おおきくなってあげるよ

ねえ　おかあさん　どうしてわたしはおおきくなってしまうの

しらゆきひめみたいな、ふわふわの、ワンピース

ことしも　なつがきたから、って　きられるって

わくわくして　だしたの　ふわふわのそでに　あおい　リボン

ねえ　きるのがむずかしいの　あたまも　うでも　おなかも、とおりにくい

なんとか　きられたけれど　ぎゅうぎゅう　きゅうくつで　くるしくて　ぬぎたい、ぬぎたい、

なきながら　おかあさんにぬがして、っていったら

もう、大きくなったから、これは着られないね

おかあさん、どうして、わたしはおおきくなってしまうの

そんなに　ても　あしも　おおきくなって　どうするの

あのピンクのくつも　はけない　おひめさまみたいな　かわいい　ワンピースがきられないんじゃ、

わたし、とっても、つまんないよ

ねえ　わたし　ずっとかわいいふくを　ずっときていたいなあ

なんで　ねえ　なんでおおきくなって、しまうの

そんなに、しんちょうが、のびたねえ、たいじゅうが、ふえたねえって　よろこぶの

わたし　わからない

ちいさいときに、みんな、あたまいいこいいこしてくれたじゃない

あれも、さいきん、だれもわたしにしないし

いもうとが　ないたら　おねえちゃん、みてて　って　おかあさん　わたしだって、ちっちゃいよ　なきたいよ

でも、きっとそれは

しかたのないことなのね　そんなに、おたんじょうびがくるたびに

てがたをおしていって　またおおきくなったねって　おかあさんと　おとうさんが　うれしそうなら

それはしかたのないことなのね

しょうがないから、わたし、おおきくなってあげる

かわいいワンピースや、　もうにどと　はけないくつなんかを

わたし、あきらめてあげる

たぶん、もうすこししたら　かわいいふくは　わたし　にあわなくなっちゃうんだけど

そんなによろこぶならわたし、　おおきく、なってあげるよ

#詩

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#成長

#夏