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寿司

 お寿司を定期的に食したくなる。幼少期は生物が苦手でお寿司屋さんに行っても、卵か穴子しか食べれないコスパの良い子供であった。しかし、どこかのタイミングでタガが外れた。生物の魅力に取り憑かれてしまった。自分がどれくらい惜しい事をしていたのだろうかと考えたが、そもそも嫌いな物の事を惜しいと言われても好きなやつ勢力の押し付けなので不毛なのである。

 そもそもどうして生物が克服できたのだろう。人の嗜好は変化していくというが、要するにこの現象は丸くなっていくという現象に近いのではないだろうか。


 大多数が好きな食べ物を嫌いというのはお笑い業界界隈で使用される、尖っているという事なんだろう(アレルギー以外)。男子ならわかってもらいたいが、謎の皆が好きな物を嫌う期間があるはずである。僕なんかは、幼稚園の時、皆がウルトラマンの真似をしている中、ゴジラの真似をして庭を徘徊していた記憶がある。そこから考えるとやはり生物が嫌いであった僕は嗜好の問題より、目の色を変えて鮪を頬張り続けている同年代に一石を投じようとしていたのではないだろうか。しかし、そんな抵抗も虚しく、やはり思い出せないが、どこかのタイミングで生物が食べれるようになり且つ好きになってしまった。つまり安牌は正義なのである。

 一人暮らしをしている時も週一で寿司を食べていた。暇さえあればスーパーのお惣菜コーナーの値下げを確認していたのが懐かしい。
 そういえば寿司といえば、会社員時代に同僚でシャリを食べないというエキセントリックな寿司の食べ方をしている人がいた。僕はそれなりに食べる量には自信があったので、その人と寿司にいく時は隣に座り、ネタ1に対してシャリ2という奇抜なサービスを受けていた事を思い出した。

 つらつらと寿司の思い出を語ってはいるが、ほとんどの人生を海無し県で過ごしてきた僕だが、逆に海が近くにある所に居住していたら今よりも寿司を食べていたのだろうか、そう考えると、自分で自分が恐ろしくなる。
 やはり食べ物の事を考えているとベタにお腹が空いてくる。明日は寿司を食べようか、お金の無いフリーランス生活なのだから今こそネタ1シャリ2のエキセントリック寿司食いを挑戦するべきだはないかと考えたが、実戦の方法が浮かばないので、一度作戦を練り直そうかと思う。

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