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旅は、わたしを透明にする

2週間のインド滞在。

自分で行くと決めたのに。
過ぎ行く日々を重ねても、慣れない土地での不安は、決して減ることはない。

ホテルの部屋の乾燥で、喉を壊した。声が出ない。熱は、怖いから計らない。

たまらなく、お米が食べたくなった。
こんなこともあろうかと持ってきた「サトウのごはん」。準備はよかったのに、何故か部屋に備え付けられた電子レンジが動いてくれない。どうしたって、温まらない。ホテルマンを、一人っきりの部屋に呼ぶ勇気も、ない。

目の前にあるのは、カッチカチのご飯。それだけ。それだけを握りしめて、ひとりで泣いた。何の解決にもならないのに、昔の恋人に電話をしていた。
自分は、こんなにも弱かったのか、と思いながら。

それでも旅は美しくて。旅でしか動かされない感情があって。
インドで目にした心細し景色たちは、抱えっぱなしの不安や涙、そして孤独を、より透明なものにしてくれた。

だからきっと、旅を続ける。

「誰しもが生きやすい社会」をテーマに、論文を書きたいと思っています。いただいたサポートは、論文を書くための書籍購入費及び学費に使います:)必ず社会に還元します。