アジアカップ選手目録


まえがき


 はい、たぶん今後の代表選出ごとにやる感じのやつです。
 仲のよいお友達向けに、「こういうやつが呼ばれててな」と手っ取り早く話すためのメモ書きです。なお前回元日決戦の内容を流用し、できるだけ調べて本当にことを書くけどサッカージャーナリストじゃないし真偽は知らんよ、位の感じで参ります。
  逸話やデータ面の参考に用いている媒体は、Wikipedia、ゲキサカ、Jリーグ公式、Football LAB、Whoscored等です。

▽GK

#1 前川黛也 まえかわだいや(ヴィッセル神戸)

 J1王者神戸からの招集。中3からゴールキーパーに転向し、ユニバーシアード大会まで日本代表招集はなかった遅咲きのGK。A代表出場は1回のみ。
 191センチの恵まれた体格に手足の長さを併せ持ち、守備範囲が非常に広い。
「入ったな」→「えっそれ届くのかよ」
 みたいなファインセーブ多数。一説には、世界のビッグネームをじゃんじゃん取るヴィッセル神戸というクラブがこれまでに獲得してきた世界的ストライカーの「理不尽なシュート」を練習で受けてきたことで花開いたとも。
 高い位置をとってボール回しに参加したり、前線へボールを供給し攻めを作るプレースタイルも持ち味の一つ。ロングパスの選択率・成功率が高く、アシストも記録している。ゴールマウスを守る以外の仕事も出来、攻撃の組み立てに参加できる系の人。
 ちなみに親父さんも代表GKだった。

#23 鈴木彩艶 すずきざいおん(シントトロイデン:ベルギー)

 パリオリンピック世代の期待の若手その1。育成年代から現在に至るまで、一つ上のカテゴリへの飛び級招集をされ続けているやべーやつ。背番号の数字が大きいと一般的に序列が低いとされがちだが、たぶんGK組でいちばんスタメンに近いのこの人じゃないかな。
 ガーナと日本のハーフで、彩艶はローマ字表記ではZion。聖書に由来する言葉で、ガンダムとは関係ない。
 190センチと大柄。デッカイ図体が抜群の身体能力でヒュンヒュン動く。2分で5セーブを記録したこともあり、体格・反射神経・敏捷性・素早さが高水準に纏まっている。
 ゴールを守る能力ばかりでなく、高精度のロングパスで一手のうちに攻めをつくる能力も高い。一方で、いざというときにペナルティエリアを飛び出しての守備は苦手。GK三人衆の中では総合力で一番高いのかなぁ、とふんわり思っている。
 先輩をリスペクトするあまり、その飼犬をさんづけで呼ぶ。

#12 野澤大志ブランドン のざわたいし-(FC東京)

 パリオリンピック世代期待の若手その2。上掲鈴木と年代別代表のポジション争いを繰り広げてきたライバル。日米ハーフなのでこういった長めのお名前。芸名ではない。
 多分序列としては第3GKなのかな。
 193cmと大柄で、その上反射神経が非常によい。1試合平均のセーブ数、ペナルティエリア内から放たれたシュートのセーブ率はともにJリーグ2位。近距離から放たれたシュートへの咄嗟の対応力が優れている。
 またゴールマウスを守るばかりでなく、ビルドアップ能力や戦術理解度にも長けているため、今シーズンは助っ人外国人の先輩GKからゴールマウスを奪取した。ゴールを脅かされるような局面においては、きっとすごく頼りになる。
 なお、めちゃめちゃ熱心なキリスト教徒。「神の言葉を伝えるためにインスタグラムをはじめました!」とインスタの冒頭に書いてあったので、筆者はたまげた。

▽DF

#3 谷口彰悟 たにぐちしょうご (アル・ラーヤン:カタール)

