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コツコツ俳句☆切れ字「かな」⑤

今回もコツコツ課題をこなしていきます♪


【課題6】型その3
上五 中七 季語(名詞)かな
*この配合も二物衝撃であること

(例句)
傘もつ手つめたくなりし牡丹かな 富安風生
オムレツが上手に焼けて落葉かな 草間時彦
帯解きてつかれいでたる蛍かな 久保田万太郎

「新版20週俳句入門」藤田湘子


この課題に取り組むにあたって、切れ字「かな」を下五に使うのに
二物衝撃??と戸惑いました(笑)。
例句の三つめは「つかれいでたる」が「蛍」にかかっちゃってるけれど、確かに二物衝撃・・・。このあたりの感覚は初心者の鑑賞不足か。
「??」と思いつつ、時間が経って読めば読むほど味わい深い句です。
「この配合も二物衝撃であること」はつまり、ここまで学んできたことから察するに、「下五が季語(切れ字)」であるからという理由。

①新しき楽譜買ひたる小春かな 

季語:小春


②お揃いのコップ探せり冬至かな

季語:冬至


正直、「小春」や「冬至」といった大きめの季語に逃げています(笑)。


□□□

型その3 応用1
基本型のように画然とした二物衝撃的な使われ方はちかごろ少なくなって、むしろ、一物俳句的な作り方で下五におかれることが多くなりつつある。

(例句)
はなびらの欠けて久しき野菊かな 後藤夜半

「新版20週俳句入門」藤田湘子


「ああ、良かったよ・・・」とここで油断(笑)したくなるのだけれど、地味に難しいのが『けっして季語を説明しない』ということ。この本で湘子先生が口を酸っぱくして何度も生徒さんに注意されています。
季語そのものを詠む「一物俳句」と「季語(~だから)○○」という説明的な句とは全く違ったものということ。


③剥き方のそれぞれ違う蜜柑かな

季語:蜜柑


④持ち主の名前書きたるカイロかな

季語:カイロ


□□□

型その3 応用2
また、三音を超えて五音・六音といった長い季語に「かな」がつくと、中七から下五へ句またがりでおかれることが定着している。

(例句)
いつしかに失せゆく針の供養かな 松本たかし (季語:針の供養)

「新版20週俳句入門」藤田湘子


⑤山里の空き家にも木守柿かな

季語:木守柿


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このほか、季語ではない名詞についた場合や、名詞以外についた場合など
(例句)
鳥のうち鷹に生まれし汝かな 橋本鶏二
うぐひすに人は落ち目が大事かな 久保田万太郎
牡丹雪その夜の妻のにおふかな 石田波郷

「新版20週俳句入門」藤田湘子


⑥柚子の皮煮たりて過ごす休暇かな

季語:柚子(秋)


☆☆☆

今回は6句です。

課題に気を取られて「つまらない句」になっていないかどうか、
よろしくお願いします!


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