アルストツカに栄光あれ!
前回うちのSteamの中に入ってるゲームの
プレイ時間順にソートした画像を出しましたが…
「プレイ時間順」ということは
「最後にあるのは一番プレイ時間の少ないゲーム」
ってことになるんだけど…
6分!!!
つまり、買って動作確認だけして、全くやってない!
かなーり荒いモザイクかけてるけど
色合いでなんとなくわかっちゃった方もいらっしゃると思いますが…
そのゲームとは…
…もうこの記事タイトルでわかっちゃった人も多いと思う
超有名ゲーム…
「Papers, Please」
なんでやってなかったんだって?
とっておきだったってことよ!!!!
もう名作なのはわかりきってるんだけど
実際やったことがないんじゃ
どんなふうに名作なのか分からんじゃないですか!
つわけで
満を持してプレイしました!
やることはそれだけ。
要は「間違い探し」です。
なのに!
シブいゲームデザイン
絶妙な難易度調整
巧妙なストーリー展開
豊かな個性と物語を持つ登場人物
とんでもなくバランスの良い重厚なゲームです!
●貧乏暇なし
「入国審査官」なんて重要な仕事っぽいのに
ハッキリ言って「クソみたいな薄給」です。
なんせ「一人こなすと5クレジット」という完全歩合制…
まあ入国の規則も、最初は
これだけ。
パスポートの有無、国、性別、顔写真、パスポートの有効期限だけ見ればいいんで
楽勝でサクサクやれます。
「簡単じゃーん!単調でダル~」
とか思ってたら大間違いだ!!!!
この国は長い戦争があけたばかりでもあり
ものすごく不安定です。
社会情勢に合わせて
昨日よかったものが今日はダメになったり
昨日まで要らなかったものが今日は必要になったりしていきます。
25日目にはこのありさま。
就労目的の方なんて
書類多すぎて机に乗りきらんわ!!!!
まあ、やってれば仕事に慣れて行くけど
それをちょうど上回るくらいの絶妙な量で
次の日になると調べるところが増えていき
単調作業であるがゆえに
変わり、増えていく条件に頭がバグっていきます。
しかもドット絵に合わせたような
計算された荒いフォントが適度に難易度を上げており
超ひっかけ的な「間違い探し」が出現する頻度も上がっていきます。
備え付けの検査装置↓
を使えば、完璧に間違いは発見できるんだけど
歩合制の給料なので全部機械でチェックしてたら
のろすぎて家族の食費もままならない収入しか得られません。
それどころか強制的に入れられ強制的に払わされる
アパートの住居費もジワジワ首を絞めてきて
元々持ってたわずかな貯金はすぐ尽きて借金まみれになります。
借金は犯罪扱いらしく
強制労働施設に連れていかれて強制エンドですよ!
かといって目視で「大体いいだろう」でやってると大抵引っかかって
ミス3回で罰金取られるようになります。
●天使は厳しく人を律し、悪魔は優しく手を伸ばす。
転覆してしまえ!こんな圧政ケチ国!!!!!!
と思いたくなるところに…
「ええ、正に我々はそれを望む者…」という感じで
革命を企む組織が接触してきます。
「あなたの協力があれば革命は成功する。
報酬はもちろん用意している。
あなたの家族の安全も保証する」
と甘言吐いて、ちょっと協力するとマジで大金(2000クレジットとか)をくれたりします。
でも当然、革命軍は国家の敵なので
協力したのがバレたら
もらった金は没収されるし
果てには投獄からの死刑ですよ!
そんな働けどじっと手を見る生活から逃れるには
うまいこと節約しながら…………
同僚に協力してお手当てを分けてもらったり
叱られない程度のミスに抑えながら、こっそり賄賂をいただいたり
精密射撃報酬を狙ってテロを撃ったりします。
●もう狙撃兵になった方がいい気がする。
なんせこんな国だから、まー頻繁に「テロ」がやってきます。
先のレジスタンスとは別な「野良テロ」も多くて
頭にきた政府が「テロ来たらお前も撃てや!」と麻酔銃を支給して来ます。
その銃でテロを無力化すると正式に政府から小遣いがもらえるんですよ!
これがまた面白くて
突然射撃ゲームになるんで
単調作業で沸騰した頭が気分転換されて冷えてくれるし
精密狙撃すれば20クレジット
先に警備兵が撃ったりしてて当たらなくても加勢してたら
射撃手当で10クレジットもらえる!
銃を撃つには
1:鍵を手に取る
2:鍵穴が出てくるのを待つ
3:鍵穴が出たら鍵をさして金庫をあける
4:銃を手に取る
5:敵に照準を合わせて撃つ
と、けっこうな手間がかかるんだけど
これもまたもたもたしなければ
絶妙なタイミングで間に合って撃てるんですよね…
これは国からの正規の手当てなんで存分に撃ちまくりますよ。
だってテロ来るとその日の業務、強制終了になるんだもん。
定時前だったのに!
