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SDGsからみて、この数字をどう捉えますか?

ある企業のトップの発信を読み、現場から変えなければいけないが、現場は変わったのだろうか
現場で働いてきた私の中にあった疑問が久しぶりに吹き出してきました

「一番大事なことは、自分の気に入った服を長く愛用するということ。今年買った服が去年買った服、その前に買った服、そして今後の服に合うことだ」と、上質で長く切られる服づくりの価値について触れた。
長く着られる服づくりが捨てない文化を育み、サステナビリティの実現に繋がっていくと。

アパレルの大量廃棄が問題にもなっていますね
しかし、その多くは各家庭から出る捨てられる服だということを知っていますか?

アパレルの余剰在庫や衣類の廃棄量が地球規模で膨れ上がっていて、アメリカでは年間1300万トン、日本では年間100万トンが廃棄されているそうです
中には新品のまま焼却処分されるケースもあり、数年前にはネームタグを付け替え直して新たなブランドネームで販売する企業も出てきました

なぜ、廃棄するのでしょうか?
多くのブランドがブランドのステータスやイメージの低下につながることを恐れているため、余剰在庫を安価な価格で販売せずにそのまま処分しています

ブランドは、育てるものだと思うのです
お気に入りの服は大切にします。着るたびに喜びや幸せを感じたり心を躍らされますし、時には奮い立たされることもあります

そうやって育まれた服は、それこそ最初にある企業トップの言葉にある通り
「今年買った服が去年買った服、その前に買った服、そして今後の服に合う」

これは現場で働くスタッフも同じだと思うのです
アパレルの現場では、売り場で働くスタッフは、販売している商品が制服となります。次々新商品が投入されますので、次々新商品を購入しなければなりません
形や色などが全く昨年の同一商品と相違がない限り、昨シーズン商品の着用は基本許可されません
多くの企業では制服となる自社製品は配給でも貸与でもなく、社員購入制度でスタッフの自己負担です

ここを数字にすると・・・
社員数4万人、うち半分の2万人が店舗販売員とした場合
1ヶ月ごとに新商品2枚購入、全体で4万枚が購入されます
これを”今年の服”とするならば、
新商品への切り替えで”去年の服”にシフトされます
1ヶ月ごとに去年の服が4万枚発生し、1年間で48万枚、恐らくそれ以上の数が”去年の服”が発生することになります

この”去年の服”が今年の服、今後の服と着回しましょう、長く着られる服をアピールしましょうとできれば、自社で発生させていた去年の服48万枚=リサイクルにはなりません

生産数を減らせます、何よりもSDGsです

企業トップが消費者にSDGs活動を発信することは、そこで働く社員へ、企業が進む方向性を指し示す、浸透、抑制、統制にもなるのだと思います
どんなに内部で発信を行っていても、社員が増えれば増えるほど末端までというのは、本当に難しい。

また、スタッフが自社製品を購入するのは、着ることで商品をアピールしよう、良さを伝えようという点と、どんな商品を好んでいるか、色やサイズ、着心地などデータや情報取集を行い、生産ラインの見直しや商品開発に活かすといったことも含まれています

個人消費の面でも大きい額になります
1ヶ月に社員購入5,000円なら年間60,000円です
夏より冬の方が単価が上がるので、それ以上の金額を使っています
そうなれば少しでも消費を減らしたい、節約したい。他のことに使いたい、使うところがあるので、商品の選択基準が着たいより安いになります。実際、バイトの学生さん達がみんな同じような服だったことがありました

着ることで商品をアピールするなら、着回しを含めてお客様にアピールできることが、SDGsから考える販売方法だと思います


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