サチ

統合失調症を抱えながら日々生きる。ひとはうまれたときからひとりで、ひとはうまれたときからひとりじゃない。 短歌・小説・詩書きます。

サチ

統合失調症を抱えながら日々生きる。ひとはうまれたときからひとりで、ひとはうまれたときからひとりじゃない。 短歌・小説・詩書きます。

最近の記事

おおきくなってあげるよ

ねえ おかあさん どうしてわたしはおおきくなってしまうの しらゆきひめみたいな、ふわふわの、ワンピース ことしも なつがきたから、って きられるって わくわくして だしたの ふわふわのそでに あおい リボン ねえ きるのがむずかしいの あたまも うでも おなかも、とおりにくい なんとか きられたけれど ぎゅうぎゅう きゅうくつで くるしくて ぬぎたい、ぬぎたい、 なきながら おかあさんにぬがして、っていったら もう、大きくなったから、これは着られないね おかあ

    • 明日、世界が終わるので

      あした、世界がおわるので、 ホールケーキをたべました ちいさいころから憧れていた ホールケーキひとりじめ。 ちょっと気分が悪いけど、あした、世界がおわるので。 あした、世界がおわるので、 壁に絵の具で絵を描きました わたしの好きな青色と その他大勢普通の色 白いとこなど残さずに、色で染めたの私の部屋。 ちょっと目には響くけど、あした、世界がおわるので。 あした、世界がおわるので、 全部のシャツに 好きな刺繍を入れました はじめてなので、不格好 だいすき

      • 夏はすぐそこさ

        新しいきみを 見ていたい テーマなんかないさ ただ跳ぶきみを 眺めてたい 夏はすぐそこだよ サイダー弾けて石鹸溶けた ジンジャー香る お日様近いよ 花が咲いて畳んで咲いて散って、 ああ 季節 今年もめぐる なにがあっても 雨が降って止んで固まって、 なるほど 徐々に 育つね暑さの種 五分袖 半袖 ノースリーブ ジーンズ ワイドボトム ショートパンツ うすくうすく みじかくみじかく 嫌になっちゃうような暑さも 笑っちゃうねまだまだなのに 自由なきみを 見ていたい

        • くもりうみ

          なんで どうして 沈まないために 海は波打つの 重い体 浮かぶなら そこに 嘘はないね なんでだろう 空が 曇った今日だから ここはいつもの顔をしないね 灰色だ 灰色に 沈んで 曇り色 いつだったか 湯船で夢見た 遠い国へ向かう 船 ここは浅瀬 届かないね 夢も遠く 音も遠く 悲しみは、ほら、この手の傍に 君のことも もう忘れた なんで どうして 僕は 何を思っていたっけ 昔のことは 覚えてない     嘘 少しだけ でも少しだけ ああ、やっぱり 届かないね

          大人の皆さんに、お願いがあります。かつて大人の子供だった大人の私より。

          「どれだけ歳をとっても大人になれない人間」が存在するのと同時に、「幼い頃、むしろ生まれた時から大人な人間」は確かに存在する、と私は確信している。それは私だ。 私には0歳の記憶が2,3つばかりある。そこの精神を今に結び付けてひも解くに、私は既にそこから大人の精神を持ち合わせているので、もうこれは生まれた時から大人だった、と決めてもいいと思っているし、 実際そうだと思うのでそういうことにしている。 私はその0歳の頃からすくすく育ち、妹が生まれる3歳半の時、母の産休育休を妹と母

          大人の皆さんに、お願いがあります。かつて大人の子供だった大人の私より。

          さよならの金木犀

          どうしたって生きていれば骨は軋むし 崩れて壊死する思いもある。 理由なんて後付けで なんでもいいから意味があればそれでいいんだろう。 でも これはなに? わたしには、解らない。 そうして 君にも、きっと。 ―金木犀の髪飾り― いつぞや思っていた。 金木犀の花のような髪飾りがあったら、さぞかし可愛いんだろうなって。 だから落ちた花弁を掬い上げて、自分の頭の上に降らせたら、 「ばっちいでしょ!」 誰に言われたかは忘れた。お母さんのようなおばあちゃんのような知

          さよならの金木犀

          バイバイ、大人になったピーターパン

          右の方をよく見ていたらしい。 抱かれ癖がそうだったようだ。 首がどうしてもそちらを向く。 誰か居たのかな。 それとも反対側に誰もいなかったのだろうか。 眠る時も、頭がごろりとそちらを向く。 三十年間生きてきて、ずっとそうだから、今更、変わったりしない。たとえ貴方がつよくつよくお願いしてきても。 星が見たいと散々喚いてきた。 都会はね全然見えないの、って私が言っても、山育ちの貴方は信じてくれなかった。私がすごくすごく少ないのよ、と言っても。 夢に見ていた。星の夢を。本物より

