2023/10/07(土)のゾンビ論文 ゾンビアクティビティで英会話教育

ゾンビについて書かれた論文を収集すべく、Googleスカラーのアラート機能を使っている。アラート設定ごとに、得られた論文を以下にまとめる。

アラートの条件は次の通り。

  1. 「zombie -firm -philosophical -botnet -xylazine -biolegend -gender」

  2. 「zombie -firm -philosophical -DDoS -xylazine -biolegend -gender」

  3. 「zombie -firm -xylazine -biolegend」(取りこぼし確認)

検索条件は次の意図をもって設定してある。

  • 「zombie」:ゾンビ論文を探す

  • 「-firm」:ゾンビ企業を扱う経済学の論文を排除する

  • 「-philosophical」:哲学的ゾンビを扱う哲学の論文を排除する

  • 「-DDoS」/「-botnet」:ゾンビPCを扱う情報科学の論文を排除する

  • 「-xylazine」:ゾンビドラッグに関する論文を排除する

  • 「-biolegend」:細胞の生死を確認するゾンビ試薬を使う医学の論文を排除する

  • 「-gender」:ジェンダー学の論文を排除する

また、検索条件3では、上記の検索キーワードで不必要にゾンビ論文を排除していないかを確かめる。

今回、それぞれのヒット数は以下の通り。

  1. 「zombie -firm -philosophical -botnet -xylazine -biolegend -gender」三件

  2. 「zombie -firm -philosophical -DDoS -xylazine -biolegend -gender」三件

  3. 「zombie -firm -xylazine -biolegend」五件(差分二件)

検索条件1-3は医学、メディア学、教育学が一件ずつだった。


検索条件1「zombie -firm -philosophical -botnet -xylazine -biolegend -gender」

決して死なない「ゾンビ細胞」を理解する

一件目。

原題:Understanding the “zombie cells” that won’t die
掲載:CytoSource: Current issues for Cytopathology
著者:Bryn Nelson
ジャンル:医学

ゾンビ細胞の異名を持つ老化細胞の紹介論文。新規の調査報告が見当たらないため、論文というよりも解説記事と呼んだ方がよいかもしれない。

ジャンルは医学。


トランスメディア世界でのシリアル ゲーム

ニ件目。

原題:Serial Games in a Transmedial World
掲載:このタイトルの本がある
著者:Joachim Friedmann
ジャンル:メディア学

本の紹介文を引用する。

As the dominant narrative forms in the age of media convergence, films and games call for a transmedial perspective in narratology. Games allow a participatory reception of the story, bringing the transgression of the ontological boundary between the narrated world and the world of the recipient into focus.
(メディア融合時代における支配的な物語形態として、映画とゲームはナラトロジーにおけるトランスメディアルな視点を求めている。ゲームは参加型の物語受容を可能にし、物語られる世界と受け手の世界との間の存在論的境界の侵犯を浮き彫りにする。)

『Serial Games in a Transmedial World』紹介文より

著者と同じ文脈を共有していない限り、何を言っているのか正確に理解することは不可能だろう。ただ、この論文では映画やゲームに出てくるゾンビを扱うのだろう。それ以上は、ちょっと。

ジャンルはメディア学。トランスメディアルな視点を持つ論文らしいので。


リスニングとスピーキングのスキルを教えるための広範なガイド

三件目。

原題:A Broad Guide to Teaching the Skills of Listening and Speaking
掲載:このタイトルの本がある
著者:MS Nafa
ジャンル:教育学?

Googleの中身検索サービスによれば、zombieの単語は次の文で出てくる。

Zombie Secret zombie speaking activities 
This is a fun conversation activity. Although they talk in pairs; the activity involves the whole class! The scenario is that a virus has attacked the world and everybody is turning into a zombie …
(ゾンビシークレット ゾンビスピーキングアクティビティ
これは楽しい会話アクティビティです。彼らはペアで話しますが、このアクティビティにはクラス全員が参加します。シナリオは、ウイルスが世界を攻撃し、誰もがゾンビに変わっていくというものです...)

MS Nafa著
A Broad Guide to Teaching the Skills of Listening and Speaking本文より

ゾンビがこの世界に出現したというシナリオでロールプレイングを行うらしい。最近、特にそういうものを見る気がする。同時に出てくる単語といえば、activityやscenarioだから、その手の単語を排除キーワードに使えばヒット数を減らすことができるだろうか。わかりやすく識別するために、こういうものを今後はゾンビアクティビティと呼ぶことにしよう。

英会話の授業内容を論じているため、ジャンルは教育学。



検索条件1-2の差分(差分なし)

「DDoS/botnet」で検索結果に差異が生じるか調べる。

今回は差分がなかった。



検索条件4「zombie -firm -xylazine -biolegend」

上記の条件で誤ってねらいのゾンビ論文を取りこぼしていないかチェックするために、こちらの検索結果もチェックしておく。ただし、ゾンビ企業とゾンビドラッグ、ゾンビ試薬は排除されるように設定してある。

唯物論に対する知識の議論と現象概念の戦略

原題:The Knowledge Argument Against Materialism and the Strategy of Phenomenal Concepts
掲載:METHODOLOGY AND PHILOSOPHY OF SCIENCE
著者:Dmytro Sepetyi
ジャンル:哲学

「-philosophical」で排除。哲学的ゾンビを扱う論文。


アフリカ的共同体主義とトランスヒューマニズム

原題:Afro-communitarianism and Transhumanism
掲載:Handbook of African Philosophy
著者:Amara Esther Chimakonam
ジャンル:人類学か政治学

「-philosophical」で排除されたと思われる。論文のキーワードに"Moral zombies"が設定されているため、哲学的ゾンビ以外も扱っている模様。



まとめ

検索条件1-3は医学、メディア学、教育学が一件ずつだった。

「ゾンビアクティビティ」という概念を設定したことが今回の気づき。今まで気づく機会は何度もあったはずだが、今回やっと気づいたのは遅いとしか言いようがない。今後はゾンビアクティビティを扱った論文を排除できるように、思考回路を調整し、排除のための検索キーワード探しに邁進しよう。

ただ、今回の気づきはそれだけ。今回のゾンビ論文は私に学びをもたらさなかった。こういうケースが続くと楽だが面白くはない。

今回はねらいの論文がなかった。


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