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【看護学生必見】病院奨学金を借りる前に考えてほしい4つのこと

前回の記事にも書いた通り、私は結果的に病院奨学金を辞退することにしました。今は、本当にその決断をしてよかったと思いますが、借りる前に、考えておくべきだったと思う点がいくつかあります。

悔しない選択をするためにも、病院奨学金を借りる前に考えてほしい4つのことがあります。今日はそれら4つのポイントと具体的な対策についてお伝えしていきたいと思います。そして最後に「どうして辞退したことを後悔していないのか」その最大の理由もお伝えしたいと思います。

考えてほしい4つのこと


➀進みたい方向性が大きく変わるおそれがある。これから明確に決まる可能性がある。

 病院奨学金って、まだ実習に行っていない時点で検討する看護学生さんがほとんどだと思います。その時点で考えていたことと、やりたいと思っていたことと、実習後に考えることではけっこう変わってくる可能性もあります。

 知っている先輩は、実習前はあまり興味のなかった精神科でしたが、実習を通して興味や関心、やりたいことが明確になり精神科病院(精神科単科でかなり名門)への就職を決めていました。

 実習だけではなく、関わる友人や、先輩などからも大きく影響を受けます。現に私も尊敬する先輩からたくさんのお話を聞き、大学院の良さや、就職先の検討方法などいろいろな事に関して大きく考え方が変わりました。それと共に助産師としてやりたいことも明確になってきました。現在は、卒後は「大学病院」に就職したいと明確に考えています。これも病院奨学金を決めた大学2年次には、明確になっていなかった…

しかし病院奨学金があるから、自分のやりたいことが全くできなくなるという訳ではありません。返金免除のための一定期間(お礼奉公)働いた後にでも、やりたいことに挑戦できますからね。そしてそこで働いて貯めたお金で、またチャレンジすればいい。

ただ、私は前に書いた通り助産師コースに落ちました。あの時の精神状態ではとてもじゃないけど、看護師としてあの病院で3年間働くという事実を受け入れることはすごく難しかったと思います。

助産師コースに不合格となり気分はどん底に落ちながらも「大学院に進学する」という選択肢があったことに今は本当に嬉しく思っています。あのままモヤモヤしながら奨学金を継続していれば、「大学院に進学する」という選択肢すらなかったから。
コースに不合格となり落ち込み、悩んでいる私を見て、両親も「あの時、病院奨学金をやめておいて本当に良かった。大学院という選択肢が今はあるから。」と言ってくれました。私もあの時、辞退するという選択をして良かったなと思っています。

このように、「病院奨学金がないことで広がった選択肢から進路を選ぶことができた人もいる」ということが伝われば嬉しいです。

➁病院の経営状況が変わるかもしれない

 これは、今の時代特有の話かもしれませんが、新型コロナウイルスによって病院の経営状況が大きく傾いているというニュースありましたよね。

特に東京女子医科大学の附属病院での「夏のボーナス支給ゼロ」に対して、看護師約400人が辞職の意向を示したという事態がすごくニュースになりました。
また、日本赤十字病院は賃金制度の改悪と言われるRプランが採用されるとか…?

全ての病院において当てはまるわけではないですが、病院奨学金を決めるときにはそんな事は決まってなかったのに、いざ働き始める3年後にはお給料(ボーナス)が減額…といった事態も起こる可能性はなくはありませんよね。

私は今回看護師としての就活を進める(万が一大学院に落ちた時のために)中で、2020年のボーナス支給額の実績も、病院を選ぶ上での判断材料の1つにしていました。コロナ禍でも経営状況は安泰なのか良い指標になると思ったからです。

➂お金と時間どちらが自分にとって大事か

 もし、やりたいことが新しくできて、それが奨学金を借りている病院とは方向性が違う場合。例えば精神看護について深くやりたいのに、その病院には精神科がなかったり、あるいは外来だけしかやっていなかったり。

もしそうなった時に、
・自分の興味があることに時間を費やせないけれど、返済は免除できる。
・時間は戻ってこないから、やりたいことを優先するために、時間をとる。

という感じで「お金」「時間」これらの二つの観点から考えてみることも大事だと思います。
「たったお礼奉公の3年」
「3年間もやりたいこと我慢できないのは辛い。」

など、自分の価値観や考え、その時々の気持ちを大切にしながらゆっくり決めていってほしいです。

➃逃げ道があった方がいいタイプなのか、なくても大丈夫なタイプなのか

 「逃げ道」と言うと、少し聞こえが悪くなってしまうかもしれません。ですが、本当に心がしんどくなった時に逃げることって大事なことだと思ってます。

 3年間はお礼奉公をしていると決まっていても、そこで必ずしも人間関係に恵まれて楽しく仕事ができるとは限りません。看護の世界ならなおさら、、、付属の大学病院に就職した先輩方の中でも、人間関係が合わず、休職、退職した方も一定数いると聞いています。実習でよく行き、ある程度病院の雰囲気が分かっている付属病院の就職ですら、あり得ることなんですよね。

