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男女共同参画基本計画案の「選択的夫婦別姓」表記が消えていく過程と発言者が記された文書

12月末に閣議決定された第5次男女共同参画基本計画で、当初の政府原案には記載されていた「選択的夫婦別姓」の記載が自民党の一部の抵抗勢力によってどんどん表記が後退していき、最終的にはこの記載自体が削除されたことに逆上して、かなり敵意に満ちた開示請求をしていました。

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これについての開示決定通知がきて、sabumasa史上最多となる506枚が開示されることになりました。が、詳細を見ると、残念ながら知りたかった「反対意見を示した国会議員の氏名やその意見の具体的な内容」が分かる部分については、きっちり不開示(黒塗り)の対応がされているようです。
実質有名無実なものになっているであろう文書に対して、これを開示させるべきかどうか悩んでいます。

選択的夫婦別姓を阻む者は?/開示決定通知tri


会議議事録はあるが、肝心な部分はもれなく黒塗り

開示請求にあたっての文言では名指しこそしていませんが、もし文書が出て来たあかつきには反対派の名前を晒してやる!とものすごい意気込みだったので、届いた開示文書リストに「自民党内閣第一部会・女性活躍推進特別委員会合同会議」の議事メモが入っているのを見て、これで全部つまびらかに!!!と、それこそ目が星になってる絵文字のような顔になっていたのではないかと思います(笑)

▼開示文書リスト

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12月16日の東京新聞の<政府、「選択的夫婦別姓」の文言を削除 自民慎重派に配慮、原案から大幅後退>という記事に、自民党の会議を経て政府原案がどう後退していったのかが分かりやすく図になっていたので、画像を拝借しますが、

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上の開示文書リストを見ると、政府案を受けて12月4日、8日、10日の3度にわたり会議が開かれていたことが分かりますが、その結果この図のような恐ろしい後退ぶりを見せてしまた過程が記された重要な議事メモだと思います。

ところが、紙をめくり、不開示部分の一覧とその理由を見て愕然・・・
その議事メモは「内容中、発言した国会議員の氏名及び発言内容」が不開示箇所と記載されていました。

▼不開示とした部分及びその理由(2枚)

黒塗り箇所1tri

黒塗り箇所2tri

不開示とした理由は、「当該会議は非公開を前提としたものであり、発言した国会議員の氏名及び発言内容を公にすると、今後、政府の非公開の会議において・・・云々」というものだそうです。
この下に続く様々な資料も同様に黒塗り連発のようで、どれぐらいの内容に濃度があるのかイメージができなかったので、内閣府に問い合わせ、「最初の挨拶などにあたる部分は全文あるが、議題に入った途端黒塗りだらけになって内容はほとんど分からない感じですか?」と聞いてみたら、そういう感じで間違いないそうです。

そして②にある膨大な文書も、見解や意見にあたるものは黒塗りされているそうで、つまり、開示に踏み切ったところで手に入れられるのは、実質、男女共同参画基本計画案が修正されていく過程の文書(とその差異比較とか)ぐらいのものであろうということが分かりました。

議事メモは男女共同参画局には確かに残されているのに、我々には肝心の中身を知ることができない・・・これほどはがゆいことはありません。

そして、これが例えば10枚20枚レベルであればそれでも開示してみようと思えるのですが、全506枚の文書をCDRに焼いてもらう場合の費用は6,520円となり、さすがに物は試しにというノリで出せる額ではありません。

ということでこれを受け取ってからずっと迷っているのですが、開示申し込みのデッドラインはもう少し先なので、ひとまず結論は先送りにして、先にこの文書の存在を先に表に出すことにしました。


どこかズレているように見える

かつての総理大臣である森喜朗氏の女性差別発言からオリパラ組織委員会会長の辞任以降、自民党内では妙に女性に関わる動きが頻発しているように見えます。


一方で、このような動きが男女共同参画を意識している雰囲気をちらつかせることによりイメージアップを目論んでいるようにしか見えないし、こういう時だけ都合よく女性を矢面に立たせてはいないか?とも思うのです。
(とはいえ、なんといっても女性議員には発言権なく、「どういう議論がされているか、それをご覧に入れよう」だそうですから、とことんズレてますけどね・・失笑)


一部の意見が長期方針に悪影響を及ぼす

報道によると、「選択的夫婦別姓」について、政府は前向きな記述を望んでいたようですが、自民党内で選択的夫婦別姓制度について賛成派と慎重派が対立。公明党も制度導入に前向きであるそうで、つまり自民党内の一部の議員が強硬的に反対したという構図であると言えるのでしょう。

これに反対しているのは男性議員だけではないようですが、この制度に大きく関わる20~30代への調査の多くで半数以上が賛成の回答をする中で、ごく一部の意見の影響で5年間という長期に渡る基本的方針や取り組みが後退されられてしまってはたまったものではありません。


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