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特別支援を受けるにあたって、園側に大切なこと。

こんにちは!

アメリカで幼児特別支援教員として働いています。

今までに、支援クラスの担任やインクルージョンクラスも担当しましたが、現在はソーシャルスキルにフォーカスした役回りで、小人数制のプレイグループを担当し、同時に外回りもやっていますので、色んなプリスクールを実際に訪問して先生たちのお話を聞くこともできます。

色んなプリスクールを訪問して感じるのは、どこのプリスクールも困っていること。困っているからこそ、私みたいな支援教員が呼ばれるのですが、実際にその支援が必要な子供と毎日関わるのは、現場の先生やエイドたちなのです。私が出来ることは、実際のクラスの流れを見学させてもらい、必要なサポートのプランを練ること。そしてどうサポートをしていくか先生たちにお伝えすること。

本来は、先生たちをトレーニングするような役回りなのですが、敢えてそうは言ってない理由として、先生たちが忙しすぎて、トレーニングと呼べるほどの時間を割いてもらえないからです。ほぼ立ち話で、先生たちの目も子供たちに向けられたままの会話なので、要点をメモに残してもらってる訳でもなく、聞いたことを覚えている範囲で実践されているという感じで、その実践も長く続けばいい方です。日々の保育に追われ、私が作った視覚支援のためのスケジュールや絵カードも、いつの間にかなくなってるなんてこと日常茶飯事。私が訪問した際にどこにあるか聞いたら、慌てて探してくれるって感じで、明らかに普段は使われていないのが見えて、こちらとしてもガッカリすることが多々あります。

とは言っても、私も元々プリスクールの先生をやっていた身なので、先生たちの状況はよく理解できます。教材の準備の時間すら、まとまって取れないのが現状だと思うので、その上一人の子供のための支援方法のトレーニングに時間など割いてられないのが、プリスクール側の実情だと思います。この点も、最初にサービスプランを練るアセスメントチームにも何度も伝えていますが、安易に『コンサルテーション』をサービスに加えるのですよね。それでとりあえず保護者の方も安心されるので。

元々プリスクールや支援クラスの教員であった私的には、『こうして欲しい!!』という要望があるのですが、なかなか上手く実践してもらえない歯痒さもあります。例えば、私が去年作った、サークルタイムのルールが絵と共に書き記されてラミネートされたポスターを、今年もそのまま貼り出してくれているプリスクールがあるのですが、サークルタイムの間、先生は一度たりとも使いませんでした。貼り付けてるだけではダメなんです。何なら、貼り付けてはいけません!?私のやり方ですが、そのポスターを、ぐるーっと全員に見せないと意味がないのです。壁に貼り付けてあったら、そこを見る子は見るし、見ない子は見ない。で、また『こっちを見なさい』と指示を入れなければならなくなります。なので、私は貼り付けません。先生が手に持ってぐるーっと全員によく見えるようにゆっくり動かしたら、ほとんどの子供は注目します。絵本を読む時も然り。そして私は1つずつルールを読み上げ、チェックマークを入れていきます。クラスの状態にもよりますが、読み上げずに歌う場合もあります。適当な歌ですが(汗)

Is everybody sitting, sitting, sitting? (チェック!って言いながらチェックマークを入れます)
Is everybody looking, looking, lookin? (チェック!)
Is everybody listening, listening, listening? (チェック!)
Is everybody quiet, quiet, quiet? (チェック!)

的な歌です。これが結構効果的で、私は自分のサークルタイム中に『静かにしなさ〜い!』とか『聞いて〜!』となったことないです。もちろん、途中で『聞く』『静かにする』『待つ』といった絵カードは使いますが。幼児の脳と音楽・歌に関しては、また別の機会でお話ししたいと思いますが、とても効果的です。私はいつでも歌ってます(適当な歌です!!)。

ということを、園側にEメールでお伝えしてもいいのですが、どこまで伝わるか分からないですし、読んでもらえるかも分かりません。Eメールをチェックする時間すら与えてもらっているか怪しいところです。やはり実際にお話しするなり、デモンストレーションするのが一番効果的だと思います。例えば、以前、プレイグループを実際に訪問先でやることになり、それに随分渋っていたディレクターさんが、『少人数は受け入れられないけれど、クラス全員参加できるなら』と承諾され、結局プレイグループと言うよりは、クラス全体のサークルタイム状態になったことがあります。しかし、そのディレクターさんが、一度私のプレイグループを見られてから、『先生たちのトレーニングに使いたいので、動画を撮らせて下さい』とおっしゃって、毎週動画を撮られました。毎週というのはちょっと困りものでしたが、本当に活用してくださっているなら、本来はそうあるべき形かと思い、毎週撮影されていました。

新しいことを受け入れるのは簡単なことではありません。しかも、外部からよく分からない人(私のような!)がやって来て、あれこれ見直して欲しい点を上げられると、自分たちが今までやって来たことが正しくなかったように感じられると思います。私も私のやり方が100%誰にでも合っているという自信はありませんが、色々試してみるのが特別支援だと思っています。数打ちゃ当たるじゃないですけど、必ず上手くいく方法があるのです。それも、外部から来た人が第3者として見てみることで分かる改善点って案外あるもんなのです。正しい正しくないではなく、もっといい方法がある!と捉えていただけたら、支援児だけでなく、みんなが楽しく学べる場になっていくと思っています。


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