国会議事堂

税金(所得税)の仕組みが難しいのって『優しさ』が原因⁉

こんにちは、ドラマー税理士さだです。

今日はタイトルの通り、税金(所得税)の仕組みがこんなにも難しくなった理由って元々は『優しさ』から来てるのかもしれない、っていう視点で税金についてお話をしてみようかな、と思います。

あくまでも私の考え方で面白おかしく書いてるつもりなので(面白いと思って貰えるかは別として、汗)ま、細かいことは気にしないで読んでね!


1.飲み会の会費って平等?

私は大学生の頃にジャズ研究会(主な活動:部室で喫煙)というサークルの部長をやっていた関係で、飲み会の会費の集計をする機会が多かったんですね。そんな時はいつもその場のノリで「4年生は4千円。2年生は2千円ね。」とか言って先輩ヅラをしてみたり、「男は5千円、女子は2千円ね!」とか言って(周りの男を犠牲にしつつも)女子に気に入られようとしてみたり、そんな感じでテキトーに会費を集めていた記憶があります。
でもそこで誰かに「ちゃんとみんなが納得するような『平等』な会費を集計しろ!」って言われたら、結構困りますよね。
「全員で割り勘でしょ!」
「いや、たくさん飲んだやつが多めだろ!」
「(あいつの実家めちゃくちゃ金持ちだから、あいつは多めじゃなきゃ不公平だ…ひそひそ)」
とか色々な意見が出てくると思います。
(「そもそも『平等』てなんや!?」という哲学的な議論に発展しちゃうよね。しないか。)


2.税金って平等?

税金って会費みたいなものだと思うんです。個人的に。ま、ざっくり言うと「みんなが安心・安全・快適な生活をするために、みんなで会費集めようぜー!」みたいな感覚です。
とはいえ国が個人から強制的に財産を奪い取るのが税金なので、さすがにテキトーには徴収できない。なるべく平等に、みんなが納得する形で、集めるべきだよね。

じゃあ税金を集めるうえでの平等って何?って考えたときに、(ここからは想像の世界に入っていくわけですが…)昔の人は
「みんなの『幸せ』の量をなるべく一緒にしようよ!」って考えたんだと思います。つまり
「幸せいっぱいの人は、周りにその幸せを分けてあげましょう。」
っていう考え方ね。いや、わかんないけどね。
で、ここでいう『幸せ』は『所得』です。
ま、「沢山稼いだ人には沢山税金払ってもらって、稼げなかった人は税金少なくしようよ。」ってことですよね、ざっくり言うと。
もうこの時点で結構優しいよね、(と私は思うんだけど、沢山稼いでる人はそう思えないかも。。。)

なので所得税の税率って5%~45%まであるんですね。
よく芸能人やプロスポーツ選手が稼いだ半分は税金で持っていかれる、なんてTVで言ってたりすると思うんですけど、所得が高額になるにつれての税率もどんどんとUPしていくんですよね。(昔は最高税率は75%なんて時代もあったみたいですよ!ひー!それは逆に優しくないかも!)
このどんどん税率上がっていく仕組みを超過累進税率というんですが、この仕組みについて誤解している人が多くいらっしゃるので、いつか改めて記事にできたらいいな、と思います。

ということで超過累進税率は優しさってことでいいですよね?
納得してない人もいるかも知れません。が、これだけじゃ止まらないんです。優しさ。

3.所得は大きく分けて10種類ある

さて、その『所得』ですが、税金計算の過程で言うと入り口みたいなものなんですね。で、その入り口である『所得』っていきなり10種類に分かれるんです。
例えばメジャーなところで言うと「不動産所得」「事業所得」「給与所得」「譲渡所得」などがありますよね。

なんで所得が10種類に分かれているのか。これも実は優しさが関係してるんです。

だって、例えばですけど、不動産を貸しているだけ(って言ったら語弊があるかもしれませんが)の不労所得で年間500万円の収入がある人と、毎日頑張って働いて年間500万円の収入があるサラリーマンが同じ税金だったら不公平だと思いませんか?例えば怪我をして半年働けなくなった場合、不動産収入は減りませんが労働者はお給料もらえませんからね。ヘタするとクビになっちゃうかもしれません。

そんなこんなで色々と平等になるように、所得を10種類に分けてそれぞれ計算方法を決めているんですねー。

というわけで、皆さんは普段あまり気にしていないと思いますが、確定申告書(B)の左上の「収入金額等」という欄に8種類の所得(上から順に、事業所得、不動産所得、利子所得、配当所得、給与所得、雑所得、譲渡所得、一時所得)が書いてあるのはそういう理由からなんです。これが分かっただけで、ちょっと賢くなった気がしません?笑

確定申告書B

(確定申告書ってパッと見た感じ訳わかんないと思いますが、それをこうやってひとつひとつ地道に説明できたらなぁなんて思ってます。そして皆さんが確定申告書にちょっとでも親しみを感じれたら幸いです。)

ちなみに、そこに書かれていない残りの2種類の所得は「山林所得」「退職所得」というものなんですが、この2つの所得がそこに書かれていないのもまさに優しさが関係してるんですよねー。「総合課税」「分離課税」、なんてものが関係してくるのですが、それはまた別の機会に!

ということで、所得が10種類あってそれぞれ別の計算方法が決められている、それはきっと優しさのせいだな、というところまで皆さんご理解、ご納得いただけましたでしょうか?

ちなみに、所得の種類がたくさんある事で「所得区分の問題」といって、例えばビットコインで儲けた人は、それが「雑所得」に入るのか、「譲渡所得」に入るのか、「事業所得」に入るのかで税金がものすごく変わったりもするので、国の考え方はどうなのか、その考え方は諸外国と比較してどうなのか、とか色々な議論がされていて、税理士が読むような税金の雑誌にはそういう記事が沢山載ってるんですよ。マニアックー!!


4.まとめ

さてさて、そんな感じで税金の仕組みが難しいのはきっと優しさのせいなんじゃないか、いやきっとそうに違いない、って言う視点での記事を書いてみました。
ちょっとだけややこしい話でしたけど、ここまで読んでくださった方は税金の仕組みについてちょっと興味が湧いてきてくれたかなぁ、そうだったら嬉しいなぁ、なんて思っています。

まだまだ全然話し足りないけど、この先はどこまでも長くなるので続きはまた今度!



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