●「この人だけは助けたい人」と「この人だけは許せない人」
入国したい人は基本ランダム出現だけど
一部固定の人が居ます。
また、同僚や上官も固定で居ます。
この人々が最小限の表現で個性とドラマを見せさせてくれます。
例えば…
なんか毎日新聞がもらえるんだけど…
「連続幼児殺人犯」だとぉ!?絶対許せんな!!!!
と思ったら…
うわああああああああ!!!!!
こんなの見せられて心が動かん方がおかしいわ!!
復讐の是非とかはよそでやってくれ!
どうせこの指名手配犯は死刑だ!
それにアルストツカは被害者遺族に限り私刑OKかもしれないし!
(借金が犯罪扱いな国で、そんなわけないとは思うけど)
その後
…やり遂げたんだな…ジュリアちゃんのお父さん…
ジュリアちゃんのお父さんは罪に問われるかもしれないけど
ジュリアちゃんのお父さんが殺人鬼を見つける前に
警察が捕まえていれば防げた復讐劇だからね?
あと、個人的にやっぱ「同郷の同僚」であるセルジュ (Sergiu)
その前にも
「お前が拘束した奴を連行したら手当もらえる。分け前やるからいっぱい拘束してくれ」って
連行係の警備兵同僚(カレンスク(Calensk))↓
が、ウィンウィン持ちかけてきて一時的に相棒状態になるけど
あれは金銭的な繋がりだったからね。
(不当に拘束することはシステム上不可能なんで
要はお互いいっぱいちゃんと仕事をすればいいだけなんで超合法だしな)
セルジュは警備兵だけど
わずかな会話からいい人感が伝わってくるし
(この後も何回か短い会話シーンがある)
同郷であるという親近感もあり
日々煩雑になる業務にバグった頭のわしには清涼剤的な存在だ。
そんなセルジュが
これがエリサさんか…ホントに美人だな…
ロケットペンダントか…見たろ。
うわああああ(*ノ ノ)
そりゃ協力したいけど…
書類足りないんだよな…
ここの判断はプレイヤーに任されます。
(通すのは「ミス」だからね…まあわしは見ての通り
通してますけどね(ノー`*))
でもその後、野良テロがやってきて…
セルジュは警備兵なんで当然最前線で対応するんだけど
このテロを素早く阻止しないと…
セルジューーーーーーーー!!!!!!!!
こんなん許されんわ!!!!!
わしが素早く精密狙撃してりゃ防げるんだよ!
幸いこのゲーム
これまた嬉しいことに1日ごとにオートセーブされるんで
(分岐もちゃんと分かりやすく保存される)
やり直すことができるんだ!
テロは撲滅だーーーーーー!
(国から許可もらってるから合法だし)
一撃で二人倒してやったわ…
やっぱり狙撃兵になった方が良いんじゃないだろうか…
●神ゲーは唯一神によって作られた
このゲーム、ひとえにものすごいバランス感覚で
作られてると言っても良いと思ってます。
ゲームのシステムバランスはもちろん
デザインの渋さやアイディア、ストーリー、ボリューム
巧妙な演出、痒い所に手が届く設計
全てにおいてブレがなく統一感があります。
これはただ一人の奇才:ルーカス・ポープ氏の手によって作られたゲームだからなのもあると思うんですよ。
たった一人でここまでの物が作れることを証明したゲームでもある脅威…
二作目の「Return of the Obra Dinn」もとんでもない傑作です。
正に唯一神によって生み出された神ゲーですな。
●エンディングは20種、Steamの実績は13個
マルチエンディング方式になっていて
エンディングは20種あります。
Steamの実績も13個あるので
蒐集欲も満たせます。
単純に違うエンディングも見たくなるゲームだし!
●さあ貴官の完璧さと処理スピードを見せるのだ!
抽選制度が間違いだったと私に言わせないよう
家族も十分に養っていけるスピードで
\1度もミスなく完璧な仕事をするのだ。/
君がアルストツカに尽くすのなら
イージーモードを使ってもかまわないぞ。
毎日20クレジット
追加で小遣いをもらえるだけだからな。
\小さなことは見逃そう。/
Papers, Please
●短編実写映画が作られているのでぜひご視聴あれ!
既プレイの方も未プレイの方も必見の出来です!
PAPERS, PLEASE - The Short Film (2018)
※ロシア語なので日本語字幕ONしてください。和訳は完璧です。
既プレイでこれ見ると涙が出そうになります。
渋めにおさえた画面構成で
ただ間違いを探してハンコを押すだけの作業ゲーなのに
ホントにこんな情景が浮かびます。
ぜひプレイして,
このドラマを感じてみてください!
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