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お弁当と水筒

お弁当と水筒。借金まみれ時代、節約サイトなどですすめられる定番のこの2つを「荷物増えるし作るのもお弁当箱洗うのも面倒すぎる」としか思わなかった。今思えば借金が増えるより荷物が少し増えるほうがずっといいとわかるのだけれど当時はわからずに頻繁にカフェでコーヒーやペットボトルを買っていたし、昼食どころかおやつまで毎日購入してた。

こんな私が毎日お弁当を持っていけるようになったのは、全力返済時代の初期に異動した営業所の副所長の女性のおかげだ。彼女は自分や他人の無駄遣いに厳しく、毎回ランチのために外出する人やしょっちゅう新しい服を着てくる人に「よくお金あるわねぇ」などと気にする方だったからだ。

これだけ書くとケチで嫌味で意地悪な感じがするかもしれないが、全くそうではなく「コンビニで毎日おにぎり買うならおうちで作ってきて、旅行にでも行ったほうがいいじゃない?会社にポットも電子レンジもあるんだから使ってね」と言う感じであり愛情深い堅実なお姉さんという感じだった。そして決してズルはしない人だったので今も心から尊敬している。

その方とうまくやるために仕方なく私は水筒を2つ持っていき、超繁忙期を除いて、どんなにひどい弁当でも必ず持参した。ひど弁当の定番はご飯をガラスの容器に敷き上にハムと目玉焼き(どちらかのこともある)をのせ、隙間に野菜の代わりにあれば漬物か大葉などである。
ちなみに容器は四角くて小さめのガラスのものがおすすめである。洗いやすく容器に重さがあるので侘びしさが減る。本当に時間がない時はご飯と海苔と固形の味噌汁だけだったこともあるし水筒の中身は2本とも水道水であったりしたこともある。自分のデスクでランチをとる形式だったのでなんとか続けられたのだと思う。

お弁当を持っていく習慣が完全に身についたあとに転職したのだけれど、今も私は仕事に行くときは無駄な出費はしないようにしていてお弁当、ちょっとしたお菓子、水筒2本持参である。仕事関係での余計な出費をすることは給料が安くなっているのと同じと思い知ったからだ。
そして今はご飯の量もタンパク質量も自分の希望通りにできるという理由もあるのですすんで弁当を用意している。人は変わるものだ。

激務で休日は寝てばかり。マッサージやエステにいかないと耐えられない、疲れて自炊できない。それなりの装備が自腹で必要(オシャレをしないといけないとか)酒のんで買い物しないとやってられない仕事などは、トータルで仕事で得られる金額が大きく下がる可能性があることを意識してそうならないように働いている。どんなに私のみえっぱり心をくすぐる素敵な会社からヘッドハンティングがきてもそのことを忘れないでおこうと思う。




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