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家族☆俳句

久しぶりに祖父母の家へ行ってみたら、
杉の木が生えていた。

・・・?

庭の隅だったからか、昔は気にも留めていなかったけれど、
今はその高さに呆然としてしまった。

実家で父に聞いてみると、

「たぶん親父がオレが家を建てる時の為に植えたんやろう」と。

現実には母の実家の敷地に家を建て、
その事を父は祖父母に言えないまま時は過ぎ、
そのまま祖父母は亡くなった。

何でもかんでも話すことが良い事ではないと、
大人になった私にも分かる。
殊に、「終わったこと」に関してだけは。
きっと許しくれるかもしれない、理解してくれるかもしれない。
あるいは寄り添ってくれるかもしれない。
それでも相手が悲しむようなことを話すのは、
自分が楽になりたいだけ、というのが私の持論。
というよりも昔、母と同じ年齢の会社の先輩に教えてもらったことだ。
どうしても話したいのなら、全く関係ない、さらに信頼できる相手であれば、なお良し。
私の場合、その中の一人に兄のお嫁さんがいる。
義理のお姉さん。

初めて会ったのは実家。
兄は家が建つ前にはすでに社宅暮らしだったので、
新居の兄の部屋にはエアコンがついておらず、
バンドの練習やライブで時々帰ってきて使う程度。
その日も兄がバンド関連でちょっとでかけるから
「さっちゃんの部屋使わせたって」と頼まれた。
私の部屋はデスクとオーディオ、パキラくらいしかないので、
座布団を持ってきて、ファッション雑誌をいくつか出し、自分がいたら気を遣うだろうから部屋を出て、リビングで過ごした。
あ、麦茶を出しに行ったかな。

その後も兄のライブの度に打ち上げで一緒にいることが多かった。

お互い兄に内緒で、仕事帰りに駅で待ち合わせをして、
ご飯を食べに行ったことも。
この時、この人はきっと前世ではお姉さんだったに違いない!と確信するほど、何か通じるものがあった。
ちなみに前世をみてもらった事は一度も無い。

結婚して兄が建てた新居に呼んでくれたのもお義姉さん。
実家の中で私だけが兄の新居に行ったことがあり、
父は「さちが知っていてくれたらそれでいい」と言った。

家族の中で唯一、兄と繋がっているのが私で、さらに兄よりも仲が良いのがこのお義姉さんなのである。

そして子どもができると、兄抜きで実家に孫を見せに遊びに来てくれる。
もちろん誘い合わせて私も子どもたちをつれていくので、いとこ同士で遊ばせられる。
お義姉さんにはもう本当に、尊敬と感謝の念しかない。

そしてそのうち兄も少しずつ実家に顔を出すようになった。
今年のお正月には、独学で数年かけて簿記の1級をとった話を聞いて、度肝を抜かれた。普段、のほほんと「何でも良い方に考える」私もこの時ばかりは、私の為に大学を諦めてくれた兄に対して申し訳なく感じた。

さて、祖父母の家について書こうと思ったら結構な量になったので、
またいつか(笑)。
とにかく、私たち三兄妹が三兄妹たる所以を、そして「家族」を感じる出来事の数々でした。

歳を重ねるにつれ、家族に対して(もちろん実家だけでなく、結婚して今の家族にも)、感謝することが本当に増えた。

誰もが完璧じゃなくて、それぞれ得手不得手を持ち寄って補い合う。
それが私にとっての家族。(ここで音楽流れそう(笑))

祖父植ゑし杉をべたる焚火かな

月石 幸

月刊俳句界 8月号 題詠「火」
高橋将夫先生 選 佳作

げんげ田やそろばん教室の平屋

月石 幸

月刊俳句界 8月号 自由詠
角川春樹先生 選 佳作
西池冬扇先生 選 佳作

順番を待つかの如く椿落つ

月石 幸

角川俳句 8月号 令和俳壇
朝妻力先生 選 佳作


俳句誌にも投句始めました♪
この通り、身近な出来事・幼い日の思い出を俳句にしています。

おっと!大事なことを忘れていました。
毎月投句している「俳句ポスト365」
中級の「並」に何とか滑り込んでいましたが

百千鳥そつぽ向きたる風見鶏 4月「百千鳥ももちどり

あたたかやじぶんでつめをきつてみる 5月「暖か」

鏡台の薔薇ゆるやかに傾けり 6月「薔薇」

俳句ポスト365 俳号:月石 幸

7月発表「蝸牛」で
初めて「佳作」をいただくことが出来ました♪

手芸部の幽霊部員かたつむり

月石 幸

この句、かなり色んなタイプの鑑賞をいただきました。

じつは、わりとおもしろ句のつもりでした(笑)。

カタツムリって雨の日に見るけれど、晴れの日はどこにいるんだろう?と調べてみたら、隠れてるらしいんですよ。葉の裏とか地面の中とか、石の下とかに。目玉と歌われているところは実際見えているわけではなくて、光を感知して、明るかったら隠れる。暗くなったら出てくる。というふうに天敵から身を守っているそうです。
そこを踏まえて、発想を飛ばし、
小学校の頃だったか、姉が読んでいた少女漫画に出てくるカッコいい生徒会長が人気者で、いろんな部活動に誘われてめちゃくちゃたくさん所属しているという設定だったのですが、
晴れの日は花の野球部とかサッカー部にいるんですが、雨の日は普段幽霊部員になっている手芸部に顔を出しているんじゃないかなと(野球部だったら雨は筋トレか!(笑))。そんなことを想像してイヒヒと作りました♪

鑑賞していただいた方はどれも、もっと繊細なもので本当にびっくりしました。

「読み手」の経験や知識、心の引き出しの多さ、そこが本当に鑑賞に大きく響いてくるなぁと改めて感じました。
そしてそれによってまた、こちらも新たな気付きをいただける。

noteもだいたい、書き手が読み手でもありますね。

いつも気付きをいただいています♪
ありがとうございます♪

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