 カタールW杯前後から長いこと招集されている常連組。大卒以来川崎フロンターレの守備陣を仕切ってきたが、一昨シーズンで退団し現在カタールで人生初の海外挑戦中。
 足元の技術が確かでボールをさばくことが出来、対人守備は対地対空とも強固で、セットプレー時の得点力もあるハイエンドな選手。川崎時代の同僚いわく、欠点がないのが欠点とのこと。プレーの穴がないので、顔の良さくらいしかイジるところがないらしい。
 次のWカップ北米大会にまでは呼ばれないと思うが、とはいえ本日現時点での最強のチームを編成するなら、招集には納得。
 アジアカップは大陸大会の格が高いので、しっかり勝ってFIFAランクを稼ぎたい。

#4 板倉滉 いたくらこう(ボルシア・メンヘングラードバッハ:ドイツ)

 最近すっかりセンターバックのレギュラーに定着しましたね。
 現代的で器用な中堅どころで、レギュラー定着には納得。このポジションに当然求められる地上・空中での守備能力は当然完備、スキル面でも優れ、冷静で、ボールを保持する能力に長ける。攻撃の起点になるパスを出すこともできる。
 海外データサイトでは規律とタックルは弱いって書いてあったから、強引にタックルに行ってカードをもらっちゃう悪癖があるのかな。あと個人的な感想として、パラメータがまんべんなくこれと行った大穴はないが、これと行った武器もそんなにあるイメージがない優等生タイプの気がしている。
 ドイツ一部で揉まれているので世界水準の選手と相対した経験も豊富。フィジカルコンディションもいい感じだと思うので期待大。

#24 渡辺剛 わたなべつよし (ヘント:ベルギー)

 まさかの代表招集。筆者的には結構なサプライズ選出。能力的に劣っているとは思っていないまでも、これまで森保ジャパンには呼ばれていない選手だったので。
 FC東京からベルギーの下位~中堅どころのクラブへ渡り、一年間フル出場して価値を見せつけ、同じくベルギーリーグ強豪クラブへの移籍を今夏勝ち取った。
 ヘディングを武器とし、セットプレーからの得点力が高い。また試合の流れやボールの動きを予測してのシュートブロックに長けるなど、古式ゆかしいCBの仕事には非常に長けている印象がある。
 その一方であんまりビルドアップにも関与していくような、現代的なプレイヤーとしての印象はないかな。とはいえ高校までは中盤の選手。求められなかったからやらなかっただけ、というパターンを期待したい。
 代表での出場経験は2キャップ。アジアカップで輝けるか。

#19 中山雄太 なかやまゆうた(ハダースフィールド:イングランド)

 2022年、カタールW杯メンバー入りが発表されたあと、アキレス腱をぶっちぎってフイにしたかわいそうなやつ。クラブでは中盤以降左半分のあちこちで使われているし、彼をしてCBだと紹介する記事もあるが、代表だと左SBが定位置。
 左利きかつ左サイドの選手ということで、利き足でのキックはインスイングになる。もとより彼は左足のキック精度も高いので、前へ上がってのクロスや、タッチライン際から内側へ折り返すようなビルドアップのパスが期待でき、攻撃の厚みを増すことが出来るかな、と筆者は考えている。
 攻撃や組み立て能力の一方で対人守備も苦にせず、攻守の両面で高水準の仕事ができる。チームに一人はほしい大変に便利なやつである。

#15 町田浩樹 まちだこうき (ロイヤル・ユニオン・サンジロワーズ:ベルギー)

 正月決戦招集メンバーの生き残り。身長190センチの大型センターバック。左利き。場合によっては左SBでも。
 身長を活かしての空中戦に長け、攻守両面にわたって奮闘できる。海外の情報サイトには「空中戦に強い、セットプレーで脅威になる」としっかり書いてある。またタックルも得意。
 地上戦と空中戦で「しっかり守れる」こと。高さを活かして「セットプレーで脅威になること」の2点を高水準で兼ね備え、古典的なタイプのセンターバックとしては結構いい感じ。
 加えてロングキックの精度にも優れており、「ピンチを凌いでカウンター一発」が撃てる点は非情に重宝。元日決戦でもけっこういい具合だったので、アジアカップでの活躍には期待したいところ。

#16 毎熊晟矢 まいくませいや (セレッソ大阪)

