サチコチャン

日常か非日常か

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日常か非日常か

最近の記事

④カフェ

今日は昨日に比べて少し、寒い。 コーヒーでも飲もうか。 そう思って近くのカフェを探す。 検索結果の一番上に出てきたカフェにする。 店の評価はさほど高くないが、とにかくこの肌寒さから逃げたかった。 目的地に着いた。店内は空いていた。 席に案内され、コーヒーを注文する。 見るからに若い店員が手書きで控え、奥に消えた。 机の端に置かれた砂糖に目をやる。 ――砂糖を二杯入れなきゃ飲めないんだ そう言ってほほ笑んだあなたが愛おしかった。 子供だね、なんて二人で笑い

    • ③泡

      人はどの瞬間に“限界”を感じるのだろう。 私は今、“限界”なのだろうか。 確かに行き詰まっては、いる。 上司には毎日のように怒られるし、彼氏ともうまくいっていない。 おまけに友達とも喧嘩してしまい、LINEも途絶えている。 好きなことを仕事にしたはずなのに。幸せだったはずなのに。 どこで間違えたんだろう。 こないだまでできてたことが急にできなくなった。 それはまるで、コップの水が溢れたように。 水がいっぱいになっていたなんて気づかなかった。 静かに、しかし

      • ②イヤフォン

        「今日はこの曲にしよう」 一日の始まりは、好きな曲がいい。 好きなアーティストばかり詰まった、私だけのオリジナルアルバムから今の気分で選曲する。 それが片想いを女目線で綴ったこの曲だ。 ・・・そう、まさに今の私の心情とリンクする曲。 デートの待ち合わせ場所に向かう足が少し早くなる。 街ゆく人たちのイヤフォンの中では、その人の世界ができていると思う。 たとえ同じ曲が流れていようと、それぞれの世界は違うものになる。 歌詞の意味を考える人や、自分の思い出を重ねる人、

        • ①反比例

          別れがあるから、出会いがある――― なんて誰が言い出したんだろう。 今の私にその言葉は響かず、降り出した雨が涙と比例して 強まっている。 「君は何も悪くないよ。すべて僕のせいだ」 ついさっき言われた言葉を思い出す。 言われた時にはショックと動揺で取り乱していたが、 浮気したのは向こうなのだから私は悪くない。 わかってはいても、浮気によって私という存在が否定された気がして悔しかった。 ああ、そうか。これは悔し涙なのか。 涙の意味を自己解決していると、どこかか