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最中万歳

三女が絶賛ダイエット中で、おやつを食べると云うのは気が引けて、おやつのおの字も言わない様にしている。

昨日は調子が悪かった三女に合わせて、おじやばっかり食べていたら、急にお菓子が食べたくなった。


雑炊とコーヒーの朝食、昼も殆ど同じ感じ。

三女も熱が下がってお腹が空いてきたらしく、食べた後で文句が言いたい様子でいる。

これは言ったらあかんかも、そう考えた物の、チョットだけ三女に聞いてみる。

「お昼たらへんのとちゃう?」

「うん、たらん。」と言って今度は考え込んでいる、こんな時には食べたいんちゃう。

「お菓子食べたくない??」聞いてみた。

「うんチョットたらんから食べたい。」

「なんかさー、あんこの入ったもんが食べたいんよ。」2人一緒に声を出す、流石に親子考える事が同じや。

娘の昼休みに近鉄百貨店に行ってみる、別にコンビニも有るのだけど、チョット贅沢がしたくなった。

久しぶりにお菓子の売り場に行くと迷うほどある、こんなに百貨店にお菓子売って居て、全部売れるんかー。

私と三女の目当てはあんこ、そう言えば息子の友達であんこが嫌いな子がいたなーとか思いながら、商品を見ていく。

叶匠寿庵の前に立つと娘が止まった、やっぱりここかー、そう思いながら何語欲しいと聞いてみる。

「お餅の中にあんこが入って居るのが良い。」三女がジーッと見つめている。

私としては最中が良いな~なんて思っていた、ちょっと前に伊賀のつばや菓子舗という所が期間限定で来ていて、そこの最中が美味しかった。

期間限定のお店は無いが、ここのもきっと美味しいんだろう。

「私餅のお菓子買うわ。」三女が言ったので、「じゃあ私は最中を買う。」と言った。

最中は好きだけど、それほど買ったりしない、だってさ最中って普段にお家に置いてある??

置いてあるお家も有るんでしょうが、我が家では特別感がある、私が最中に特別感を持っているのかも知れない。

短大時代、宝塚に下宿していた時期に、親戚から最中を買って来てほしいと言われた。

最中ってそこら中にあるやんと思ったけど、どうも宝塚の三宝堂さんの最中が欲しかったみたいだ。

「お前知らんのか?」いつもの如く叔母ちゃんが聞いてきたが、四日市生まれ、四日市育ちの私に知る訳が無い。

「柚子もなかが美味しいんやけど、あんまり作って無いから、直ぐ売り切れるや、朝直ぐに買いに行かんと。」教えて貰って、帰る少し前に買いに行った。

ふふー、といった気持で手に入れて、親戚の家だけでなく、家にも持って帰った覚えがある。

柚子が利いていて、小さくてサクサクして、柚子のあんこを食べる為に最中の皮ってあるんやな、感激した思い出だ。

今度は四日市から宝塚に帰る時、叔母ちゃんに何か欲しいもん有る?聞いてみた。

「采女の里やな。」一言。

采女の里って最中やん、そんな訳で私は宝塚と四日市で、最中を運ぶ運び屋として、せっせと行きかえりした。

采女の里はその頃は味は知らなかった、後に食べてみて、美味しいやんとなった。

結局は最中はぜーんぶ美味しいのかも知れない、私は密かにアイス最中は天才が作ったと考えている。

最中万歳



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