 数少ないJリーグ組。右サイドバック。Jリーグにおける各種指標を鑑みると、90分間豊富なスタミナで動き回り、良いクロスをあげて攻撃に貢献してくる印象。
 特筆すべきは、元々は攻撃への貢献を期待され、プロ入りまでは万能型FWとして鳴らした逸材であったこと。前線の選手に求められるテクニック、判断速度、戦術理解力を持ったサイドバック、というサッカー欲張りセットである。
 自分がボールを持ち運ぶドリブラーのタイプではなく、うまく状況に応じて味方を使いながら攻め上がり、最後には決定的なパスやシュートへ持ち込むことができる。
 その一方で守備にも手を抜かずカバー範囲が広い。基本的には相手を押し込んで試合をし、カウンターを食らったときには大急ぎで駆け戻る、という形になりがちなアジアカップでは輝くだろう。

#22  冨安健洋 とみやすたけひろ (アーセナル:イングランド)

 DFラインどこでも出来るチートみたいなディフェンダー。世界的名手を完封できる高度な守備能力と、高い戦術理解度で多彩な戦術にフィットできる。クラブでは左右のサイドバックを任されるが、代表ではCBが定位置。
 なお脚が虚弱で出場時間が安定しない。サッカーにおける、「大丈夫、~~にしておいた」構文筆頭みたいなやつ。カタールの時の身内向け選手紹介には以下のとおり書いた。
 神は冨安にDFに必要なあらゆるものを与えた。基礎的なテクニックは当然、さらに守備の技術・能力、判断力、戦術理解力。ポリバレントなポジション適性も与えたし、空中戦能力なんか盛りに盛った。
 天使が言った。神様、これでは冨安は恵まれすぎではありませんか。
 神は答えた。「大丈夫、ガラスの脚にしておいた」

 なお実際問題、コンディション不良を押しての選出であり、序盤戦には間に合わない模様。それでもなお頼りたくなるくらいやべー選手なのだ。

#21 伊藤洋輝 いとうひろき (シュツットガルト:ドイツ)

 左CB兼左SB。もともとはボランチの選手だが、プロ入り以降は188センチの高身長を活かしてディフェンスラインの起用が増えた。
 武器は高身長と左足のキック精度。長距離高精度のロングパスが出せて、攻撃の起点になれる。――が、身長だけで競り合いに勝てたのは日本での話。渡独後には空中戦勝率はあまりよくなく、情報サイトに「弱点:空中戦」と書かれている。
 その一方で、パス、クロス、キーパス、ボールを持ってのプレーの質には優れているので、パサーとしての左足は通用したということか。
 総合するに、センターバックとしては微妙だけれどもサイドバックとしては優秀、的なところで評価がまとまりつつある印象。
 プレイスタイル/エリアとしては左のハーフスペースを使うのが得意であり、世界的に流行している「右利きでカットインして攻撃するタイプの左ウイング」とはあんまり相性がよくないと筆者は思っている。

#2 菅原由勢 すがわらゆきなり (AZ:オランダ)

 今後長く代表右サイドに君臨するであろう期待の星。オランダ1部リーグ、エールディヴィジで、高精度のクロスによりビッグチャンスを量産している注目選手。
 サイドをぶち抜いてのクロスが超得意。ダッシュでの裏抜けはもちろん、ボール保持やパスの技術にも長けている。チーム戦術にもよるが、基本的にはボールを握りながらサイドを上がって、決定的なパスを放り込むのがお仕事。攻撃的なスタイルのサイドバックといえる。
 またメンタル面・判断力・集中力に優れ、組織的・効率的なプレスでサクッとボールを奪うのが得意。ど根性タックルで荒っぽくボール奪取をする、という選手ではない。
 オランダ5年目、すごくキャリアがある選手のように見えるがまだ23である。ちょっとビビる。代表での活躍もそうだけど、一層大きなクラブでの活躍を期待している。

▽MF/FW

#6 遠藤航 えんどうわたる (リヴァプール:イングランド)