ですが病院奨学金を借りていた場合、人間関係に悩まされて、心が苦しくなった時に「お礼奉公があるから、なんとしても働かなきゃ」と自分を追い込んでしまいかねない。責任感が強く頑張り屋さんならきっとなおさらそうかもしれない。

多少無理をしてでも働き切った人もいるとは聞いたことがありますが、、、

「どこでも何となくうまくやっていける自信がある」
「人間関係に対処するのは割と得意な方だ」
「返済免除のために3年は退職できない環境下の方が、頑張れる」
(返済することになってもいいなら、退職は可能であるものの)
「(お礼奉公などを縛られることなく)いつでも退職できる環境の方が気持ちにゆとりがある

など、人それぞれだと思うので、自分がどのタイプなのか見極めて考えることが大切だと思います。病院の中でも、風通しがいい病棟もあればそうでない病棟もあると思うので、本当にこればっかりは就職してみないと分からないですけどね。


上記の考えを整理するためにやるべきこと


では、上記の考えるべき4つのことを整理するためにはどんなことをすればいいのか。私なりの対応策を3つ考えてみました。

➀先輩、先生に相談する

 まだ、実習にも行っていないのに、就職先なんて想像もつかないですよね。特に私は付属の大学病院があり、約7割がそのまま大学病院に就職するという状況だったので、なかなか同学年の友達には相談しづらかったです。なので、とにかく知見を広めるために、色んな先輩、先生に相談するのが一番かな、と思います。

助産師の就職先として、どんな所を選ぶべきか、病院奨学金ってどうなのか?とか先生の立場から色々と教えてもらうことができました。

帝王切開の割合はどれほどなのか、無痛分娩など医療介入が多い病院なのか、など自分では知らなかったポイントを教えて頂いて、すごくありがたく感じたのを覚えています。

➁病院奨学金を借りて就職した人がいないか学校の事務に聞いてみる

 大学や専門学校の事務は卒業生がどのような進路をたどっているのかを把握しています。奨学金経由でその病院に就職しているかどうかまでは、分からない場合もありますが、事務に聞いてみるというのも一つの手だと思います。

 私も聞いてみましたが、病院奨学金を借りて就職した人はいなかったです(;^_^A

➂いろいろな活動にアクティブに参加してみる

 2年生には、病院奨学金を借り始めなければならないと考えていたので、1年生はとにかく色々なことにチャレンジして、自分の視野を広げようと行動しました。
自分のやりたいことはどんなことだろう、どんなことに興味や好きが溢れているんだろう。常にそういったアンテナを張りながら、発展途上国のスタディーツアーに参加したり、インドネシアにおける売春婦の健康教育活動にすこーし携わる活動に参加してみたり、青年海外協力隊経験のあるOGの方のお話を聞きに行ってみたり…(これもいつか記事にしたいなあ、、、)

1年生のこれらの活動で自分の将来のビジョンが明確になった訳ではありませんが、たくさんの濃い体験をできて、無駄ではなかったなと思います。

本当にこの選択でいいのか分からないと思いながら、病院奨学金を決めかねている場合には、アクティブにたくさんの活動に参加してみて視野を広げ、その上で考えるのもいいかもしれません。

病院奨学金の辞退を後悔していない最大の理由

「お金に対して強くなったから。」これがすごく大きいです。
私は、病院奨学金を辞退したことで、働いた後に約200万円を自力で親に返さなければいけないことになりました。そのまま病院奨学金を継続していれば、返すことなく自分のもとに貯金できていたはずの200万円
最初のうちは「やだなあ、せっかく働いて貯めた200万円がなくなってしまうのは、、、」と思っていました。

ですが、途中から
「どうせ200万円を返すという事実に変わりないなら、少しでもお得に返す方法を見つけたい。」と考えるようになり、お金についての勉強を始めました。
その中で、積み立てNISAや投資信託という貯金形態がこの世にあることを初めて知り、ブログや本を読み漁ってたくさん学びました。そして既に私は一般NISAとセゾン投信での投資信託を始めています

もし、自力で200万円を返すという状況に陥らなかったら、一生お金の知識に弱いまま終わっていたかもしれません。奨学金を辞退するという決断をしたからこそ、こうやって今資産形成を始めることができた。本当に良かったなと思っています。
また、私は滑り止めの大学に入学金を約30万払ってもらっており、それはいわゆる捨て金になってしまいました😅その30万も含めた200万円を親に返したいなあと今は思っています。
「なんで私だけ親に返さなきゃいけないの?」と思っていた時期もあるので、ここまで考えらえるようになったのは我ながら成長、成長(笑)

まとめ

ずらずらとたくさん書いてしまいましたが、最後まで読んでいただいてありがとうございました。病院奨学金を検討している看護学生さんに少しでも役立ち、後悔のない選択ができますように。


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