【連載8】私の学校物語
【昭和、平成、令和の3時代を駆け抜けた私の学校物語】
1988年(昭和63年)冬
臨時的採用期間は女子生徒とうまくいかなかった。
授業でのおしゃべりがやまない。
立ち歩きも続く。
同じ教科の大先輩先生から呼ばれた。
おそらく生徒が私への不満を伝えたのだと思う。
先生から言われたことで、はっきり覚えているのは
「私が範読の時に漢字の読み違いをしたこと」
一度も授業をしたことのない23歳のひよっこ国語科教員。いや、ひよこにもなってない!卵にもなってない教員。教科書もろくに読めないんだもの。反抗して当たり前。
そこから教材研究を丁寧にやるようになった。
放課後の教室で範読の練習もした。声がすみずみで通るように。
板書の練習もした。
そして反抗していた生徒に私から声をかけコミュニケーションをとるようにした。
どんな曲を聴くのか
どんな雑誌を読むのか
などなど…
彼女たちの話をたくさん聞いた。
半年の採用期間が終わる頃には、その生徒たちとも穏やかに話せるようになった。
もちろん授業力はまだまだだったけれど。
でもあの半年で「洗礼」を受けたことは本当によかった。
以後、どんなに荒れた学校に赴任しても授業が大崩壊することはなく、女子生徒と決裂することもなかった。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?