン)を都としていたヴィクラマ・アディティヤという王が、サカとの戦いに勝利した記念に始めた暦といわれています。

西暦1957年にインドの国定暦が制定され、サカ紀元を暦元とした太陽暦となりましたが、ヒンドゥの宗教儀式、祭祀の日付を知るために重要な伝統的太陰太陽暦が毎年発行されます。

木星年 サンヴァツァーラ・チャクラ

ヴィクラマ暦の一年は、ブリハスパティ(木星)がラーシと呼ばれる12の黄道帯の1つのラーシから次のラーシに移動するのにかかる時間と定義されています。ブリハスパティ(a.k.aグル。木星)は、黄道帯を一周するのに約12年かかり、12等分された1つのラーシから次のラーシに移動するのに約1年かかります。

ブリハスパティには、5つの軌道があり、12ラーシ×5軌道=60サンヴァツァーラとなり、これをサンヴァツァーラ・チャクラといいます。このサイクル内のサンヴァツァーラには、それぞれ名前がつけられており、60回のサンヴァツァーラが完了すると最初に戻って循環します。

60サンヴァツァーラのサイクルは、ブリハスパティ(木星)とシャニ(土星)の相対的な位置に基づいており、公転周期は、ブリハスパティが12年、シャニが30年になります。両惑星の公転周期の最小公倍数が60年になります。60年毎に両惑星が60年前とほぼ同じ黄道帯(ラーシ)に配置され、60年のサイクルが形成されます。太陽年の85年、木星年の86年毎に約1回2つの暦を同期させるためサンヴァツァーラの名前が一つ「影の年」として飛ばされます。

60サンヴァツァーラ

60人のサンヴァツァーラは、それぞれ20人の3つのグループに分けられ、最初の20人がブラフマー、次の20人がヴィシュヌ、最後の20人がシヴァ(ルドラ)に属します。

  ブラフマー       ヴィシュヌ          シヴァ(ルドラ)
 1  プラバーヴァ    21 サルヴァジット  41 プラヴァンガ
    2  ビババ       22 サルヴァダーリ  42 キラカ
    3  シュクラ      23 ヴィロディ    43 サウミア
    4  プラモダドゥータ  24 ヴィクリティ   44 サーダーラナ
    5  プラジャ―パティ  25 カラ       45 ヴィローダクリタ
    6  アンギラシャ    26 ナンダナ     46 パリダーヴィ
    7  シュリムカ     27 ヴィジャヤ    47 プラマーディ
    8  バーヴァ      28 ジャヤ      48 アーナンダ
    9  ユバ        29 マンマサ     49 ラークシャサ
   10 ダートリ      30 ドゥルムカ    50 ナラ
   11 イーシュヴァラ   31 ヘビランビ    51 ピンガラ
   12 バフダーニャ    32 ビランビ     52 カラユクタ
   13 プラマーティ    33 ヴィカーリ    53 シッダ―ルティ
   14 ヴィクラマ     34 シャ―ヴァリ   54 ラウドラ
   15 ヴリシャプラジャ  35 プラバ      55 ドゥルマティ
   16 シトラバーヌ    36 シュバクリタ   56 ダンドゥビ
   17 スヴァバーヌ    37 ショバクリタ   57 ルディロドガリ
   18 ターラナ      38 クロディ     58 ラクタクシ
   19 パルティバ    39 ヴィシュヴァヴァス 59 クロダナ
   20 ヴィヤーヤ     40 パラバヴァ    60 アクシャヤ

伝説によると、

ナラディ(女性に変身したナーラダ=サプタ リシ7人の聖仙の一人。)は、捕らえられながら結婚し、一年に一人ずつ60人の息子を生みました。心身ともに疲れ果て、大勢の息子たちに死ぬほど退屈したナラディは、60年目の終わりにヴィシュヌに祈りました。祈りが通じ、元に戻ったナーラダは、60人の息子たちを黙らせるよう訴えました。ヴィシュヌは、60人の息子たちに一年交代で楽しめる世界を与えました。年号を表すサンヴァツァーラは、この60人の息子の名前に因んでいます。

”ラークシャサ2079”から”ナラ2080”へ

グレゴリオ暦2023年3月7日。ホーリーカ・ダハンは、プルニマ(望)の日に行われ、このプルニマは、ファルグン月のプルニマ、ヴァサント(春)のプルニマとも呼ばれます。北インドのヴィクラマ・サムヴァット、プルニマンタ方式(望の翌日、クリシュナ・パクシャ(黒分)のプラティパダ(一日目)からマーサ(太陰月)が始まる方式。つまり、プルニマの日に太陰月が完了する方式)では、チャイトラ月が年初となり、西暦2023年3月8日の色のお祭りホーリーの日から次の年号に切り替わります。つまり、ホーリーカ・ダハンの日であるプルニマ(望)の日が大晦日、翌日のホーリーの日が元日になります。

現在は、シヴァ(ルドラ)のグループに属するサンヴァツァーラで、2079ラークシャサ(49番目のサンヴァツァーラ)から、2080ナラ(50番目のサンヴァツァーラ)に変わります。2090アクシャヤ(西暦2033年)までがシヴァ(ルドラ)に属し、60サンヴァツァーラが完成します。2091プラバーヴァ(西暦2034年)からブラフマーに属し、新しい60サンヴァツァーラのチャクラがまわり始めます。

ラークシャサ (羅刹)悪意ある種族。超自然的な力を持ち、デーヴァ(神々)の妨害をしたり、人間を食べるなど邪悪な行為をする。
インド2大叙事詩ラーマーヤナとマハーバーラタでは、善と悪の両方のラークシャサがおり、彼らは戦士として善と悪の両方の軍隊と共に戦いました。彼らは強力な戦士であり、熟練した魔術師であり、奇術師でもありました。形を変える者として、彼らは異なる物理的形態をとることができました.。
イリュージョニストとして、彼らは彼らを信じた人、または彼らを払拭できなかった人にとって現実的な外観を作成することができました.。ラークシャサの一部は人食いであると言われており、戦場での殺戮が最悪のとき、喜んで姿を現しました。叙事詩では、英雄として、時には悪役として目立つようになったこれらの存在の特定の物語を語っています。

ナラ ラーマーヤナに登場する青い顔の白い猿。建築神ヴィシュヴァカルマンの息子。双子の兄弟ニラは青い猿。タミルナードゥ州のラーメシュワラム島(シヴァの別名。Ramaと Ishvaraでラーマの主という意味)へ渡る橋ラーマセトゥ(ナラセトゥ)の技術者。建築神である父の恩恵で、建築家として必要な専門知識を持ち、石を浮かせる力を持っている。※ラーマセトゥ(ナラセトゥ)は、実際は石灰岩の浅瀬のことで、かつてはラーメシュワラム島まで陸続きであった可能性がある。



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