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象徴的解釈:牡羊座3度のサビアンシンボル

Aries 3:The cameo profile of a man in the outline of his country.
《日本語訳》祖国の輪郭の中にあるカメオ細工の男の横顔。

牡羊座3度の意味

  • 自分を中心とした世界観

  • 自己中心性の強さ(自分と他者を同一視する性質)

牡羊座3度の解説

「男」が象徴するもの

象徴において、「女」は潜在意識、「男」は自意識を意味するとされています。潜在意識は自覚することができない意識領域、自意識は外界や他人と区別される自分自身を認識する意識のことです。
牡羊座3度に登場する男の横顔は祖国の輪郭の中に含まれており、男と祖国との関係やカメオが象徴する意味を考えることで、牡羊座サインの世界観が見えてきます。

「カメオ」が象徴するもの

牡羊座3度ではカメオそのものが重要な意味を持ちます。まず、カメオの歴史を振り返ってみましょう。

カメオとはハードストーン、サンゴ、貝殻などに浮彫りをした宝石彫刻のことです。肖像が彫られたカメオはギリシア時代に端を発します。ローマ時代になると、硬い石に精緻な模様を施す彫刻技術が権力や富の象徴として利用されるようになりました。
カメオに彫られたのは当時の権力者・富裕層のほか、魔除け・信仰目的のカメオの場合はギリシア神話の神々が彫られていたようです。

カメオは古代ローマ人が好んだ指輪をはじめ、皇帝の王冠、裕福な人々の衣服や調度品を飾りました。後の時代もカメオは権力や富の象徴であり続け、19世紀にナポレオン1世によって興隆を極めた後、カメオの製作は徐々に衰退しました。

今の私たちにとってカメオは数ある装飾品の一つに過ぎません。しかし、カメオは希少価値の高い素材や彫刻技術の高さゆえ、少なくとも19世紀前半頃まで権力と富を示す象徴とされたようです。

このような歴史的背景を考えると、牡羊座3度の「カメオ」が象徴しているのは自己顕示、つまり自分の存在を他者に示すことと言えるのではないでしょうか。

牡羊座3度に登場するカメオの詳細に関しては推測の域を出ませんが、背景を伴ったデザイン、つまり石の下層に祖国の輪郭を彫りその上に統治者の横顔を彫ったデザインかもしれません。
カメオにはさまざまな技法があり、色の違う層が重なった石を素材として上層と下層に別のモチーフを彫刻したカメオも残されています。

自分中心の世界観

私の解釈では、サビアンシンボルの3度はサインの世界観(世界の在り方)、または世界のつくりかたを示しています。牡羊座サインの場合、カメオに彫られた男と背景に彫られた祖国との関係性が、牡羊座サインの世界観を表していることになります。

自意識を象徴する「男」と「自己顕示」を象徴する「カメオ」。牡羊座3度のカメオに彫られた男を「国の支配者」と仮定するなら、彼は自分の横顔と祖国を重ねることで「自分=国」という主張をしていると言えます。つまり、自分を中心とした世界観を持っているということです。

自分を中心とした世界観の根底にあるのは自己中心性の強さです。自己中心性とは、他者も自分と同じ考え方や価値観を持っていると思う性質のことです。

牡羊座サインは自己中心性が強い傾向にありますが、これは「ほかの人も自分と同じ考えだろう」という単純な思いに端を発しており、他者に自分の考えを押し付けて支配しようとする傲慢さとは少々異なります。
また、自己顕示欲が強いとは言え、悪意を持たないので、目立ちたがり屋という表現の方が相応しいかもしれません。

牡羊座サインの純粋な性質として考えた場合、この自己中心性の強さはブレない強さ、根拠のない自信といったポジティブな方向で発揮されることが多いでしょう。
もちろん、状況や相手によって受け取り方が変わるかもしれませんが、牡羊座3度に示された自己中心性の強さそのものに良い・悪いはありません。

サビアンシンボルの解釈について

当記事の内容は、サビアンシンボルを考案したマーク・エドモンド・ジョーンズやサビアンシンボルの解釈を著したディーン・ルディアの解釈とは異なります。サビアンシンボルに登場する要素を象徴として扱い、象徴が意味する内容に基づいた独自の解釈を行っています。

牡羊座のサビアンシンボル一覧

象徴的解釈:牡羊座1度のサビアンシンボル
象徴的解釈:牡羊座2度のサビアンシンボル
象徴的解釈:牡羊座3度のサビアンシンボル
象徴的解釈:牡羊座4度のサビアンシンボル
象徴的解釈:牡羊座5度のサビアンシンボル


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