          バイバイ、大人になったピーターパン

          失恋がなんだ。ハートブレイクがなんだ。それより、大事なのは、

          恋愛の裏切りって大した事なくてもどうして好きが強ければ強いほど、相手の事嫌いになるんですかね。 あれさ、あの感じってさ、殊恋愛において裏切られる(フラれる)のほど手のひら返しの気持ちが熱量多い物、他にない気がするのですよ。 それまで「すきすきすき愛してる地の果てまでついていく!」って思ってたのに、ふられた途端に「大嫌い!顔も見たくない!死んでしまえ!」になるのは、 その人にフラれるという事実より大きかったはずの「すきすきすき」がどうしてそんなに覆ってしまうのか。もっと自分の今

          失恋がなんだ。ハートブレイクがなんだ。それより、大事なのは、

          ナツノオト

          ああ、夏が逝ってしまうよ。石鹸の匂いをきつく残しながら、剃刀の鈍い刃で切り取られて逝く。 まだ、私はキミを手中に収めていないのに、するりするりと逃げるばかりで、どうして、キミは捉まえられない。 焼き尽くす、夏。秋が来るならば、まだ、まだ? まだ、夏は続くの? 本当に? 誰が言いきれる? 貴方の潤んだ瞳が、こちらに向くこともなく、夏、キミは行ってしまう。 夏はしたたかで儚い。私を強く睨みつけたかと思えば、あっという間に倒れてしまう。 どうにも熱いこの両手の中に、泣いて

          ナツノオト

          強い女にも、お姫様にもならなくていい。ただ、空気にだけはなるな。

          強い女にも、お姫様にもなれないので、私は至って平凡…より少し劣った女。 強い女にも、お姫様にもなりたいと思えないので、私は日常をたゆたう、平穏な日々を好む、ただの女。 自分が何者なのか、いまだ見定められないのだけれど、平凡より少し劣る女の私が、私は嫌いではないのである。 子供の頃は、そりゃあお姫様願望はあったけれど、自分がそのステージに立てないであろうと早々に悟ったので、強かであろうとした。 でも、やっぱりそんなに強靭な心も体も持ち合せていなかったので、 周りに同化した空気

          強い女にも、お姫様にもならなくていい。ただ、空気にだけはなるな。

          ここ五年くらいで詠んだ短歌たち 砂味の過去 さよなら世界

          (かなしみやくやしさなどがいりまじるすこしかなしいそんなことばだ) たしかこれ一年前に見た君は僕を笑って陽だまりに居た 動かない君の気持ちよわたくしと云うウイルスで苦しめ腫れろ どうしてもあんとき殺しといたらなあ、耳の最果てサイレンひびく。 さよならが人生というのなら、まあ、言ってあげないおはよーハロー どくんど、く、ん、と離れてく我が鼓動。事象統失多少幻聴。 壁越しに咳き込んでるねその人は。私、左手めちゃくちゃ冷たい 紫の夜空に光るあの星の、同じところをふたり

          ここ五年くらいで詠んだ短歌たち 砂味の過去 さよなら世界

          夕暮れラストノート

          青緑色の空がすべてを飲み込み暮れていって でも回りくどけりゃいいってもんじゃないなぁ 「三十億個目の良心が芽を出す頃  テレビ塔からはイカサマな嘘が送り出されて  液晶に移った虚像を今日も思い切り人々は食み  心に大きく開いた穴に詰め込んでいく」 それはそれは 固く閉ざされた扉を 何度も 何度も 叩く時の 力みたいに 強大で 悲しくて 痛すぎる 空ろな連鎖 「…って言ったって、一人が気づいたって、  みんなは斜めに構えるマエナラエしかしないの  前に進みな

          夕暮れラストノート

          あのね。聞いてください。大事な話。貴方の統合失調症、今よりよくなるかも。

          じゆうをいきることをやくそくされたから、それがもうふじゆうのはじまりだった 「何が言いたいかと言うと統合失調症の症状が劇的に改善された話」 色々書きますが、重要なことをまず先に書いておきます。 ・私は15歳の時から統合失調症を発症 ・17歳くらいから強い離人感で苦しむ。陽性離人不安発作(とのちに名前をつけた)が未だに一番辛い ・30歳の時にこのままではいかん、ちょっとでも楽になりたい、とネットで色々検索 わかったことと言えば 【統合失調症では鉄・亜鉛・ビタミンB群が

          あのね。聞いてください。大事な話。貴方の統合失調症、今よりよくなるかも。