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子どもたちと作るシュウマイと、リーダーに必要なこと

大学時代に、4年間、某ファーストフード店でバイトをしていた。手厚い研修制度という、うたい文句に惹かれ、他に検討しないうちに受かってしまった。

そこからは、持ち前の真面目さを発揮し、大学以外の時間はほぼバイトに励んだ。
マネージャーまで上がるのに時間はかからなかった。

ここからが、超絶な壁だった。

マネージャーになると、責任者を代理する時間がでてくる。キッチンからカウンターまで全体をみてシフトを回す、マルチタスクだ。

何度もやっても上手く回すことができず、怒られる日々。
結局は嫌になって辞めてしまった。



そんなことを、今日、子供たちとシュウマイを作りながら思い出した。
小1の長男と年少の次女が「ご飯手伝うよー」と言われると、むげにできない。
あーという気持ちをもちつつ、ありがとうと伝える。

まずは、時計をみるのを諦めた。
今日は時間通りには進まないことだけは確定している。
ここで、焦ると結局は怒るハメになる。
もう遅く寝てもいいし、どうとでもなれという気持ちだ。

次に、優しく教えることも諦めた。
次女には、キャベツをバラバラにするようにお願いし、作業も私から見えない背中側の台で行ってもらう。全てお任せ。

例え手がドロドロになろうとも、視界に入らなければ気にならない。振り返ったときに、そんな現実が待っていても、淡々と工程を進める。例え、シュウマイの種の混ざり具合が甘くても、よし!と切り上げる。

そして、長男と次女が思い思いに、しゅうまいを包み、フライパンに並べる。
案の定、焼いたシュウマイは、一つの塊になっている。

それでも、美味しかった。

結果的には、料理を任せる時間ができて、私は洗い物も少しできた。
子どもたちのやることを全て見張るのをやめて、どうにでもなれと思ったのが、功を奏したか。

さらに、先のバイト時代を思い出す。
マルチタスクが苦手な私が、子どもたちと料理を回すというキャパ以上のことができたのは、きっと「それぞれのできることを的確に見積もって、依頼し、丸投げでたこと」が大きいかもしれない。

次女は、キャベツなら放置していても剥ける。
長男も、人参の輪切りは見守りがいるが、シュウマイを包むのは一人でできるし、次女にも教えられる。

きっと、ファーストフード店でマネージャーをしていたころは、自分の動きにいっぱいいっぱいで、他の人が何が得意で何ができるのかまで気が回っていなかった。

リーダーは、難しいとずっと思っている。
でも、他人に興味を持ってやってみると、もしかして違う可能性も見えてくるのだろうか。
またシュウマイを作ろう!と子どもたちに言われ、複雑な気持ちでうんと言った。

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