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時短練習には人生にも通じるヒントがあった――書籍の仕事まとめ#4 ベースボール・マガジン社編『高校野球 時短・効率革命』

約2時間の練習で、県大会で上位に進出する? どうやったら、そんなことができるんですか? 

この本では、短時間の練習で成果を上げている高校の練習の考え方や取り組みを紹介しています。
□宮崎県立高鍋高(山本一夫 監督)
□群馬県立太田高(岡田友希監督)
□広島県・私立武田高校(岡嵜雄介 監督)
□神奈川県立相模原高(佐相眞澄 監督)
□東京都立小山台高(福嶋正信 監督)
□岩手県立盛岡三高(伊藤 崇 監督)
にお話を聞きました。


野球の練習は長時間で非効率?

「野球部の練習って、長くてキツい…」。そんなイメージを持っている人は多いのではないでしょうか?

以前は、長時間で非効率が当たり前でした。僕自身、兵庫県の県立高校で野球をやっていましたが、兵庫大会で1つ勝てるかどうかというチームだったのに、ほとんど休みはなく、平日は毎日4時間ほど練習していました。

その内容は、ウォーミングアップ(ランニング、体操、ダッシュ、キャッチボール)をしてからフリーバッティング、シートノック……と、定番メニューをダラダラとこなすだけ。

同じような経験がある人も、実は多いのではないかと思います。

今は「野球だけやっていればいい」という考え方は通用しません。高校生にとっては勉強が本分だし、自分の趣味や好きなことに使う時間も、健康管理のための時間も必要です。

勝つこと、うまくなること、そして野球を楽しむことを考えながら、いかに効率よく練習するかを考えなければなりません。


時短・効率化は主体性にもつながる


6校の取り組みを知ってもらえれば、「工夫次第でいくらでも時短・効率化ができる」とわかります。

6校とも僕が取材・執筆したのですが、どの学校も限られた時間、限られた環境のなかで、工夫して練習していました。

取材するなかで、共通して持ったのが「選手たちが生き生きとした表情で練習している」という印象でした。

生き生きとしている理由は、やらされているのではなく、自分たちで考えてやっているからだと思います。

自主性、主体性と口で言うのは簡単ですよね? 

しかし、本当の意味で選手が主体的に活動していくのには、指導者が指示・命令をするトップダウンではなく、選手たちが意見を出し合い、ボトムアップでつくりあげていかなければなりません。本書には、各校の監督がそのためにどんな工夫をしているかも書かれています。

指導者は学び続けなければならない

もう一つ、取材で印象に残ったことがあります。それは、6校の監督が「今は、こうしている」とおっしゃったことです。

つまり、取材当時にやっていたことを、これから先も続けるとは限らない。工夫を重ねて、さらにいい方法があれば、どんどん変わっていくということです。

6校の監督は、そのために学び続けておられます。選手を成長させるためには、指導者自身が成長しなければならない。そんな覚悟を感じました。

本書に書かれている考え方や取り組み方は、野球はもちろん、勉強や仕事、人生にも通じるものです。

ぜひ本書を手に取り、あなたのチーム、あなた自身をさらに成長させるヒントを見つけてみませんか?


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