日本女性が狙われている その2

シドニー領事館から、オーストラリアの農場で働いているワーキングホリデー中の女性が性犯罪に遭っている事に関し、さらなる注意喚起の通達が来ました。今回はもっとはっきりした文章になっていますので、被害の甚大さが発覚したのでしょう。

在留邦人Eメールで届く「在シドニー日本国総領事館メールマガジン第223号(2023年6月号)’」より

なぜこのような被害が発生しているのかの詳細については以前に書いた記事 日本女性が狙われている|Sachi (note.com) をご参照ください。

そしてこのその2記事では、何が日本女性の身を守ることを難しくしているのかについて解説し、何とか自衛の道を見つける手助けになればと思っています。

日本人がノーと言えない事はバレている

先ず女性のみならず日本人はノーと言うのが苦手です。長く海外に住んでいても、外国人からの要求にノーと言うのは心苦しい。これは文化の違いで、日本人同士の場合は相手が了承できるかどうかを配慮して頼むことが多いですが、外国人の中には「イエスだったらラッキー」ぐらいの軽い気持ちでとんでもない要求をしてくることがあります… なんでそんなに強引な!と思う事もしばしば、例えば身に着けているネックレスをくれと唐突に言われたり、引っ越しをした後に荷物を忘れていたのに気が付いたから届けてくれとか、とにかく日本ではありえない類のお願いをされます。それで驚きながらも断ると、「そりゃそうだよね」みたいな感じの反応。つまり全く相手は私がイエスという事を期待していないけれども、一応頼んでみるわけです。

我々日本人は見るからに大人しそうに見えるので、残念ながら舐められることも多く、色々頼まれたり、雑に扱われることもたまにあります。そうやって海外に住む日本人は徐々に鍛えられ、私も内心ではかなりの葛藤があるものの、随分とはっきりと断れることが多くはなりましたよ。

さてここで、性犯罪の対象として狙われているワーホリ女性の話に戻りますが、彼女たちは海外に出てきたばかりで【ノーと言う鍛錬】を積んでいないわけです。そして彼らが迫られているのは、「そのアクセサリーくれ」とか「掃除しといて」とか、(うっかりイエスと言ってしまって悔しい思いをしたけれど今度はきちんとはっきりノーと言おう!)と思えるような類の要求ではなく、きちんと拒否できなければ大変なことになる強引に性行為を求められる!という過酷な試練にいきなり晒されているわけです。これは格闘技で例えれば、基礎練習もなしにいきなり試合に出場させられるようなものです、簡単にノックアウトされます。

意図的に悪意のある情報が流されている可能性も


更に悲観的な推理ですが、、、、世界では「日本の女は断れない、強く言い続ければ何とでもなる」と言う噂が巡っているようなのです。日本女性が必死に「ノー、ダメです、嫌です」とか細い声で言ったとしても聞き入れられない。海外在住者が今まで体験してきた以上に、強く強く断らなければならない状況になっている事が予想されますから大変でしょう、本当に同情します、何らかの対策が必要です。国外に出る前にノーと言う訓練をする必要があるとすら思っています。なぜなら日本女性のノーは伝わらないからです。

日本女性のノーは伝わらない

トラ男🇯🇵ネトウヨ差別反対!消費税廃止!さんのコメントから抜粋

日本女性は笑顔でノーノー言うから可愛い。ツィッターで見たコメントなのですが、これ程はっきり日本女性のノーが伝わらない事を端的に表す言葉は無いかもしれません。

日本人は場を和ますために笑顔を作ることがありますよね。我々は苦笑いしながら謝罪をしたり、注意をしたり、拒絶をしたりしがち。これは外国人にはあまり評判が良くないのです。しかし、この「苦笑いをしながらノーと言う」と言うのは評判が悪いレベルの話ではなく、むしろ「口では嫌がりながら誘っている」と思われる可能性すらあります。恐ろしいことに、好きでもない男性に性的関係を迫られて、必死でノーと言ったら「ちょっとだけよ~♡」と誘っていると取られる可能性があるとか恐怖です、やはり相手に伝わる様に断る練習が必要です。

更にはAVによる刷り込みの可能性も

昔のAVには「口では拒絶しながらも実は女性は興奮して最後には喜んでいる」と言う分野があった模様。最近は正規AVと言うのが主流でそのような「嫌よも嫌よ好きの内」系のAVは無いと思いますが、残念ながら過去のAVが全世界に出回っていて止めようがない。そして現実に出会った日本女性がニコニコしながらノーノーというのを見て、AVを見て興奮した時の気持ちを思い出し、ますます「この女性のノーはイエスの裏返しなのだと思い込む」、と言う悪い連鎖が起こっている事が予想されます、残念ながら。

その予想を裏付けるのが最近日本での難民申請者や外国人による性犯罪の供述です。多くが「嫌がっているとは分からなかった」「無理やりではない、合意があった」と供述していて、最初は何だか変な言い訳だなと思っていたのですが、彼らが「日本の女性が言うノーは本気ではないから押し倒して襲ってしまえばいい」と言う情報を植え付けられてしまっていれば、上述のようなとぼけた供述になるのではないかと思います。

