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徒然雑記(2022.01.20)

 車を走らせる。今日は朝からボタ雪が降っている。年も明けてはや20日が経とうとしている。先日の新聞の文化面にデカデカと高校の同級生が載っていた。高校生の頃から追いかけていた夢が一つ叶ったらしい。とは言え、彼にとってはスタートラインにやっと立てたという心地だろう。彼の職業が同じ"表現"を生業にするものであったのもあり、素直に喜べない気持ちが先行してしまった。負けたくない。

 クリエイティブな仕事をしている人は一体なにをもって「職業」とみなすのか。少なくとも大学、ましてや高校と言った学校空間では「職業」として存在しないものとして扱われているような気がする。高校時代の二者面談で「音楽とかやりたいんですよねぇ…」とそれなく伝えてみたら愛想笑いしかしなかった先生。就活サイトでいくら検索しても「バンドマン」とか「小説家」とかは出てこない。けど、たとえそこに急に応援されたり、掲載があったとしても「そんなもんに頼ってちまうなんて邪道だ!」と喚き散らかしている自分の姿が想像できるので自分も素直じゃないなと思う。厄介なものである。自分で自分のやりたいことを衝き進めたい!というエゴと、そんな自分を早く認めて!というエゴに支配され自己嫌悪に陥るだけなら意味ないのに。

 気づけば24歳の扉が目前に迫っている。

 何を持って自己を認め、アイデンティティという柱が隆起するのか。

 否、何を持って己が己だと認められたいのか。

 最近そんな事ばかり考えている。
バンドをざっと4年間続けてきたが、解散することになった。順調に走っていたと思っていた線路は気づけばどこかで選択肢を誤り行き止まりに向かって走っていたようだ。ここ最近の活動が心地よかったのが「ネプリーグ」の最後に出て来るトロッコの様だなと感じた。あのトロッコ、2択間違えて転落する前ちょっと長く走るよね、それは気持ちよく。

 この4年間は俺なりに色々と頑張ったと思う。得たものより犠牲にしたものの方が多いかもしれぬ。恋人や大学の部活活動、友人らとの関係よりもバンド活動を優先したことも数知れぬ。そんな俺に今でも付き合ってくれてる友人達には感謝しかない。その時その判断をした自分に対して、今の自分が情けない姿を見せてしまっていることだけが心残りだ。

 小さな、それは小さな街で生まれたバンドは、我ながら割と成長したと思う。少なくとも、今、上空の雲が雪を降らしている地域では覇権を取ったと思う。それは自信になっていたのか、驕りになっていたのか、、、いや、そんなことを考えるのはやめよう。ガムシャラに走っていた自分に自慢できるならそれはそれでいいじゃないか。結果は伴わなかったけど、許してくれ。

 国道をいつもよりゆっくりに走らせていると隣町に来ていた。雪道よりも気づかず凍っている道の方が怖いので、タイヤを走らせる場所を慎重に見極めねばならぬ。静かに車を降り新しい空気を吸う。気づけば雪はやんでいた。

 

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