ただそこに居て耳を傾けてくれる人

多くの人はきっと何かしらの痛みや苦しみを抱えている。解決したり、好転する可能性のあるものもあれば、もうどうしようもないものもある。
そして泣き言を言ったり、愚痴を言ったりすることは、できるタイプの人とできないタイプの人がいる。できるという人でも相手は誰でもいいわけではないだろう。

こう考えると『話を聴いてくれる人』の存在は、とても稀有でありがたいのだ。まして、変なアドバイスや指摘などをすることなく、ただそこにいて耳を傾けてくれる人の存在には感謝しかない。だいたい、人は話を聞きながら、自分が考えたことや感じたことなどを返す事で会話になるのだがら、話を聞いて何か言いたくなるのは当たり前のことなのだ。

私は人の話を聞くことが好きだ、と昨日書いたが、グリーフ専門士や心理セラピストとして、話を聴くことが仕事でもある。そして、そういう立場で話を聴く時と楽しみで話を聞く時とでは、全然スタンスが違う。
学ぶ中でお互いの話をする機会も多いが、普段の会話とそういう時の聴き方は全く違うし、だから話す方の話し方も全然違ってくる。

だから、本当に話を聴いて欲しいと思ったら、プロに頼るのが一番いいのは確かだ。
ただ、もしそこまでではないと感じる時でも、ただそこにいて聴いて欲しい、という気持ちを汲んでくれる人、そして大切なのは『語り切れない、もしくは語ることのできないことも含め、痛みを抱えて頑張って生きているひとりの人間』であることをわかっていてくれる、そんな人に聴いてもらえたら、きっと心が和らぐのではないかなと思う。

これは、専門士仲間と話している時に話題になって考えたことだ。
こういうことを一緒に考えられる仲間がいることも、本当にありがたい。