 背番号6は守備的MFの証。名将クロップが率いて強豪に生まれ変わったリヴァプールに今年から所属。齢30にしてサッカー選手の夢舞台、イングランドプレミアリーグに挑んでいる。
 プレイスタイルとしては日本人離れしたデュエルモンスター。かなり強度のあるドイツ一部で2年連続対人勝率一位を獲得しており、でかくて強くて早くて上手い相手に当たり負けしない、という最大の長所を持つ。
 また攻撃にあっては的確な縦パスを突き刺すのも得意。いざというときにゴールを決める勝負強さも併せ持つ。
 かつての所属チームを幾度となく救ってきた実績からカルト的人気を持ち、ついたあだ名はローマ字表記Endoに引っかけてLEGENDO。

#14 伊東純也 いとうじゅんや (スタッド・ランス:フランス)

 J2所属クラブながらアジア最強を決めるACLを戦っているヴァンフォーレ甲府が見出した、右ウイングの至宝。
 代表とは縁のない雑草系遅咲き選手ながら、今やサイドのキープレイヤーの証、背番号14を背負う。
 とにかく俊足。長くボールを蹴り出して「よーいどん」をはじめたら、伊東についてこられるディフェンダーって居ないんじゃないだろうか。実際TwitterだかMastodonだかで観戦していて、伊東のビッグチャンスのときには「よーいドンで伊東に勝てるDFなんかいるかよ!」と書き込んだことがある(赤面
 俊足で縦にちぎってクロスをあげるのがお決まりのパターン。相手もそうだってわかってる。でもその上で止められない。こわい。
 あだ名は「イナズマ純也」。命名はご存知、居酒屋テンションで中立性を投げ捨てた実況がおなじみの松木安太郎。なお、あんまり定着してない気がする。

#18 浅野拓磨 あさのたくま(ボーフム:ドイツ)

 森保監督の広島時代からの教え子。クラブでぱっとしないながらも、第一次森保ジャパン時代から招集され続け、口さがない人からは愛人枠などと呼ばれてきた。
 プレイスタイルとしては俊足と勝負強さが持ち味。テクニックでも決定力でも正直ポジティブな印象はそんなにないのだが、ヤバいときにスピード一発をぶちかまして点をもぎ取ってくるので「まぁ、とりあえずヨシ!」ってかんじに丸く収まる印象。
 173センチと身長はスポーツ界隈において小柄の部類ながら、フィジカル的にはたいへん鍛えられており当たり負けしない。最近はスピード一本槍でなく、相手の圧が高い中でもボールをおさめ、つないで、展開していくプレイスタイルを覚え始めたかな? というところ。あたりとはずれの落差がものすっごく激しいんだよな…。
 アジアカップでは輝いてくれたのむ。

#8 南野拓実 みなみのたくみ (モナコ:フランス)

 攻撃的MFの名産地・セレッソ大阪産の攻撃的な選手。トップ下、左ウイング、フォワードといろいろやれる。周りをうまく使う才覚に優れ、スルーパスでのチャンス演出や、味方を囮に使って相手を剥がす動きが上手い。
 一方で空中戦はそこまで強くないし、ビルドアップの単純なパスはむしろ苦手らしい。要するに相手のペナルティエリアまわりに限っては恐ろしい が、遠くにおいておくぶんにはさほど怖くない、ということか。
 去シーズン、モナコでは監督の求める動きが出来ず低迷。代表招集から外れることに。ところが今シーズンは「南野の使い方をわかっている」かつての恩師が監督に就任し大活躍、代表にも返り咲くことになった。
 ペナルティエリア近くでのセンスは本当にすごいので、輝いてくれ。

#5 守田英正 もりたひでまさ (スポルティング:ポルトガル)

 川崎フロンターレ原産、現在はポルトガルの地で暴れている中盤のやべーやつ。本邦では4-2-3-1の2のところをアンカーもセントラルも一緒くたに「ボランチ」と呼んでしまうけれど、守田はアンカーというよりはセントラル寄りの選手のような気がする。
 攻守において「相手の予測を外す」のに長けているという個人的印象がある。ボールを保持したときには巧みなフェイクで相手をかわし、パスなりドリブルなりで攻撃を組み立ててくる。
 スポルティングでは攻撃参加を求められているようで、個性を遺憾なく発揮しセントラルMFの立場ながらペナルティエリア内まで侵入してゴールを奪っている。
 守りの遠藤、攻めの守田、というのが代表ボランチを見渡しての筆者の見解である。

