利に合えば而ち動き、利に合わざれば而ち止む｜11月29日

利に合えば而ち動き、利に合わざれば而ち止む

りにあえばすなわちうごき、りあわざればすなわちやむ

11月29日、孫子一日一言の言葉です。

孫氏コンプリートに”一時の怒りや憤怒（いきどおり）で戦ってはいけない”とあります。

孫子六千数字のなかで、合理の”理”の字は、動静の理（虚実篇）、地の理（九地篇）、人情の理（九地篇）の三字にすぎない。あとなみな利である。合理的にできているから、ことさら理という文字を使う必要がないからであろう。

これに反して利という文字はいたるところにみえる。
表題のほか
「利に非ざれば動かさず、得るに非ざれば用いず、危うきに非ざれば戦わず」
戦争哲学にもでてくる。、その他「計に利にして」、「利して之を誘い」「兵頓れずして利を全くす」など、随所にみられるが、その極めつきは「兵は詐を以て立ち、利を以て動き、分合を以て変を為す」の用兵原則である。

つまり孫子のを貫く理念は、「有利な状況で戦って、無理のない勝ち方をせよ」という考え方だ。形篇の「勝つべきは敵に在り」（敵のやり方次第）でわかるように、勝ちは状況との考え方だから合利を貴ぶのだ。名将は、この条件をよくすために、戦う前に非常な努力をする。これが「勝兵は、先ず勝ちて而る後戦を求め」となるのである。

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