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海底で怯える少女の話

「なんで数学なんかやらなきゃいけないの」

さあ、なんと答えましょう。私、これまで何十回となく訊かれた質問です。

初めは平成元年🎍

あれは昭和天皇崩御の2ヶ月後でしたか。
塾業界へ入ったのです。30歳。

 ⭐ ⭐ ⭐

「数学ってね。論理的な思考力を鍛えるんだよ。きっと将来、あなたの役に立つ」

こんなこと言ったかな。今なら言えないセリフです。だって、この非常事態。

地球のシステム変更💻

騒動が終わった後、どうなるでしょう。将来なんて誰にもわかりません。論理的思考力はAIに任す時代が来るかもです。

 ⭐ ⭐ ⭐

「合格したいよね。やるしかない。花の女子高生になるんでしょ」

これもどうか。仕方ないからガンバレ的な。私、言ったかもしれません。

中3女子でした👩

集団授業で反抗的。塾長が持てあます。個別に見てもらえないか。もう年の瀬でした。

私立の推薦は取れたんです。試験さえ受ければ合格します。過去問やってみた。国語と英語は6~7割。ところが──

数学0点!

おいおい。今まで何やってたの。塾長さん。いくらなんでも0点は😱

それから1ヵ月ちょっと。

結果は100点合格♡

 ⭐ ⭐ ⭐

あはは~どうやったの。興味津々ですか。うちの子、受験なの。フジさん、是非教えて。

いや。あのですね。

やり方はカンタンです。反復練習。問題ごと覚えちゃうくらい繰り返す。使ったのも基本的な問題集と過去問だけ。

何が決め手か。そう。

在り方です!

 ⭐ ⭐ ⭐

これまで、在り方革命ゆるふわ教室を書いて参りました。在り方を見直せば、脳は情報処理のシステムが変わり別人となる。

やり方から在り方へ✴

とはいえ、初めてお読みの方もいらっしゃるはず。これはなんだ。エッセイか。それとも自己啓発。戸惑うといけません。

物語です📚

自伝小説っぽいかな。私小説?

私の人生を疑似体験しちゃいましょうって企画です。ただね。あったことそのまま書けません。個人情報もある。かなり忘れてるし。

それより、62年生きた今の私なら、どうするだろう。人生の書き換えです。

私が過去を生き直す。お読みのあなた、ご一緒に体験なさる。もしかしたら、あなたご自身の人生と重なるかもしれません。

 ⭐ ⭐ ⭐

さて、なんで数学をやらなくちゃ……この疑問に、どうお答えでしょうか。

この30年で3000人の生徒さん👧👦
親御さんは6000人ほど👫
お話伺いました。

ここだけの話、まともにお答えの方、いらっしゃらない。皆さんご自身が、同じ疑問を抱えているのです。

 ⭐ ⭐ ⭐

では、ご想像下さい!

一辺2メートルの正方形スペース。薄い壁で囲まれたブース教室。机は一つ。中3の女子生徒さんが座っている。

前髪は揃ってました。ポニーテイルの黒。色白で小柄。ほっそりして。目は細くて黒目がち。鼻がつんとして唇は薄い。

個別進学塾。講師は立って授業です🚶

私=あなた

が腕組みしています。壁のホワイトボード。黒マーカーで三角形が描いてある。相似を使う図形の証明問題📏

「なんで数学やらなきゃいけないの」

 ⭐ ⭐ ⭐

数学は本当にやるべきか。本音を言えば、誰にもわかりません。逆らうと損だから奴隷のようにやるしかない。

数学が好きな人はいいですけど📐
この生徒、キライなんです😾
どう答えたらいいか──

あ。

思い出した。

私、こんなこと言いました。

「ホントだよ。なんで数学やるんだろ。わかんない。やりたくないね」

 ⭐ ⭐ ⭐

共感です。

中3女子が求めていたの、お説教じゃなく共感でした。正しい方へ誘導されることでもない。そのままでいいと言ってほしい。

思い出すなあ。

キョトンとした顔で。なんだろ。この先生。バカなの。そんな感じでした😅

教師に共感された経験ないのかも。

私は親でも友達でもない。
ただ、キミの味方だよ。

そんな気持ちでした。言葉だけ調子を合わせるんじゃなく、なんか私まで数学がキライになってきちゃったりして。

伝わったんでしょうか。

フッと力が抜ける感じ。それから彼女、私の言うことを素直に聞いてくれました。

繰り返しやればいいの?
そしたらアタシ、受かるかな。

 ⭐ ⭐ ⭐

突っ張ってるけど、本当は不安だったんでしょう。誰もわかってくれない😭

教育はエデュケーションの訳語です。エデュケイトの語源、ご存知でしょうか。

外へ導き出す♡

 ⭐ ⭐ ⭐

さて、初めは別の筋立てを考えました。

生徒の心に潜り込む話。潜在意識の世界へ。潜在意識の中でトラウマを捜して闘う💪

オレはマインドスナイパー。心の底へ潜り込む。コードネームがフジミドリ。表向きは塾講師。裏稼業のスキルを使う🔫

なーんてね。

左目を見た瞬間、潜るんです。
右脳へ繋がっているのです👀

今回の中3女子だと、海へ潜る感じですか🌊心の底に暗い海が広がっている。潜っていくと海水はねっとり絡みつく。

海底に透明な球型のドーム4つ。細い通路で繋ぐ。入っていくと少女が床にペタンと座ってなぜか人形遊びしている🎎

突然の海底地震!

巨大サメが現れてドームに体当たり。ひび割れる窓。吹き出す海水。怯える少女👩

マインドスナイパーのフジミドリ。巨大サメを撃破して、少女も救い出す。みたいな。

 ⭐ ⭐ ⭐

今回、押しつけでなく共感して、うまくいった体験談をお伝えできました。お役に立てたら嬉しいな🍀

とはいえ、今の私なら共感しませんね。

さすがに30年やったら、少しは進歩するものです。そうですねえ。今ならこう言うかな。

「100円玉って長方形だよね」

は。って顔します。ビックリして、なんで数学やるかって疑問は吹っ飛んじゃう。意識の方向が瞬時に変わるんです。

100円玉は長方形。いきなり尋ねると、即答できず少し考えますね。普段からその観点で物事を見る生徒さんって少ないのです。

100円玉は丸いでしょ!

既成概念から外へ出られない。そこでおもむろに訊きます。自動販売機を使ったことあるよね。100円玉の投入口、どんな形かな。

あ。って顔して。身構えた心がスッとほぐれてくる。それから、捉え方の話へもっていったりします。

 ⭐ ⭐ ⭐

この30年、押しつけから共感へというコンセプト、けっこう浸透してきたのです。本やブログでよく見かけるようになりました。

ところが
うまくいきません。
なぜかって?

形だけマネするからです。やり方。そう。いくら優れたやり方であっても、在り方を見直さなければ、うまくいくわけありません。

モノマネが蔓延ると、偽の共感に慣らされている可能性も高い。免疫ができてしまう💉

一つ上のスキルが必要な時代

譬えてみれば。お説教=100円玉は丸い。共感=100円玉は長方形。ところが、100円玉にはもう一つ別の形があるのです。

100円玉って・・


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