日本男性にも一言。「外国のAVは女性が誘っていて興奮しない、多少嫌がるくらいが興奮するんだ」と言う気持ちの悪い、、、いえいえ女性の人権人配慮のないコメントをする男性もいますが、「嫌がる事」と「恥じらう事」は全く違います。嫌がる女性とセックスをすることは婚姻関係に有ろうと、強姦と言う性犯罪です。知識と感覚をアップデートしましょう。

ここまであまりにも暗い話にばかりなってしまったようで申し訳ないですが、しかしこれはオーストラリアや日本国内だけの問題ではなく、世界各国で起こっていることですので、世界規模で対策を考えていきませんか。

日系ネットワークの必要性

先ず被害者を助けるネットワークが必要ではないでしょうか。自国の人間が外国人に対して犯罪を犯しても真剣に捜査してくれる国の方が少ないのは自明の理、特に独裁国や共産圏では。昔ルーマニアで若い女性が強姦後に殺害されましたが、あれが強姦のみであったらルーマニア政府が動いてくれないですよね。

また中国企業に就職した後に性犯罪に遭い、洗脳され、利用されてしまった中国性被害者の某日本人(仮名:山田C) さんが、声を上げています。中国政府は天安門事件でもわかる様に、自国民が被害者となっても(と言うか加害者が、、、、)ですから、自国民による外国人への性犯罪など圧力をかけて握りつぶすのは朝飯前。彼女の苦悩はこちらのツィッターからたどっていただければ。

ここでいつも活動的なフェミニストの皆さんにお願いしたいことがあります!世界中に性被害に遭っている邦人女性がいます、海外及び国内での外国人による性犯罪被害者支援ネットワークの立ち上げる時ですよ。

在外邦人としてもこれはとても良い機会だと思います、多くの国の人は、他国に移住すると同国人によるコミュニティを作りますが、日系人は余り日本人同士で集まらない。おそらく「郷に入っては郷に従え」と言う、移住相手国に同化することを最善とする考えがあるのだろうと思います。それと同時に日本人はそこまで過酷な差別を受けないと言うのもあるのだろうと。コミュニティの団結が強い国々を見てみると、やはり肌の色などで人種差別を受けたり、母国が発展途上国だったりするので経済的に支え合う(起業して同国出身者を雇って同国人への経済支援をして助け合う)などの強いインセンティブがある事が多い。しかし日本人は、母国の経済は今は若干停滞しているとはいえやはり世界第三位のGDPの経済大国ですし、アフリカ系やインドやその周辺国の人たちのような人種差別は経験していないから強い助け合いグループを作る必要に駆られなかったのだろうと。

しかし今は状況が変わっています、日本女性は明らかに狙われています、外国に住む日本人はまとまり、助け合うべき時です。

ツィッターなどでもワーホリ女性の被害者に対し「軽率な若い日本女性のせいで自分たちまで悪評が立って迷惑している!」と言う発言を見て悲しくなります。性被害に遭った人がもしかしたら言葉の問題などで藁をも掴む思いで永住者に助けを求めたとして、その時に「あなたたちのような尻の軽い若い女性のせいで我々も迷惑をしているんです」と説教されたらどれほどのメンタルダメージを受けるでしょうか。日本人は他国と違い仏教や神道などの宗教施設のサポートもありません。ワーキングホリデーや留学生の女性たちは何の装備も身につけないでジャングルに踏み入り、傷ついても助けてくれる人は誰もいない孤立無援の状態です。日本女性は国内でも国外でも狙われているのです。

日本政府にお願いしたいこと

さて、これは民間だけで防げる問題ではありません。日本政府の大使館、領事館を通じての通達は有難いですが、これでは永住者などにしか伝わらず、一番狙われているワーホリ、留学生などの若年層に届いていません。インスタ、ツィッター、フェイスブック等のSNSを通じて拡散をお願いしたい。

又豪州政府との協力も不可欠です。ファームの安全対策に力を入れるように働きかけるべきですがそれだけでは足りません。更には、ファーム内で性犯罪などが起これば、ワーホリの労働証明を出す権利をはく奪するよう、豪州政府に働きかけていただきたい。農業などの事業そのものを停止させることは難しいですが、「豪州政府宛に労働証明を出す」と言う権利は本来優良事業主に与えられるものですから、停止するのは簡単なはず。第一次産業での労働日数にカウントされないファームに行く人は激減するのは必然、結果農家にとっては死活問題となりますから、農場主は必死でファーム内の治安に目を配るようになるでしょう。これで少しは対策になるのではと期待します。

狙われている当事者が出来る事

政府や永住者も新しく来る邦人を守るために努力すべきですが、しかし一番大事なのはやはり本人たちの自衛の意思。先ず、自分たちが狙われているという事を知る事、日本人のノーは弱すぎるので強くはっきりと断る練習を事前にすること、そして情報収集、情報交換をして仲間を作る事ですね。

日本の皆さん、特に若い人にはどんどん海外に出て行ってもらいたいと思いますので、その準備をするお手伝いができればと考えています。是非海外生活を有意義なものとし、楽しんでいただきたいですね。





この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?