2023/10/19(木)のゾンビ論文 オフィオコルジケプス科の新種
ゾンビについて書かれた論文を収集すべく、Googleスカラーのアラート機能を使っている。アラート設定ごとに、得られた論文を以下にまとめる。
アラートの条件は次の通り。
「zombie -firm -philosophical -botnet -xylazine -biolegend -gender」
「zombie -firm -philosophical -DDoS -xylazine -biolegend -gender」
「zombie -firm -xylazine -biolegend」(取りこぼし確認)
検索条件は次の意図をもって設定してある。
「zombie」:ゾンビ論文を探す
「-firm」:ゾンビ企業を扱う経済学の論文を排除する
「-philosophical」:哲学的ゾンビを扱う哲学の論文を排除する
「-DDoS」/「-botnet」:ゾンビPCを扱う情報科学の論文を排除する
「-xylazine」:ゾンビドラッグに関する論文を排除する
「-biolegend」:細胞の生死を確認するゾンビ試薬を使う医学の論文を排除する
「-gender」:ジェンダー学の論文を排除する
また、検索条件3では、上記の検索キーワードで不必要にゾンビ論文を排除していないかを確かめる。
今回、それぞれのヒット数は以下の通り。
「zombie -firm -philosophical -botnet -xylazine -biolegend -gender」三件
「zombie -firm -philosophical -DDoS -xylazine -biolegend -gender」三件
「zombie -firm -xylazine -biolegend」七件(差分四)
検索条件1-3は菌類学、評論、情報工学が一件ずつだった。
検索条件1「zombie -firm -philosophical -botnet -xylazine -biolegend -gender」
「ゾンビアリ菌類」生物群(ボタンタケ目オフィオコルディセプス科)に属する 2 つの新しいオフィオコルディセプス種の形態、系統発生および宿主特異性
一件目。
原題:Morphology, phylogeny and host specificity of two new Ophiocordyceps species belonging to the “zombie-ant fungi” clade (Ophiocordycipitaceae, Hypocreales)
掲載:MycoKeys
著者:Dexiang Tangを筆頭著者として、七名
ジャンル:菌類学
ゾンビアリに関する論文。
アリに寄生して行動を操る真菌類であるオフィオコルジケプス科の二つの新種、Ophiocordyceps tortuosaとOphiocordyceps ansiformisに関する報告。オフィオコルジケプス科真菌は通常固有のアリにしか寄生しない(できない?)が、この二種はColobopsis科の同じ種のアリに寄生すると報告されている。
真菌とアリの対応表があるので、ゾンビアリ研究には有用な論文かもしれない。ジャンルは菌類学。
レトロなレビュー: Black Demons (1991)
ニ件目。
原題:A Retro Review: Black Demons (1991)
掲載:Studies in the Fantastic
著者:Stefany Sohn Stettler
ジャンル:評論
Umberto Lenzi監督の『Black Demons (原題はDemoni 3)』のレビュー。ゾンビ映画らしいが低予算のイタリア映画だからか、日本での公開・リリースはないようだ。残念。
ジャンルは評論。
mocha: コンテキスト マッチングによるリアルタイムのモーション キャラクタリゼーション
三件目。
原題:MOCHA: Real-Time Motion Characterization via Context Matching
掲載:arXiv
著者:Deok-Kyeong Janを筆頭著者として、四名
ジャンル:情報工学
3Dアニメ用のモーションキャプチャーに関する論文。人間の動きをキャプチャするというよりは、マネキンでモーションを生成して3Dアニメに適用できるベースにするといった感じか。で、その中にゾンビのモーションがある、と。
ジャンルは情報工学。
検索条件1-2の差分(差分なし)
「DDoS/botnet」で検索結果に差異が生じるか調べる。
今回は差分がなかった。もうずっと差分を見ていない。GoogleスカラーがAI機能か何かで勝手に消しているのだろうか。
検索条件4「zombie -firm -xylazine -biolegend」
上記の条件で誤ってねらいのゾンビ論文を取りこぼしていないかチェックするために、こちらの検索結果もチェックしておく。ただし、ゾンビ企業とゾンビドラッグ、ゾンビ試薬は排除されるように設定してある。
「新しい」感覚エスノグラフィーの特質: はじめに
原題:The Qualities of the “New” Sensory Ethnography: An introduction
掲載:The Routledge International Handbook of Sensory Ethnographyの第一章
著者:Phillip Vannini
ジャンル:比較文化学
「-philosophical」か「-gender」で排除されたと推測。中身は見れないが、Googleアラートのメールによれば、"zombie ethonography"という文字列があり、民族ごとのゾンビ観を調査するのだろうか。
Discordベースのプロジェクトを活用して強化
原題:Utilizing Discord-based Projects to Reinforce
掲載:Cybersecurity Pedagogy & Practice Journal
著者:Marc Waldman と Patricia Sheridan
ジャンル:情報科学
「-DDoS」および「-botnet」で排除。つまりゾンビPCに関する論文。ゾンビPCの定義について重要な文章があったので、引用する。
Cookeらの2005年の論文へのリンクを載せておく。ただ、これが操られたPC=ゾンビPCの定義の始祖というわけでもなさそうだ。
ゾラ・ニール・ハーストンを求めてハリウッドへ
原題:In Search of Zora Neale Hurston in Hollywood
掲載:Feminist Media Histories
著者:Kallan Benjamin
ジャンル:ジェンダー学
「-gender」で排除。Zora Neale Hurstonというハリウッドの劇作家の調査報告書。Wikipediaによればアフリカ系アメリカ人の民話伝承・民間信仰を集めるフィールドワークをしていたらしいので、その辺でゾンビが出てくるのだろう。
IoT ボットネット攻撃の検出における機械学習アプローチのパフォーマンス評価。
原題:Performance Evaluation of Machine Learning Approaches in Detecting IoT-Botnet Attacks.
掲載:Interactive Mobile Technologiesのarchives
著者:Ashraf Hamdan Aljammalを筆頭著者として、六名
ジャンル:情報科学
「-DDoS」および「-botnet」で排除。つまりゾンビPCに関する論文。
まとめ
検索条件1-3は菌類学、評論、情報工学が一件ずつだった。
どの論文も特に言及したいことがないが、「-DDoS」と「-botnet」の双方で排除できている論文があったのはよかった。ゾンビPCを排除するにはどちらでもよい、という判断を下す根拠になるからだ。ここ一か月ほど差分が全くないとはいえチェックに割く時間は必要なので、「-DDoS」と「-botnet」がどちらでもよいとなれば10月の総括で片方を消してしまおう。消すならば、「-DDoS」の方だろうか。そもそも「-DDoS」で排除できなかったから比較を始めたのだし。
今回はねらいの論文がなかった。
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