#7 三笘薫 みとまかおる (ブライトン:イングランド)

 川崎フロンターレ産の世界的名手。緩急自在のドリブルで世界に打って出、あっという間に世界的スターにのし上がった。いま世界で三指に入る左ウイング、と言っても過言ではないと思う。
 彼の特異なドリブルは相手の不意をついていきなり始まり、視線や重心移動の逆を的確についてゴール前まで迫ることができる。その捉えどころのなさから「ウナギドリブル」などと5chでは呼ばれた。
 背番号7はチーム一番手のウインガーの証。ぜひとも活躍が見たい選手の一番手ではあるものの、現在は負傷中。コンディション不良を押しての招集なので序盤戦には間に合わない。活躍するところまで勝ち抜けるかどうか。
 少年時代、おとなりさんが松重豊で、両親の帰りを待つ間松重家でゲームしてた逸話はあまりに有名。

#25 前田大然 まえだだいぜん (セルティック:スコットランド)

 スキンヘッドとヒゲがトレードマーク。「正直上手くはないが、出場させることには何のためらいもない」「相手DFにとっては悪夢」などと評される愛され系ハゲ。
 無尽蔵のスタミナと高いスプリント能力で前線を駆けずり回っていつでも猛プレス、相手に「ゆっくりボールを持つ暇」「考える暇」を与えないのが最大のセールスポイント。
 ストライカーとして「上手にボールを蹴ること」は正直そんなに得意ではないが、なんせ相手に与えるデバフがクソデカなので、セルティックでは重宝されている。――が、彼がよく起用される左ウイングやフォワードのライバルはあまりに強力。正統派の「点を取れるフォワード」ではない、一芸枠といえる彼の出番がどのくらいあるか、というとちょっとわからん。
 綿密なスカウティングと戦術のもとで起用されれば輝ける選手であることに疑いはないのだが・・・。

#17 旗手怜央 はたてれお (セルティック:スコットランド)

 川崎フロンターレ産、極めてポリバレントな中盤のプレーヤー。サイドバックからボランチ、セントラルMFなどなど様々なポジションでプレーできる。
 またパスレンジ・視野とも広く、ピッチのどこにでも適切なタイミングでボールを送れるのは大きな武器。豊富な運動量でピッチのあらゆる局面に顔を出し、ピッチを広く使った高精度のパスで攻めのかたちをつくる。海外情報サイトでもドリブルやパスの能力に加えてキーパスにも秀でると記述があり、ビルドアップからフィニッシュワークまで攻撃に関与し続ける能力があると見ることができるだろう。
 旗手が活躍した試合をみたセルティックファンが言うには「世界の三分の一は陸に、残りは旗手に覆われている」とかなんとか。
 運動量をもって動き回れるタイプのパサーは結構レアで使いでのあるタレントなので、活躍しているところが見たいなぁ。

#10 堂安律 どうあんりつ (フライブルク:ドイツ)

 代表の10番を継承した右ウイング~トップ下のアタッカー。左利き。コンパクトなシュートモーションからドッカンと放たれる高威力シュートが武器。他の選手なら大仰に振りかぶらないと飛んでこないはずの球威が極小のモーションから出てくる、という点において大変ユニーク。
 同じポジションの伊東純也が右ウイングを定位置に縦方向に動くことを得意とするのに対し、堂安は「ピッチ右前全体」が広くプレイエリア。縦突破からのクロスもあるし、カットインしてのドッカンシュートもある。周りとパス交換をしながらの崩しもある、といった具合に、相手に突きつける選択肢の数は多い。より玄人好みな強みを持ったプレーヤー。
 金髪でビッグマウス。本田圭祐を彷彿とさせるパーソナリティの持ち主でもある。

#9 上田綺世 うえだあやせ (フェイエノールト:オランダ)

