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【小説】SNSの悪夢

この所はSNSは見ていなかったな、こちらが非難を浴びるのは見たくないからな。

急に話題の人間になって、言い訳もできずに非難される、言い訳をするとどうせ言い訳なんだと断じられる。

SNSは魔窟だ、誰もが何が有るか解らない、その中の物は知らないのに、知った気になって、中の暗さを話している。

それは正しいとか間違っているとかではなく、中の暗さを見てそれを評しているだけなのだ。

自分はそれに乗ったりしない、誠実さは忘れずに生きて行きたいのだ。

でも、この前に上げたあの不倫男はどうなったんだろう???

SNSでは話題になって無いかな?誰にも知られていないアカウントだから、問題にもなって無いかも知れない。

あの時に使ったアカウントを見る、何も無くて凪の様な生活が続いて居んじゃ無いだろうな。

不倫男は随分反感が大きかったみたいだ、そりゃそうだろ、他人の事を不倫だの問題だの言って、自分が不倫していたんだから。

それが言えるのは清廉潔白な人生を送っている人間だけだ。

やはりと云うか、当然と云うか、彼の所には非難する声が寄せられている、じゃ無きゃした意味が無かったという事だ。

「『不倫なんてサイテー。』と言っていたのは何処のどいつだ もしかすると若年性健忘症か?」

「自分が不倫しているから 同族嫌悪だったのか???」

「何かさ この人って俳優の不倫を非難していたんだよね 何様?」

流石にSNSだ、自分が見た様に批判している、本当か嘘かは関係無いんだ、ここでは訝しむ声も無い。

叩かれる方になると、気が狂いそうになるが、叩く方になると楽しくなってしまう。

よし次はあの女の夫だ、痴漢で逮捕されたのだから、それは問題だろう、昨日音声を上げておいたから、反応もあるだろう。

『痴漢が犯罪だって考えてない人が居るんだ。』

『スカート穿いてたら触って欲しがってると思うなよ。』

『こんな男が居るから女性専用車両が居るんだ。』

『女の敵は捕まえないと。』

女性の反応が多い、そうだよな、男が女に触れても嫌だろうが、まだ力で返せる。

女じゃそうはいかない、殆どの女は力で押し返せない、だからきっと侵された感覚が余計に強くなるはずだ。

同意が無く触られるのも、同意がない性行為も同じ様なものだ、これは男でも女でも同じだが、男が同意なく触られるって、想像できないからな。

『同じ男として 恥ずかしいです』

『これで女性専用車両のが必要だと言われちゃうじゃ無いか』

男も言ってるやつがいるな、でもこれ以上は増えないのかも知れない、SNSはある程度知り合いがいると、拡散が凄いってのは嘘かもな。

次は如何しようか、拡散させるために考え込んでいた。



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