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台湾の高齢者(銀髪族)学習システムの充実ぶり

台湾では高齢者の別名は[銀髪族]❗️

私は3カ月ほど前から台湾の[樂齡學習]というグループ活動の仲間に入って一緒に学ばせてもらっています。

まだ、入ったばかりでその活動について十分に把握はできていないのですが、
日本で言う高齢者学級のようなものでしょうか。

誘われるままに、どのような活動かもよく分からないままに見学のつもりで行ってみました。
誘ってくださったのは、私が行っている水彩画教室にボランティアで指導に来てくださる老師です。

老師が講師をしている20数名のメンバーがいる講座があるから見にいらっしゃい、とのことで興味津々で行ってみたのでした。

会場は同じ宜蘭県内の隣町の中学校です。

頭城中学校の中庭
立派な学校の教室が提供されています
エアコンなどの設備も整った教室で
樂齢学習が開かれています


先生以外は知り合いもいないけどとちょっと不安をかかえながら教室に入ってみると、皆さん、「あら、新しい人ね」「日本人?」などととてもフレンドリーに迎えてくれました。
カタコトの日本語や、英語の老師という方は英語で話しかけてくださったりととても明るい賑やかなグループのようです。

その日は20名ほどの方がおられて、
なんと!その中にいつもの水彩画教室で何度か一緒に工作をしたりした友人もいたので、とても心強くなりました。

そこで、その友人にこのグループはどういう集まりなのかを聞いてみると(私が参加しても良いものかどうか気になりつつ😅)、55歳から参加できる宜蘭県の高齢者学習の場とのこと。

このグループは[彩繪頭城]という名称で、国立頭城中学校にある[樂齢學習センター]で計画されている絵を描くことを中心に学び、楽しむコースのようです。


実は、私の家のすぐ近くの小学校でも、樂齢學習と書かれた教室があり、たまに通りがかりに見ると、高齢者が集まって歌を歌っていたり、また違う日には書道をしていたりします。
日本の[高齢者学級]のようなものかな、、私が仲間入りするのは難しいだろうな、などと横目で眺めている感じでした😅


ところがまさか、その樂齢學習の仲間にこんなに簡単に入れてもらえるとは!
特に何の申請書を書くわけでもなく、、。
おおらかに台湾の高齢者の学びグループの仲間入りをさせていただいたのです。

私が参加している樂齢学習は
基本は月2回の決まった曜日の
9時30分から11時30分の2時間。
水彩画の描き方の基本の授業の他、先生が実際に絵を描いて見せてもらってから描く。完成しなかった分は自宅で描いて次回持参して先生に評価してもらう、というスタイルです。

[トップの写真は、色彩の勉強中]

参加費は無料。
会費だけがいくらか必要。
材料代は各自。

持参した作品の評価中


この台湾の[樂齢学習]というのがどのように成り立っているものなのか調べてみました。

台湾政府の教育省(日本の文部科学省)のホームページにそのことが詳しく示されていました。
一部を要約して書き出してみました。



台湾全土に樂齡學習のシステムが網羅されていることや、高齢者学習には
・樂齢學習中心 全国各地に300以上設置されている地域の高齢者の学習センター
・樂齢大學 国内の15の大学と連携した高齢者の学びの場
・高齢自主學習團體 樂齢学習を終えた後の自主団体での活動


など三つの流れがあり、このような学びを通して高齢者が生き生きと社会参加をすることを目指していく、ことなどが示されています。


そして、この高齢者学習のことがとてもよく分かる素晴らしい記事を見つけました。

この中に書かれている内容がとても的を得ていてわかりやすいので、
翻訳されたものからピックアップしてみました↓
ちなみに

この記事の中に出てくる銀髪族とは高齢者のこと。台湾ではふつうにこんな呼び方をするらしい、ユーモアがあって面白いですね❣️



生涯学習の重要性

★高齢化社会で高齢者自身がケアしていかなければならない時代

★グローバル化の流れの中で、生涯学習は現代人の生活の重要な部分となっている

★セルフケアが重要な時代
高齢者の学習意欲を促進し、心身の健康を増進するため、1997年から学校、政府機関、あらゆるレベルの非政府組織が連携して「高齢者教育」を推進してきた。さらに2008年から大学と連携して55歳以上の市民を主体とした「高齢者大学」を設置し、さまざまな生涯学習のチャンネルを創出。

