小谷の裏話③就職から逃げた…私は「普通」がわからない

大学3年生になって大学で就職についての講座が始まった。しかしなんとなく実感が湧かなかった。ただ時を重ねて就職する年齢になってしまったというだけで、特にやりたいこともなかった。
思えば今までの人生何かを自分で切り開くことなんてなかった。ただそのタイミングになったからという理由だけで進学先も決めて、いや決められていた。さもそれが自分のやりたいことだったと思いこまされて。
でもそのレールがなければ何もできなかった。「選ぶ」という能力が欠落していた。今回も就職のタイミングがきて当たり前のように成り行きで社会に出ないといけないと思っていたが、それはとても怖かった。

当時の病院で医師に就職についてたずねたら「まだ無理じゃないか」と言われ、その言葉に甘えた。
まだいいんだと自分に言い聞かせてなんとなく過ごした。あっという間に4年生になっていた。

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