見出し画像

20代会計士&会計士試験挑戦者に送る、独立して稼ぐ方法

監査役転職エージェントをしている公認会計士19年目のちひろです。

転職希望の会計士の方とお話する中で、「もっと早くキャリアを考えればよかった」という方が多いです。今回のnoteは、個人的私見だらけにはなりますが、若手会計士&会計士を目指す方に読んでほしいです。

なお決して監査法人に長くいる方を批判するものではないため、予めご了承ください。

私のことを知らない方に自己紹介すると、
2005年2次試験合格→BIG4横浜事務所4年→アメリカ放浪10か月(26歳)→外資系保険会社9年(内部監査→コンプラ)→上場会社監査役(2020年~)という経歴です。

激務に耐えられず4年でBIG4から逃げていますが、後から振り返ると良いタイミングで転職したなと思っています。

最も伝えたいことは、 「監査法人に入って3年目でいったんキャリアを考えましょう!」ということ。 「転職をしましょう」ではなく、「キャリアを考える」ことです。 キャリアを考えた結果、転職する方もいますが、必ずしも転職を勧めているわけではありません。 私はキャリアを3か月に1回は考える人なのですが、キャリアを何年も考えていなかった方が結構います。 先日も合格年次が同じ方(会計士19年目)で、監査法人15年いて転職した方が「もっと早く転職すればよかった」と何回も言っていたのが印象的でした。4年前に友達の経営するコンサル会社に入って活躍していても、まだそう思うのかという点でも記憶に残ってます。

身近なところでは、夫が29歳&BIG4の8年目(マネージャー手前)で転職しようとした時、かなり苦労しました。10年以上前なので状況は変わっているかもしれませんが。
事業会社やコンサル会社を受けましたが、全滅。
結局、同期の旦那様が勤めていた中小会計事務所にコネ入社。
そこでM&Aや再生を学び、3年後に独立できましたが、年収を100万円以上下げての入社でした。

独立会計士のお仕事は多岐にわたります。会計に限らず、経営コンサル全般などをやっている方もいますが、本日は下記を書きます。

①税務
②内部統制コンサル
③IPO支援
④社外CFO
⑤M&Aや再生のデューデリジェンス(DD)
⑥監査役
⑦会計監査バイト


監査法人から直接独立する道もありますが、個人的には①~④の業務をコンサル会社(BIG4含む)や事業会社で2年以上経験してから独立するのがスムーズかと思います。

①税務


独立してすぐ税理士登録をして、税務に挑戦する人は多いです。個人の所得税業務や中小企業の法人税業務は単価が低く、スタッフを多く抱えて件数をこなすため、組織マネジメントが得意な人が所長として向いています。

戦略的にキャリアにするなら、国際税務や相続税など単価が高い仕事をBIG4で学んでからの独立がお勧め(業務難易度が高く、リスクも高い)です。

②内部統制コンサル

IPO準備会社の内部統制を構築したり、J-SOX監査に必要な三点セットを作ったりするお仕事です。監査法人経験だけでもJ-SOXをある程度理解できていればできると思います。
最近は、内部統制以外に内部監査の需要も増えています。IPO準備会社は業務委託も40代までなど比較的若手で探しますが、内部監査は40代まででの経験者が少ないためです。会計士業務委託あっせんサイトでのお仕事も見つかります。(ただサイトによっては50%手数料を取っているので、直受けできるなら直受けしたいところです。)

③IPO支援

IPO支援と一言で言っても、いろいろな方法があります。IPOしやすい管理体制のアドバイスをしたり、プロジェクトマネジメントをしたり、実際に証券会社に提出する資料を準備したり、②の内部統制の構築支援をしたり。
監査法人でIPO準備会社を担当していた方や、監査法人から証券会社に一度行かれた方が得意としている領域のようです。加えて、IPO準備会社を担当していなかった監査法人出身者も多くいるようです。

④社外CFO

社外CFOは、上場会社やベンチャーでCFOをやっていた方がなるケースが多いです。(業務委託ならプロに頼みたいというのが普通で、未経験者に回ってくる仕事ではなさそうです。)
CFOと言っても、資金調達が得意な人、管理体制の構築が得意な人、客先にほぼ常駐で社内の人と同じレベルでコミットをしている人、いろいろなパターンがあります。