★1997年から台湾の各鎮で高齢者に学習の機会を提供するための組織が作られて、現在では全国で 300 以上の高齢者学習センターが承認されている。
高齢者学習センターは都市部や農村部だけでなく、先住民族や農村部にも設置されており、その割合は全体の3分の1を占めており、高齢者の学習は全国に広がっていると言え、地域社会の高齢者は平等な教育を受けることができる。

★学習後に高齢者が自習サービスグル​​ープを結成することを奨励する。


★現在、国立高齢者学習センターには1万人近いボランティアがおり、そのうち6,000人以上が55歳以上であり、高齢者は自ら奉仕し、貢献することで、「高齢者は役に立たない」という従来の高齢者の固定観念を打ち破ることができる。 「高齢者は高齢者に奉仕する」というポジティブなエネルギーは、実践的な奉仕活動に変換され、自尊心を求め、社会に積極的に参加し、高齢者の自信をより効果的に向上させる。
(実際に、台湾ではボランティアのベストを着て、病院や衛生所などなどいろんなところで活動している地域のお年寄りをよく目にします。
ボランティア精神が旺盛だなぁと感じています)

★55 歳以上の高齢者は、退職前に充実したライフプランを立て、生涯学習の概念を養い、「楽しく学び、年齢を忘れる」という「高齢者学習」の概念を積極的に取り入れることが推奨される。老後の生活をより豊かで素晴らしいものにする。



この記事の中に出ている
次の文章はこの国らしいとても楽しい捉え方だと思いました。

中国語ではお年寄りのことを[老年(ラオネェン)]と言います。
樂齢学習の推進する「老年」とは、「楽しく学び、楽しく年齢を忘れる」という意味で、高齢者が学びを通じて自分の年齢を忘れることが期待されています。
これは孔子の「怒っているときは食べることを忘れ、嬉しいときは心配することを忘れ、老いが来ることを知らない」という人生観とも一致します。
「老年」の発音は英語の「Learning」の同音異義語でもあり、これも高齢者の生きて学ぶ生涯学習の精神を奨励しています。



そして、この台湾の高齢者学習の素晴らしいところは、対象年齢を55歳以上としているところではないでしょうか❗️


退職前に後の人生のことを学ぶ機会があるのはなんと素晴らしいことでしょう!


退職を前に、地域の樂齢学習や高齢者大学で地域社会の人たちに混じっていろんな学びが出来ることは、その後の生活に大いに参考になるのではないでしょうか。

まだまだバリバリの働き盛りの活力ある人たちが高齢者の仲間に入っているのは、活動全体が元気なものとなることは間違いありません。

実際、私が仲間入りさせてもらった頭白彩繪のリーダーはとても若いです。
私の水彩画教室の友人も「あなたはもう55歳なの?」と尋ねたほど、
若いメンバーもたくさん混じっています。

先日の学習は、みんなで冩生(写生)会でした。
海辺の公園に現地集合、ランチは各自用意とのこと、私は様子もよく分からないままの参加でした。

当日会場に行ってみると、公園にあるあづま屋の中央のテーブルには
ご馳走の山‼️

冩生会は美味しいものの持ち寄りランチパーティーでもあったのです!
食べること大好きな台湾の人たちの楽しみ方がそこにもありました!

冩生会場の公園近くに自宅のあるメンバーからは、台湾の炒めビーフン(これがとても美味しい❗️)と目の前の海で採れたテングサそしてこれまた台湾特産のパッションフルーツが入った手作りゼリーが振る舞われました!

そしてみんなが持ち寄ったお菓子やフルーツなどなど。

台湾に来て食べたビーフンの中で
一番美味しい!と思った。

冩生の始まる前におやつタイム。
写生の後は美味しいランチ。
そしてその後はみんなで歌ったりと
賑やかな懇親会でした!

素晴らしい木陰や
石のテーブルと
最高の写生場所
シンボルの亀山島を望む


冩生会で出来上がった作品を持って
記念写真!


台湾は8月が締めくくりのようで、8月の中頃には、県の教育局から視察もあるとのこと。

各自、試作の作品を1点、きちんと額縁に入れて出すことになっています。

そしてその時も各自持ち寄りのお茶会も計画されています。
きっと賑やかな集まりになることでしょう。

そして、このグループは自主活動グループとして今後も

国立頭城中学校のセンターを活動拠点にして続くことになっています。

台湾の高齢者学習の恩恵にも預かり感謝感謝です❣️

私も何か台湾に貢献できるでしょうか💦

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