 センターフォワード一番手。ストライカーの背番号9を背負う。182センチと日本人にしては上背があり、ロングボールをおさめるポストプレーができる、かつての大迫勇也の正当後継者的な感じ。
 フォアザチームの潰れ役のほかに個人で得点を取り切る能力も高く、脚でも頭でも点が取れる。
 歴代所属チームである鹿島やセルクル・ブルッヘでは試合の流れを無視した理不尽なゴールを量産し、勝利をたぐり寄せてきた。
 その代償としてか、スペックに肉体がついてこれなくて負傷が多い模様。大事なく選手生活を全うしてほしい。
 AZでは先発メンバーに入れておらず出場機会に苦しんでいるが、現スタメンの選手の売却を見越した投資的補強とみられており、ライバルはこの冬だか来夏だかに去って行く様子。
 まずはアジアカップで活躍して、クラブでの飛躍につなげてほしい。

#13 中村敬斗 なかむらけいと (スタッド・ランス)

 左ウイングを定位置とする右利きのアタッカー。個の力を伸ばしたい、とJクラブユースをあえて離れ、個人技重視の街クラブで技術を磨いたドリブル小僧。高精度のシュートと突破力のあるドリブルで相手ゴールを脅かす。
 一番手の左ウイングであろう三苫が負傷中なので、代わりに出場するのは彼か前田かといったところ。より周りと連携しながらテクニカルに動ける中村のほうが個人的には見たいかな。
 海外の情報サイトによると、ダイレクトフリーキックが大の得意。またロングシュートやスルーパスに長けるとのこと。かつての遠藤保仁や中村俊輔のような「問答無用のプレースキッカー」不在の現代表チームにおいて、ぜひ持ち味を生かして暴れてほしい。

#26 佐野海舟 さのかいしゅう (鹿島)

 ボール回収の能力が高い守備的MF。「海舟の回収力…ってやかましいわ!」と最初は筆者も思ったが、1試合の平均パスカット回数はJリーグ2位、空中戦勝率も良好、といわれると「さすがの回収力」と唸らざるを得ない。
 Jリーグのスタッツをもとに考えるに、遠藤やディフェンダー陣が行うディフェンスのような「失点しないための防御」ではなく、敵陣に乗り込んでいってアクティブにパスを絶ち、攻撃の芽をつぶし、カウンターにつなげていく「攻撃のための防御」が持ち味のよう。
 個性は違うにせよ守備的なMFのバックアップがいると言うことで、遠藤が休めるというのがチーム運営的につても大きいと思う。
 まだ22歳。今後の成長と海外挑戦、海外でのボール回収ぶりが大いに期待される。

#20 久保建英 くぼたけふさ (ソシエダ:スペイン)

 育成年代はバルセロナ、プロキャリアはレアルマドリーでスタートさせた日本の至宝。A代表にすっかり定着しているがまだ22歳、パリ五輪に出られる一つ下の世代である。末恐ろしい。
 サッカー民が言う「違いを作れる選手」の筆頭格。右ウイングからトップ下を主戦場とし、周りを上手く活かしながら自分も輝ける稀代のサッカーセンスの持ち主。
 堅く守っているはずの相手を個人技で、あるいは味方との連携で幻惑し、寸断し、翻弄しゴールに迫るのが得意技。
 伊東・堂安・久保とびっかびかに輝く才能のなかから一人選ばなきゃいけないんだから代表監督って大変な稼業だよな、と代表ウィークのたびに思う。

#11 細谷真大 ほそやまお (柏)

 パリ世代からの飛び級選出。ゴリゴリに強い体幹に裏打ちされた突破力が持ち味のフォワード。22歳と若年ながらプロ5年目、柏不動のエースである。
 身長は177センチと武器になるほど高くはないながら、身体が強くてボールが収まるのでポストプレーにも対応可能。ただし真骨頂は裏への突破で、快速と強靭なフィジカルを活かしてディフェンダーの追走をものともせずゴールへ突っ走る。
 また攻撃専業というわけでなく、守備でもしっかり頑張って身体を張る。もしも代表チームが前線からプレスをかけていく戦術を採用するなら、非常に有力なピースになりうる。
 期待感しかないな!

 というわけで以上26名。
 前書いた部分を借用しながらも、さぼてんさんの把握している限りの選手特徴についてまとめてみました。

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