⑤M&Aや再生のデューデリジェンス

こちらもプロに頼みたい会社さんが多いので、未経験の場合は、経験者の指揮するチームに入れてもらうのが良いと思います。
DDの後に同じクライアントに対してPMIや顧問などのお仕事をしている人もいます。
最近はM&Aのニーズが高まっているので、お仕事の件数が増えていると思います。
DDのに加えてバリュエーションをやっている方もいますが、独立前に勤務会計士として修業しないと難しいです。(BIG4以外で経験できる会社は、片手で数えられるほどしかないと思います。)

⑥常勤監査役

監査法人からの方も時々、監査役になられていますが、事業会社経験がある方を好む会社は多いです。
週3日~4日勤務という点でママさん会計士には人気ですが、責任は重く、正直、最初は他のお仕事より稼げません。というのも、IPO準備会社の常勤監査役ですと600万円~900万円が多く、他社の役員は兼任がNGまたは1社までです。空いている時間で②内部統制コンサルや⑥会計監査バイトを掛け持ちしている人が多いです。
そんな状況を知ってもやってみたい方がいましたら、私までご相談ください。(HPでもXでもご相談承ります。)

なお非常勤監査役や社外取締役は、やってみたい方が多いですが、転職エージェントにはほぼ来ません。リファーラルや(監査役経験者のみ入れる)日本監査役協会の紹介で決まっているケースが多いです。

⑦会計監査バイト

最近は会計監査の人員不足で、日給5万円以上で手っ取り早く稼げます。しかし、スキルが増えることはなく、戦略的なキャリアとはいえません。
先日もBIG4に15年以上いて、その後2年間、中小監査法人で会計監査バイトをしているママさん会計士から「キャリアになっていないと感じる」とのご相談がありました。

私の夫が独立前に約束してもらったのが、「ひまでも会計監査バイトに1年間、手を出さない」です。
会計監査バイトを始めると、先の日程まで押さえられてしまい、そちらのスケジュールを優先せざるをえなくなります。そうすると、本来やりたかった仕事が入れられないリスクがあります。
独立しても、会計監査バイトのおかげで、食いっぱぐれることはないですが、始める前に上記リスクを認識してほしいです。

7つのお仕事を紹介しました。いかがだったでしょうか?


2005年合格の同期には、「BIG4でパートナー目指す」と言い続けている方もいます。駐在経験 or 女性などが優遇される上に、政治的な理由で、実力通り昇進できるとは限りません。
「なぜ実力はあるし、後輩からの人気もあるのに、パートナーになれていないんだろう?」という方も正直います。

そのため、繰り返しになりますが、監査法人3年目でいったんキャリアを考えてください!

転職エージェントをやって知ったのは、20代は未経験でも転職しやすいですが、30代後半になると厳しくなってくることです。
特に監査法人経験のみだと「先生の立場で指摘だけしていて、手が動かないんでしょ」or「現実的な落としどころのアドバイスができるのか心配」という会社さんがいます。
一方、事業会社やコンサル会社の経験があると、「つぶしがきく」と思います。

過激な私見になったかもしれませんが、ご参考になれば幸いです。

最後までお読みくださり、ありがとうございました!
今後も有益な情報を発信していくよう頑張っていきますので、スキ・フォローなど頂けますと、とっても嬉しいです。
ぜひ応援よろしくお願いします✨

*******************************************************************
今は社外役員(監査役)経験を活かし、常勤監査役のための転職エージェントをしています。https://www.sunnycareer.org/

IPO準備会社様やIPOサポートをやっている方には、「監査役の選任のノウハウ」という資料をお渡ししています。
ご興味ある方は、X(Twitter)などでDMください。

https://x.com/shiba_chihiro

*******************************************************************:
監査法人で頑張る皆様には、下記のてりたまさん(https://note.com/teritamadozo)の著作をおススメします!
キャリアについても言及されています。

























この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?