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小さいものを見る力

私は労働組合専従になる前、研究開発部門でスタートアップの技術デューデリジェンスや、社会変化の可能性や今後の技術展開をまとめ、見極める業務に従事していました。こうした業務で大事なことは、小さな変化を見逃さないことです。「こんなベンチャー取るに足らない」とか「この技術はありえない」とすぐ判断するのはよくありません。小さなものも、大きなものと同等に扱うことが大事です。今は小さなものでも、どういったことが起きると大きな変化になるか?そうしたことを徹底的に考える仕事でした。VUCA時代と言われ、世界が非線形に変化する現代で、こうした小さなものを見る力は格段に重要になってくると思います。

そして労働組合に来た私は、この小さいものを大きなものと同等に見るということを大事にしています。会社のやっていることはそれはそれで立派なものです。それと同様に、組合員が思っていること、とても小さなものですが、これもまた非常に大事です。

また組合員のマジョリティの意見も大事ですが、マイノリティの意見も重要です。これもまた同様に扱うべきです。そしてマイノリティでも、しっかりと意見を拾い上げたり、そこに重大なヒントが隠れているときがあります。

例えば、最近、新入社員のために先輩社員との交流会を設けてくれた若手がいました。声を上げて、周りを巻き込んで、オンラインで開催してくれました。会社は会社なりに色々と考えて新入社員をフォローしていますが、この活動は、会社が実施している研修と同等に価値のあるものだと思いました。そして、この動きに労働組合のこれからのあり方のようなものを見つけたような気がしています。誰か一人のやりたいという気持ちを見つけたら、しっかりとスケールすることをサポートすることです。今までは委員が集まって、いくつかの班に別れて、何をしたらいいかを考えていました。これは意思が弱いチームです。むしろ集団と言ってもいい。これをやりたい人・手伝いたい人集まれ!そんなやり方が今後主流となるのではないか?それを広めたり、手伝うのが労働組合なのだと。一つのやり方をひらめいたに近いですが、これについては実験していこうと思います。

こうした小さな変化から、見抜いていく。もしかするとそこから導いた方法は、狙った通りの効果が出ないかもしれないけれど、それを実験し、新しい地平を切りきらいていく。その活動こそが今の日本には欠けているような気がしてなりません。もっと小さなところに目を向けて、新しい世界を作っていこうではないですか。

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