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ジムとムーワン

連日の雨で、北部のチェンマイや東北のイサーンの洪水の影響がバンコクにまで及んでいるそうです。
雨季のラストが、一番雨量が多く、降り方も稲光もまあ派手なのです。
今月末には乾季に入ると聞きました。そろそろタイ旅行のベストシーズンですよ♪

タイ生まれタイ育ち17歳のムーワン、数年前まではジャンキーというジャンキーFOODを食べつくし、KFCとCM契約できそうな頻度で食べて太っておりました。ムーワンとは本名ではなく、タイ語のあだ名で、豚(正確には甘い豚)という命名に恥じない生き様を提供しておりました。

ところが、今や、誰かわからないくらい短期間で痩せたのですが、理由は簡単で、お年頃だから♡

で、

朝は私より早く6時に起床し、部屋を綺麗に整えたのちに、15分ほどウォーキングに行く習慣ができて早くも1年経過。

この日も、ウォーキングと思いきや、2時間経過しても帰ってきません。
学校に行く時間もとうに過ぎ、さすがに心配になった、さっちい。

部屋着のまんま、近所を探しに行くも、見つからず、
携帯を鳴らしても、電源オフです。

ここは、何と言っても海外で、私とムーワンは単なる謎の外国人でしかない。アウェイです。こんな時、本当にゾッとします。

「やばいな、事件に巻き込まれた?」と即座に嫌な想像しかできないのは仕方のないことです。

本格的に、周囲の人に助けを頼もうとしたその時、目の前にジムが見えました。

「まさか、このジムに行ってる訳はないわ・・。」

と思いつつも、念のために

筋肉ムキムキ、アベンジャーズみたいな男性達が汗を流す、そのジムの扉を開けたさっちい。

「誰やお前?」

みたいな視線を浴びつつ、

ジムの最も奥の鏡に目をやった瞬間、

飛び込んできたのは、自分の筋肉にウットリ見惚れているムーワンの姿でした。


ズッコケたよね。

関西人のさっちいの心の中は、吉本新喜劇の座長スチコよりも転んだよね。



「も〜〜〜!!探したのに!」って私の叫び声も全く聞こえていない。

イヤホンで音楽聴きながら、ずっと鏡を見ておる。


鏡ごしに私に気づき、満面の微笑みで振り返るムーワン。

「コイツには負けたわ。」とすごすごと、スチコさっちいは帰宅しました。


数十分後、私の心配をよそに、悠々帰宅し、ジムの話を始めるムーワン。


「めちゃくちゃ楽しいんだよ、あのねあのね、背の高い西洋人がいたでしょ?あの人ね、ずっと一人でソワソワしてんの。
でね、しばらくしたら、ごっつい身体のパーソナルトレーナーのタイ人のお兄さんが入ってきたんだよね、そしたらね、彼、ぴょんぴょん飛び上がって迎えに行ってね、そんで、筋トレ始まったの。
多分ね、このタイ人のお兄さんのこと好きなんだよね、
真っ赤な顔で、きゃ〜〜♡ってなりながら、重量トレーニングしてんの。
むちゃくちゃ可愛くない? ぼく、ずっとそれ見てたんだよ。」

「手前の方に陣取ってたアラブ系の人たちはね、やってるフリだけなんだよ。ずっと喋ってるの。携帯で。」

「皆んなめっちゃ面白いから、最近毎朝ジム行ってんの。」

「あのね、日本人はね、一番真面目。絶対に、黙々とマシンで走ってるよ。」


と延々と喋る。


「あのさムーワン、あんなムキムキだらけの空間によく行けるね。」

と、からかったんだけど

「あの人達に囲まれてると、ウットリ鏡見るのが当たり前なんだよ。皆んな自分しか見てないからね。」

と切り返されました。


また、さっちいの負け。


あのジムで仕上がるムーワンをご期待ください。


ではでは





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