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味噌、辛みそ追加で一つ!

私と我が友人は帰宅途中の車内で猛烈に反省をしていた。
「我々の求める味はやはりここだった!!!!」

久々に平日昼に休みがあったので(最近失恋した)友人Hと昼飯と温泉に行った。しばらく休業していた温泉が復活したとのことで、久方ぶりに入浴。その極楽ぶりにのぼせ上っていると、唐突に猛烈に学生時代に足繫く通っていた、大学近くの味噌ラーメン屋の味が脳内を支配しだした。こうなったら口がそうなるもん、食べるしかないじゃない。

「え、今更あの店?」感を生暖かい目で訴えて来る(最近失恋した)友人を説得しお店に到着。ドアを開けるといつもの店員さん。余談ではあるが、この店は元々喫煙だったのだが、私も所属していた軽音楽部の偉大なる先輩方が煙草を吸い過ぎたために禁煙 (⇒外に灰皿設置) になったという経緯がある。その恨みからか、店主のおっちゃんに「ライター貸して」というとガスバーナーを渡される。ご想像に難くないと思うが、一瞬で1/3が灰と化す。

さて、「味噌、辛みそ追加で」と懐かしのフレーズを伝え、私はラーメンの到着を待つ。「はぁいお待たせ」の言葉と共に目の前に現れる。すする。

次の瞬間は私の体内は2022年最大の幸福に満たされた。学生に優しい低価格とお口に優しい味噌の風味。そしてピリッと刺激をくれる辛みそ、あぁ!!!うめぇ!!!卒業と同時に自分の車を得てからというもの、冒険心と好奇心の赴くまま、なんとなく少し遠めの店とか、行ったことない店へばかり足を運んでいたが、我々の求める味はやはりここだった!!我々を育て支えてくれていたのはこの味だ!

しっかりと替玉をたのみ、スープまで完飲しお会計をする。学生時代は無料だった替玉にしっかりと百円を払う。「あれ、あんたらもう卒業したんかいな」と優しく言いつつしっかり替玉分の100円を回収するおばちゃんに「近いうちにまた来ますわ~」と言って店を出る。

何時もは歩いて大学へ帰っていた道を車でさっそうと帰る。一昨日まで吹雪いていたこの街も突然春の風に包まれている。「我々はこの1年で大きく変化し、いろんなものを気づかぬうちに失っていたのかもしれぬな」と友人と語らう。気づけば社会人1年目が終わりを迎えようとしてる。

私個人は、春からまた新たな道のりである。時折、自分の居場所を再確認するためにもこの店には定期的に来よう。そんな春の訪れ。

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