見出し画像

象徴的解釈:牡羊座2度のサビアンシンボル

Aries 2:A comedian entertaining a group.
《日本語訳》仲間を楽しませている喜劇役者。

牡羊座2度の意味

  • 自由な発想力

  • 新しい価値の創造

牡羊座2度の解説

「喜劇役者」という象徴

人が笑うのは、想定外の出来事に可笑しさ(=ユーモア)を感じるからだと言われています。そして、自分が思っていた事と実際に起きた事、これら2つの組み合わせに意外性があればあるほど可笑しさの度合いは大きくなるのだそうです。

牡羊座2度の喜劇役者を象徴として考えると、そこに示されているのは、一見無関係に思える要素を組み合わせて笑いを生み出す類まれな発想力、新しい価値(=笑い)の創造です。斬新なアイデアを次々と生み出すエネルギーに満ち溢れています。

世界三大喜劇王

サビアンシンボルが生み出された1920年代、アメリカでは後に世界三大喜劇王と呼ばれる、チャールズ・チャップリン、バスター・キートン、ハロルド・ロイドが活躍していました。
彼らはいずれも巧妙に“意外性”を作り出す才能の持ち主であり、それまで主流だった単なるドタバタ劇とは一線を画す新しい笑いで人々の心をつかみました。また、滑稽な表情や動きで笑いを提供していた3人が、揃いも揃って美形だったことも、意外性の一つかもしれません。

チャップリンは、笑いを生み出す源泉が何であるかを知っていました。チャップリンと言えば、山高帽・チョビ髭・短い上着・だぶだぶズボン・ステッキという扮装が印象的です。一見紳士的に見えなくもない身なりですが、実は浮浪者という設定。チグハグさと滑稽さが感じられるこの扮装は、偶然ではなく彼が意図的に選んだものです。
また、「人生は近くで見ると悲劇だが、遠くから見れば喜劇である」という彼の名言にある通り、彼の喜劇には悲しみと笑いが同居していました。

キートンは“ストーン・フェイス”と称された無表情な顔とアクロバティックな動きを組み合わせ、そのギャップで見る人の笑いを誘いました。ロイドは突拍子もない出来事に巻き込まれて大奮闘する、ごく普通の好青年“ザ・ボーイ”を演じ、現代に通じる視覚的なギャグを次々と生み出しました。
チャップリンと同様、キートンもロイドも正反対の要素を絶妙に組み合わせたキャラクターや演出で、世の人々の笑いを誘ったのです。

仲間を楽しませている喜劇役者

喜劇役者は「a group(仲間)」を楽しませています。「喜劇役者」「仲間を笑わせている状況」の2つから私が思い浮かべるのは、チャップリンにまつわるいくつかのエピソードです。

チャップリン初舞台のきっかけは、舞台女優だった母ハンナの代役でした。舞台で突然声が出なくなったハンナを見て慌てた劇場の支配人は、チャップリンが物真似をして母の役者仲間を笑わせていたのを思い出し、当時わずか5歳だった彼を舞台に立たせたのです(もちろん、初舞台は大成功でした)。また、学校で朗読をした時は、クラス中が笑いの渦に包まれたと、チャップリン自身が語っています。

実際に喜劇役者になってからも、チャップリンの生み出す斬新な笑いにいち早く反応したのは、身近な人々でした。
初めてあの有名な扮装をして映画の撮影に臨んだ時、歩きながら人や物につまずき、そのたびに帽子を上げて詫びる様子を見て、撮影スタッフがクスクス笑い始めました。さらに、大道具係や衣装係その他同じ役者仲間も見物にやって来て、みんな大いに笑い転げたのだそうです。
今までのアメリカにはいなかった、新しいタイプのキャラクターが誕生した瞬間でした。

牡羊座サインの源泉

世界三大喜劇王、その中でもチャップリンを中心に牡羊座2度のサビアンシンボルを見てきました。新しい笑いを生み出す発想力は、固定概念や常識にとらわれない柔軟な態度・自由な思考から生まれると言えそうです。

私の解釈では、サビアンシンボルはサインの性質を万華鏡のように見せてくれる役割をもっています。その中で2度はサインの思考や行動の源泉を表し、1度に示された基本的な性質と併せて考えることで、そのサインらしさがわかります。

牡羊座サインの場合、1度では「誕生」「新しさ」や「本能的な性質」が示されていました。2度では「喜劇役者」に象徴される自由な発想が思考や行動の源泉となります。そして、その発想は一般常識から生まれたり、他のアイデアを真似たりはしていません。また、コツコツ努力を重ねた結果でもありません。
今まで存在しなかった、全く新しいアイデア(=閃き)なのです。そしてそれは文字通り閃光のごとく瞬間的に、何の脈絡もなく生まれ、アイデアを思いついた本人でさえその理由をうまく説明できないかもしれません。

実際には、この今まで存在しなかった新しいアイデアは、それまでの体験や知識の積み重ねと全く無縁ではありません。しかし、一見無関係に見える要素を選び出し、それらを組み合わせて新たな価値を持つ“何か”を生み出す発想力、これこそが牡羊座サインの源泉と言えるのです。

image photo : by  JosepMonter(pixabay)

サビアンシンボルの解釈について

当記事の内容は、サビアンシンボルを考案したマーク・エドモンド・ジョーンズやサビアンシンボルの解釈を著したディーン・ルディアの解釈とは異なります。サビアンシンボルに登場する要素を象徴として扱い、象徴が意味する内容に基づいた独自の解釈を行っています。

牡羊座のサビアンシンボル一覧

象徴的解釈:牡羊座1度のサビアンシンボル
象徴的解釈:牡羊座2度のサビアンシンボル
象徴的解釈:牡羊座3度のサビアンシンボル
象徴的解釈:牡羊座4度のサビアンシンボル
象徴的解釈:牡羊座5度のサビアンシンボル

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?